[第106話 沖縄] 現代によみがえる六諭衍義[第108話 食] てだこそばの噛みごたえある麺

2009年03月20日

[第107話 食、沖縄] ターンム料理いろいろ

 ターンムと言えば、盆や正月などのめでたい席に必ず出される島のイモ。さまざまなターンムの食べ方を、ターンムの産地、金武町にあるカフェレストラン「長楽」にナビゲートしてもらおう。

Taum1

Taum2


 ターンムは、漢字で書けば田芋。その名の通り、田んぼで栽培するイモだ。ただし、水があればいいというものではなく、その水が流れていないとうまく育たないデリケートなイモ。子イモが増えるのを子孫繁栄になぞらえた縁起物として、めでたい行事で食される。県内の主産地は金武町と宜野湾市。

 ターンムは、すーっと伸びた茎にハート型の大きな葉がついている。つまり、ジャガイモ、サツマイモ、ヤム、タロの世界4大イモの中では、タロの仲間。本土ではサトイモやヤツガシラが同じ仲間だ。沖縄には、ターンムとよく似ているが、水気のない畑で作られるチンヌクというタロ系のイモも別にある。

 さて、そのターンムの食べ方だが、長楽には、「田いも膳」というターンムづくしの定食がある。代表的なターンム料理はほぼこの中に含まれているので、この田いも膳を、一皿一皿見ていくことにしよう。

Taum3


 まずドゥルワカシー。ターンムを煮崩し、豚肉や椎茸などと合わせてよく練ったものだ。ねっとりと粘りの強いターンムの食感とうまみのある具材の取り合わせが面白い。こういう豚味、だし味で、かつこの食感という食べ物は、ほかにはあまりないのではないか。

 ドゥルワカシーをまるめて油で揚げたのがドゥル天。まるめて揚げる、と言えば簡単に聞こえるかもしれないが、ドゥルワカシーそのままでは水分が多すぎて、うまく揚げられない。水分を調整し、ターンムの茎のムジを加えて初めてドゥル天の生地になる。

Taum6


 ディンガクはターンムを煮崩して砂糖を加えたもの。本土の正月料理で出てくるきんとんのような感じの箸休めだが、ディンガクの方がきんとんよりも粘りが強い。これは作るのが割に簡単なので、家庭でよく作られる。

Taum4


 から揚げも家庭でよく作られる。ターンムを素揚げし、砂糖醤油にくぐらせたもの。ただし、揚げる時にコツがある。「素揚げの際には200度以上で揚げます」とプロのこつを話すのは長楽の豊川善規シェフ。高温で揚げれば表面がせんべいのようになり、砂糖醤油にくぐらせた後でもカリっとした食感になる。

Taum5


 最後になったが、2枚目の田いも膳の全体写真でごはんの横にドンとすわっているのがムジ汁。ムジはターンムの茎。長楽のムジ汁は白みそ仕立て。ムジ汁については万鐘本店第58話で那覇・栄町市場内のムジ汁専門店を紹介したことがある。長楽の田いも膳には、そのムジをゆがいて酢味噌をかけたものと、ムジの肉巻きも小鉢でつく。いずれもムジのシャクシャクした感じが楽しい。

 田いも膳は以上だが、長楽にはもう一つ、ターンムを生かしたメニューがある。田いも饅頭がそれ。ディンガクをさらにつやよく練り上げたようなターンム餡が中華まんじゅう風のソフトな饅頭生地に包まれている。冷めてもおいしいが、電子レンジで少し温めると、餡の香りが強調されておいしい。

Taum7


 長楽は、金武町字金武245、098-968-7666、火曜定休。HPはこちら。 

bansyold at 00:00│TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック  | 沖縄

トラックバックURL

[第106話 沖縄] 現代によみがえる六諭衍義[第108話 食] てだこそばの噛みごたえある麺