2009年01月07日
[第95話 農] サンゴの海で育てるアーラミーバイ
沖縄の高級魚といえばミーバイ。中でもアーラミーバイは刺身や鍋料理用の高級食材だ。

ミーバイの和名はハタ、英名はグルーパー。アーラミーバイの和名はヤイトハタ。九州でアラの異名を持つクエとは別の魚だが、同じマハタの仲間で食味もよく似ている。
アーラミーバイは、沖縄では主に刺身や味噌仕立ての魚汁で食されてきた。もちろん最高級の白身魚として。最近は、冬場の鍋料理も盛ん。コラーゲンたっぷりのふるふるの皮と油ののった濃厚な身の味は、まさにアーラミーバイならではの醍醐味といえる。
ミーバイは温暖な南の海にいて、中国南部や東南アジアでも高級魚として珍重されている。中でもアーラミーバイは大型魚として知られ、大きいものでは100kg近くまで成長するらしい。去年の5月にも南大東島で72.6kgのアーラミーバイが上がったとのニュースが流れた。
ただ、天然モノは、安定した漁獲が期待できず、それだけではとても供給が追いつかない。値も相当はる。普通の人の口に入るようにするには養殖で育てるしかない。
沖縄では、県内外の需要に応えようと、八重山や伊平屋島を中心にアーラミーバイが養殖されている。沖縄本島にもアーラミーバイの養殖場があると聞いて訪ねた。

ところは沖縄本島中部東海岸の宮城島。この島でアーラミーバイの養殖を手がけているのが、同島出身の久米清一社長率いる久米水産だ。清一さんの弟で、現役漁師の清吉さん親子が現場の管理を担当している。
清一さんの父は宮城島でウミンチュー、つまり漁師をしていた。清吉さんがそれを継ぎ、清一さんは那覇に出て建設関係の仕事についた。建設需要の伸びが思わしくない中で、清一さんは新分野を開拓しようと考え、4年前、清吉さんとともにふるさとでアーラミーバイの養殖を始めた。

宮城島の池味漁港から船に乗り、サンゴ礁のエメラルドグリーンの海を北上すること10分、隣りの伊計島の伊計ビーチ沖に、養殖場はあった。目の前に伊計ビーチが見えている。
水深約20mの海に、木を組んだ枠を浮かべ、そこに5m×5m×5mほどの網を固定。中をのぞくと、黒々とした魚影が盛んに動いている。水中をのぞくためのガラス底の筒でいけすの中を見たら、青い海の中にアーラミーバイがたくさん見えた。動きが早い。

アーラミーバイの稚魚は本島北部、本部町にある沖縄県栽培漁業センターが供給。稚魚が2、3kgの出荷体重になるまでには2年ほどかかる。その間は生育管理ももちろん大変だが「台風で海が荒れて、いけすが壊されることがあるのが大きな問題です」と清吉さんが海面養殖の苦労を語る。台風時には、暴れる木の枠から網をとりはずし、海に沈めて稚魚を守るそうだ。
一昨年は稚魚を1万尾、昨年は3万尾入れた。「10万尾くらいまで増やしたいですね」と清一さん。今は主に沖縄県内の割烹に出しているが、生産量が増えたら本土にも出したいと考えている。
久米水産株式会社は那覇市小禄2-6-11、098-859-0389。

ミーバイの和名はハタ、英名はグルーパー。アーラミーバイの和名はヤイトハタ。九州でアラの異名を持つクエとは別の魚だが、同じマハタの仲間で食味もよく似ている。
アーラミーバイは、沖縄では主に刺身や味噌仕立ての魚汁で食されてきた。もちろん最高級の白身魚として。最近は、冬場の鍋料理も盛ん。コラーゲンたっぷりのふるふるの皮と油ののった濃厚な身の味は、まさにアーラミーバイならではの醍醐味といえる。
ミーバイは温暖な南の海にいて、中国南部や東南アジアでも高級魚として珍重されている。中でもアーラミーバイは大型魚として知られ、大きいものでは100kg近くまで成長するらしい。去年の5月にも南大東島で72.6kgのアーラミーバイが上がったとのニュースが流れた。
ただ、天然モノは、安定した漁獲が期待できず、それだけではとても供給が追いつかない。値も相当はる。普通の人の口に入るようにするには養殖で育てるしかない。
沖縄では、県内外の需要に応えようと、八重山や伊平屋島を中心にアーラミーバイが養殖されている。沖縄本島にもアーラミーバイの養殖場があると聞いて訪ねた。

ところは沖縄本島中部東海岸の宮城島。この島でアーラミーバイの養殖を手がけているのが、同島出身の久米清一社長率いる久米水産だ。清一さんの弟で、現役漁師の清吉さん親子が現場の管理を担当している。
清一さんの父は宮城島でウミンチュー、つまり漁師をしていた。清吉さんがそれを継ぎ、清一さんは那覇に出て建設関係の仕事についた。建設需要の伸びが思わしくない中で、清一さんは新分野を開拓しようと考え、4年前、清吉さんとともにふるさとでアーラミーバイの養殖を始めた。

宮城島の池味漁港から船に乗り、サンゴ礁のエメラルドグリーンの海を北上すること10分、隣りの伊計島の伊計ビーチ沖に、養殖場はあった。目の前に伊計ビーチが見えている。
水深約20mの海に、木を組んだ枠を浮かべ、そこに5m×5m×5mほどの網を固定。中をのぞくと、黒々とした魚影が盛んに動いている。水中をのぞくためのガラス底の筒でいけすの中を見たら、青い海の中にアーラミーバイがたくさん見えた。動きが早い。

アーラミーバイの稚魚は本島北部、本部町にある沖縄県栽培漁業センターが供給。稚魚が2、3kgの出荷体重になるまでには2年ほどかかる。その間は生育管理ももちろん大変だが「台風で海が荒れて、いけすが壊されることがあるのが大きな問題です」と清吉さんが海面養殖の苦労を語る。台風時には、暴れる木の枠から網をとりはずし、海に沈めて稚魚を守るそうだ。
一昨年は稚魚を1万尾、昨年は3万尾入れた。「10万尾くらいまで増やしたいですね」と清一さん。今は主に沖縄県内の割烹に出しているが、生産量が増えたら本土にも出したいと考えている。
久米水産株式会社は那覇市小禄2-6-11、098-859-0389。