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2008年11月26日

[第88話 食] じーまーみ豆腐の決定版

 沖縄の食べ物で隠れた人気を誇るのが、じーまーみ豆腐。県民にも観光客にも好きな人が多いらしく、どこのスーパーにも定番で売っているし、観光客がたくさん入る沖縄料理店のメニューにも載っていることが多い。那覇の市場で、とびきりおいしいじーまーみ豆腐を見つけた。

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 じーまーみ豆腐の「じーまーみ」は地豆(じまめ)、つまりラッカセイのこと。ラッカセイは地中に実がつくので、そう呼ばれる。英語ではピーナッツだが、グラウンドナッツとも呼ばれる。グラウンドは地面のことだから、グラウンドナッツは和訳すればまさに「地豆=じーまーみ」。

 ラッカセイを水につけてふやかした後に、水とともにミキサーにかけて漉し、豆乳のような白い液に甘藷でんぷんを加えて加熱し、よく練ったものを冷やして固めたのが、じーまーみ豆腐。

 万鐘本店では、読者からのリクエストもあり、かねてからじーまーみ豆腐を紹介したいと考えて、あちこちで探索を続けていた。だが、これはうまい、とはっきり思えるものになかなか出会えなかった。一言で言えば、スーパーのじーまーみ豆腐も、専門店のそれも、コクと香りに欠けるものが多かった。

 出会いは突然やってきた。那覇は新天地市場の本通り。たまたま前を通りかかった店にじーまーみ豆腐がたくさん積んであった。1つ140円、とある。試しに食べてみて驚いた。じーまーみの香りがはっきりと鼻に抜ける。あー、これこれ、この香り―。もぐもぐして飲み込んだ後、舌にはじーまーみの甘さがしっかり残った。うまい。

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 店の名は「商六」。店を切り盛りするのは花城リエ子さんとつうこさん姉妹。商いをしていたお母さんには6人の子供がいたので、こういう店名にした。

 さっそく、じーまーみ豆腐のうんちくを尋ねたが、気さくな姉妹の明るい笑顔から出てくる言葉は「わかりません」。うーむ、ガードが固いのかなあ、と思っていたら、ひとつだけコツを教えてくれた。「うちのじーまーみ豆腐は、豆をたくさん使っています」

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 なるほど。他店のものより味も香りも濃いのは、ラッカセイをケチらずにたっぷり使うからなのだ。ミキサーにかける際に水の量を少なめにして「濃い豆乳」を作るのだろうか。ともあれ、この味と香りは、小技ではなく、堂々たる大技から生まれているのだった。第78話で紹介した「アヒル肉をたっぷり使うからうまいアヒル汁」とよく似ている。

 じーまーみ豆腐を食べる時には、甘い味のたれをかけることが多い。商六のじーまーみ豆腐にも甘いたれがついてくる。が、まずは何もかけずに一口、食べてみてほしい。ラッカセイのしっかりした香りと甘味が堪能できる。その後はたれをかけて食べるもよし、ごま豆腐を食べる時のようにわさび醤油で食べるもよし。甘いたれもわさび醤油も強いので、ラッカセイの味や香りはベースに回ることになるが、それはそれでまたうまい。

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 ラッカセイは、豚肉並みのビタミンB1、B6を含む。脂質ではオレイン酸とリノール酸が多い。栄養豊富。じーまーみ豆腐は、献立の副菜にもなるし、おやつにもなる。

 商六は那覇市牧志3-4-1、新天地市場本通り、098-862-8816。サンライズ通り側からなら、新天地市場本通りの入り口から少し入った右手に見える。営業は09:30-19:00、「ほぼ」無休だが、用事が入ると休むこともあります、とのこと。電話で確認してから行こう。

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