2012年08月
2012年08月30日
魚醤とスクガラス
ももと膳の冷しゃぶには、中華だれとアジアだれの2つが添えられています。この写真ではわかりづらいですが、おちょこのような器が2つ並んでいますね、その左がアジアだれ、右が中華だれ。
中華だれは、酢醤油のベースに、にんにく+生姜+ねぎの黄金のトリオが加わります。醤油の味とねぎ、生姜、にんにくの風味は、おなじみの味と香りですね。
もう一つのアジアだれは、魚醤がベース。魚醤はイワシなどを塩漬けにして出てくるエキスを熟成させた液体調味料です。タイのナンプラー、ベトナムのヌクマムと言えば、日本でもよく知られています。
魚醤にも、一番搾りとか、二番搾りがあって、もちろん最高級は一番搾りなのですが、二番搾りとブレンドすることで、二番搾りも十分おいしく食べることができるようになります。
ベトナムでもタイでも、イワシを塩で漬け込んだだけの昔ながらの魚醤ばかりでなく、工業的に作られて人工的に味付けされた安価な「魚醤風調味料」も広く出回っていますので、注意して選ばないといけません。
日本にも秋田の「しょっつる」など、各地に魚醤があります。沖縄には、魚醤と呼ばれる製品はありませんが、よく似たもの、というか、事実上これは魚醤だ、といえるものがあります。
それはスクガラスを漬けた汁です。最近のスクガラスは観光みやげ用に透明な液に浸かっていますが、あれはほとんどただの塩水で、うまみはありません。本当のスクガラスの汁はうす茶色に濁っていて、見栄えはよくないのですが、魚のエキスですから、うまみの固まり。魚醤そのものです。
以前、スクガラスの汁でソーメンチャンプルーを作ってみたことがあります。この時は、漬け汁だけでなく、魚本体も使いましたが、実においしかった。
魚醤はうまみの固まりですが、発酵した独特の臭いがあるので、好き嫌いが分かれることも。ももと庵では、いったん煮切って臭みを飛ばしてから、酢や砂糖と合わせています。にんにく、少量の唐辛子に加え、ニラのみじん切りがいい香りを出してくれます。
中華だれは、酢醤油のベースに、にんにく+生姜+ねぎの黄金のトリオが加わります。醤油の味とねぎ、生姜、にんにくの風味は、おなじみの味と香りですね。
もう一つのアジアだれは、魚醤がベース。魚醤はイワシなどを塩漬けにして出てくるエキスを熟成させた液体調味料です。タイのナンプラー、ベトナムのヌクマムと言えば、日本でもよく知られています。
魚醤にも、一番搾りとか、二番搾りがあって、もちろん最高級は一番搾りなのですが、二番搾りとブレンドすることで、二番搾りも十分おいしく食べることができるようになります。
ベトナムでもタイでも、イワシを塩で漬け込んだだけの昔ながらの魚醤ばかりでなく、工業的に作られて人工的に味付けされた安価な「魚醤風調味料」も広く出回っていますので、注意して選ばないといけません。
日本にも秋田の「しょっつる」など、各地に魚醤があります。沖縄には、魚醤と呼ばれる製品はありませんが、よく似たもの、というか、事実上これは魚醤だ、といえるものがあります。
それはスクガラスを漬けた汁です。最近のスクガラスは観光みやげ用に透明な液に浸かっていますが、あれはほとんどただの塩水で、うまみはありません。本当のスクガラスの汁はうす茶色に濁っていて、見栄えはよくないのですが、魚のエキスですから、うまみの固まり。魚醤そのものです。
以前、スクガラスの汁でソーメンチャンプルーを作ってみたことがあります。この時は、漬け汁だけでなく、魚本体も使いましたが、実においしかった。
魚醤はうまみの固まりですが、発酵した独特の臭いがあるので、好き嫌いが分かれることも。ももと庵では、いったん煮切って臭みを飛ばしてから、酢や砂糖と合わせています。にんにく、少量の唐辛子に加え、ニラのみじん切りがいい香りを出してくれます。
2012年08月25日
微塩熟成の魔術
冷しゃぶ話の続きを。ももと膳の冷しゃぶは、微塩熟成させた豚三枚肉を使っています。万鐘の人気商品「豚しゃぶスーチカー」です。
スーチカーというのは、沖縄の言葉で「しおづけ」のこと。「スー・チカー」と「シオ・ヅケ」。音が似ていませんか。
微塩熟成後の肉のかたまりは、こんな感じです。
