[第69話 食、農] 世界の銘茶を目指す山城紅茶[第71話 沖縄] 沖縄の土に惚れ込むロリマーさんの器

2008年08月10日

[第70話 食、農] ピュアな甘味を堪能 古宇利島のウニ

 沖縄本島北部、今帰仁村の古宇利島ではウニ漁が真っ盛り。カラからはずしたばかりの新鮮な生ウニを口に含むと、磯の香りの中から濃厚な甘味が立ち上ってくる。

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 沖縄で獲れるウニはシラヒゲウニ。亜熱帯の海に生息するウニで、日本では沖縄、奄美の海で獲れる。姿を見れば名前の由来はイメージできるだろう。7月、8月が収穫期。だたし、資源保護のため、漁獲が禁止される年もある。

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 古宇利島では、今帰仁漁協のウニ加工のための共同利用施設で、獲られたばかりのウニの処理作業が進んでいた。

 作業は海水をかけながら行う。まずナイフでウニを2つに割る。食べられる黄色い部分は生殖巣で、これが内部に5筋ある。割る人はこれが2筋と3筋にうまく分かれるように割り、食べられない部分をかき出す。

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 次の人が、殻の内側にはりついている生殖巣をスプーンではがしとる。もろい生殖巣を傷つけないよう慎重にやらねばならない。殻からはずされた生殖巣は、水気をとって容器に並べられる。

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 こうした作業は家族総出で行われる。金城正行さんの一家も、正行さんが獲ってきたウニを女性陣がきれいに処理して、出荷する容器にていねいに並べていた。

 話を聞いていたら、作業中の女性の一人が「はい、味見して下さい」と言って、貴重なウニをてのひらにたくさん乗せてくれた。大感激。ひたすら甘い。

 生のウニはそのままにしておくと、2、3日で溶けてしまうのだそうだ。このため、ウニの形を長く保持するには、ミョウバン液に漬けなければならない。ただ、ミョウバン液につけると、若干の苦みが生じる。もちろん獲れたてのウニは、全くの生だから、苦みは一切ない。

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 苦みのないウニのピュアな甘味を堪能したい向きは、古宇利島にウニを買いに行くことをお勧めする。古宇利大橋を渡って島に入ると左手に港とウニ加工施設が見えてくる。そこでも売ってくれるし、ほかにもウニを買える場所は島内にいくつかある。価格はどこでも100gで1500円。持ち帰り用に小さなクーラーボックスと氷を持参すること。

 島の中には、獲れたてのウニをのせたウニどんぶりを出す食堂やパーラーもいくつかあるから、最高の味をその場で楽しむこともできる。

 もう一つ、古宇利島の魅力は、その海の色の美しさだ。古宇利大橋の両側に広がる海の色は、ちょっと言葉では表せないほど、すごい。離島を除いて、これだけの色の海はまず見られないのではないか。天気がよくなければ色は冴えないから、ぜひ晴天の日を選んで出かけたい。ウニの甘味と海の圧倒的な美しさで、最高の夏休みになるはずだ。

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 古宇利島は、屋我地島をはさんで、沖縄本島と橋でつながっているので、車で行ける。国道58号線で名護市中心部を抜けてしばらく行くと、屋我地島に入る道があるから、そこを左折し、あとは案内板にしたがって行けばよい。

 ウニに関する問い合わせは、今帰仁漁協0980-56-2226まで。

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