[第127話 食] おきなの絶品フーチバージューシー[第129話 沖縄] 琉球の実測図(上)ー伊能に半世紀先んじて

2009年08月02日

[第128話 食] 真っ黒な黒糖黒ごまジャム

 ごらんのように真っ黒。まるで墨のような真っ黒のペーストの正体は、黒糖と黒ごまの黒黒コンビ。それ以外は何も入っていない。サトウキビの絞り汁を煮詰めるところから黒砂糖を作っている仲宗根黒糖の看板商品だ。

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 沖縄はサトウキビ栽培が盛ん。かつてはかなりの金額になったので、農家は競って稲作から転換したのだが、経済成長を遂げた今では、事情はすっかり変わってしまった。生鮮食品でもない砂糖で、労賃がべらぼうに安い途上国と張り合うのは確かに相当しんどい。

 しかし、それは普通の白砂糖の原料としての話。ミネラルたっぷりの健康食品である黒砂糖作りはまた別で、こだわりを持った県内各メーカーがアイデアを競っている。

 浦添市の仲宗根黒糖もその一つ。社長の仲宗根聡さんは、東京で不動産会社に勤めていたのをやめて故郷の沖縄に戻ったUターン組だ。あるおじいが、昔のままのやり方で、サトウキビの絞り汁を煮詰めて黒糖を作っているのを見せてもらう機会があった。食べてみると、実においしい。

 「ひと口に黒糖菓子と言っても、いろいろなものがあるでしょう。沖縄の人でも、本当の黒糖の味を知っている人は案外少ないんじゃないでしょうか。私もその一人だったわけです」と仲宗根さん。黒砂糖ってこんなにおいしいものだったのか―。おじいの作る黒糖を、目からウロコの思いで味わった。

 早速このおじいに「入門」し、黒砂糖の作り方を教えてもらった。さらに、仲宗根さんは黒砂糖の味を生かした優れた加工品を作りたいと考え、いろいろな副原料を試した。中でもおいしかったのが、黒ごまと混ぜたもの。ペースト状なので「黒糖黒ごまジャム」と名付けた。

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 この黒糖黒ごまジャムを口に含むと、黒ごまの味と黒砂糖の味の両方を感じることができる。どちらかと言えばトップの香りは黒ごまなので「あー、黒ごまの味だなあ」と思うのだが、その瞬間、しっかりとした黒砂糖の味が押し寄せてきて「うんうん、黒糖の味だ」と納得する。黒ごまの味と思えば確かに黒ごまの味がするし、黒砂糖だと思えば確かに黒砂糖の味がする。どちらも全く譲らない。

 黒ごまには独特の味と香りがあるから、黒ごまのペーストに砂糖を入れるだけでもおいしいが、そこに黒砂糖の個性的な味わいが乗ると、味の奥行きがグーンと増す。

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 パンに塗るのはもちろん、モチにつけたり、ヨーグルトにかけて食べてもおいしい。インゲンのごまよごしなどもこれで作るとコクのあるものができそうだ。

 いかにも体によさそう。黒砂糖にはカリウムが豊富に含まれている。一方、ごまはカルシウムの宝庫。マグネシウムやリンも多い。最近では、セサミノールをはじめとする抗酸化物質が注目を集めている。

 おじい仕込みの自家製黒砂糖と黒ごま以外には何も入っていない。もちろん、増粘剤や保存料といった添加物は一切なしの無添加自然食品。びんのラベルには、サトウキビの絞り汁を釜炊きで煮詰める挿絵が描かれていて、独特の雰囲気を醸し出す。

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 那覇市を走るモノレールの終点、首里駅の前に直営店があって、製品はここで買える。日持ちがするので、おみやげにもいい。那覇市首里汀良町3-20、098-884-3930。仲宗根黒糖のHPからも取り寄せられる。

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