[第84話 食] ジュースで楽しむゴーヤー[第86話 沖縄] 高良輝幸さんの竪琴あやはべる

2008年11月08日

[第85話 食] 金城文さんが作る黄金イモのケーキ

 第76話の黄金イモで作られたおいしいケーキを見つけたのでご報告。黄金イモと黒ごまのパウンドケーキ。これはいける。

Aya2 

Aya3


 数字を確認したわけではないが、東京などに比べると、沖縄は「町のケーキ屋さん」が少ないとよく言われる。そんな中で、那覇のど真ん中、パレット久茂地の1階にあるアールカフェでは、自家製ケーキが人気を集めている。パティシエは金城文(あや)さん。

 ふかしただけのイモも甘くてお菓子のようだが、そこからさらに発展させようとすると案外難しい。イモの味と香りをしっかり残そうとすれば、結局、スイートポテト風になってしまう。逆に、イモを練り込んだスポンジやクリームを作ると、紅イモなどで色は生かせても、イモの味や香りはほとんど感じられない。

 イモの味や香りがはっきり分かるけれどスイートポテトではないお菓子―。この線が、出せそうでなかなか出せないのだ。

 「黄金イモと黒ごまのパウンドケーキ」(320円)は、見事にこれを実現した。イモの味はしっかり感じられるけれど、スイートポテトとも全く違う。

 生地の食感は、小麦粉のケーキとスイートポテトのちょうど中間、といった感じ。口に含むと「小麦粉で作られたケーキを食べているな」と思えるが、同時に「ああ、イモを食べていたんだ」という実感もちゃんと持てるから不思議。こういうイモのケーキは、ありそうで、なかなかない。

Aya1


 文さんは横浜のケーキ店などで修業した後、沖縄に戻り、5年前のアールカフェの開店時からパティシエとして活躍している。アールカフェのケーキはすべて彼女の作品。

 黄金イモと黒ごまのパウンドケーキのほかにも、魅力的なケーキがいろいろあるので、ついでにご紹介しよう。例えば、ドラゴンフルーツをあしらった「ワッフルパフェ」(350円)。味の基調は、ワッフルと生クリーム、それにグラスの底にたっぷりと沈むカスタードクリームなのだが、酸味のあまりないドラゴンフルーツが違和感なくそれにからむ。

Aya4


 果肉が赤紫色のドラゴンフルーツは、沖縄でたくさん作られている。色はきれいだが、マンゴーやパッションフルーツのような強い味や香りがないので、ケーキに生かすのは難しそう。金城さんのワッフルパフェは、よく熟したドラゴンフルーツをあえて大ぶりに切ったことで、甘いクリームたちと互角にわたり合えるようにしたところがミソ。

 「マロンのロールケーキ」(350円)もおいしい。徳島産の栗をなめらかなクリームに仕立てた。しっとりしたスポンジのきめの細かさと、なめらかマロンクリームとの呼吸がぴたりと合っている。このスポンジを焼くのに使う卵は、沖縄本島南部の八重瀬町東風平産の特別の卵だそうだ。小さなケーキの中に、文さんの技と選りすぐりの素材が生きている。

Aya5


 アールカフェは那覇市久茂地1-1-1、パレット久茂地の1階。098-867-0771。営業は10:00から20:30。

bansyold at 00:00│TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック  

トラックバックURL

[第84話 食] ジュースで楽しむゴーヤー[第86話 沖縄] 高良輝幸さんの竪琴あやはべる