昔は冷蔵庫がなかったので、めったに食べられないごちそうの肉を腐らせないようにするのに、大量の塩に漬け込んでいました。今はもちろん冷蔵庫があるので、大量の塩に漬ける必要はないのですが、実は、肉は塩漬けにすると、ものすごく味もよくなるんですね。
昔みたいに保存目的で大量の塩を使うのではなく、純粋においしくするために、微量の塩で冷蔵庫でしばらく熟成させます。これを極く薄く切って、しゃぶしゃぶにして食べると、はあ、もう、うまいのなんの。おススメです。
肉の写真ですが、普通の豚肉より、色がやや濃いめで、透明度が高いのが特徴です。下は万鐘の豚しゃぶ写真ですが、豚肉がこんなに透明な感じになるの?とよく質問されます。結論から言えば、なるんです。
魚屋さんで「生」のタラコやスジコが売られていることがあります。それらと、塩蔵されて食べられるようになったタラコやスジコ(イクラ)を思い浮かべて下さい。塩蔵タラコや塩蔵スジコの方が色が深くなり、同時に透明感も増していますよね。
それと全く同じことが、肉の中で、塩蔵熟成中に起きているんです。肉の色が深くなり、透明度が高まり、ねっとりとした粘りが出てきます。肉の細胞の保水力も高まり、冷凍から解凍してもドリップが出にくくなります。
タラコ、イクラのような、ねっとりと透明な豚肉。これが微塩熟成の結果です。
スーチカーというのは、沖縄の言葉で「しおづけ」のこと。「スー・チカー」と「シオ・ヅケ」。音が似ていませんか。
微塩熟成後の肉のかたまりは、こんな感じです。
昔は冷蔵庫がなかったので、めったに食べられないごちそうの肉を腐らせないようにするのに、大量の塩に漬け込んでいました。今はもちろん冷蔵庫があるので、大量の塩に漬ける必要はないのですが、実は、肉は塩漬けにすると、ものすごく味もよくなるんですね。
昔みたいに保存目的で大量の塩を使うのではなく、純粋においしくするために、微量の塩で冷蔵庫でしばらく熟成させます。これを極く薄く切って、しゃぶしゃぶにして食べると、はあ、もう、うまいのなんの。おススメです。
肉の写真ですが、普通の豚肉より、色がやや濃いめで、透明度が高いのが特徴です。下は万鐘の豚しゃぶ写真ですが、豚肉がこんなに透明な感じになるの?とよく質問されます。結論から言えば、なるんです。
魚屋さんで「生」のタラコやスジコが売られていることがあります。それらと、塩蔵されて食べられるようになったタラコやスジコ(イクラ)を思い浮かべて下さい。塩蔵タラコや塩蔵スジコの方が色が深くなり、同時に透明感も増していますよね。
それと全く同じことが、肉の中で、塩蔵熟成中に起きているんです。肉の色が深くなり、透明度が高まり、ねっとりとした粘りが出てきます。肉の細胞の保水力も高まり、冷凍から解凍してもドリップが出にくくなります。
タラコ、イクラのような、ねっとりと透明な豚肉。これが微塩熟成の結果です。
2012年08月20日
しっとり冷しゃぶを作るには
新装開店の初回は、ももと庵看板メニュー「ももと膳」で主役をはっている冷しゃぶの話題からいきましょう。
冷しゃぶ、夏の人気メニューですね。みなさん、どのようにして冷しゃぶを作っていますか。
冷しゃぶをおいしく作る一番のコツは、豚肉をゆがく小鍋の火を完全に消すことなんです。
ぐらぐら煮立っている湯の中に、紙のように薄く切られたしゃぶしゃぶ肉を入れたら、あっという間に火が通って肉汁が出てしまい、肉がパサパサになります。
だから、湯が沸騰したら、まずは火を止めて、その後もひと呼吸置いて、そうですね、温度がだいたい80度くらいまで下がってから、おもむろに肉を入れてしゃぶしゃぶします。
色がピンク色に変わったら、すぐに引き上げて、水にさっとくぐらせれば出来上がり。氷水でキンキンに冷やすと脂が固まってしまうので、普通の水か、ちょっと冷たいくらいの水で十分です。
ゆがく鍋は小さめがおすすめ。大きいと湧いた湯がなかなか冷めません。
こんなやり方で、冷しゃぶ、ぜひ作ってみて下さい。淡いピンク色の、しっとりとジューシーな冷しゃぶが楽しめますよ。
冷しゃぶ、夏の人気メニューですね。みなさん、どのようにして冷しゃぶを作っていますか。
冷しゃぶをおいしく作る一番のコツは、豚肉をゆがく小鍋の火を完全に消すことなんです。
ぐらぐら煮立っている湯の中に、紙のように薄く切られたしゃぶしゃぶ肉を入れたら、あっという間に火が通って肉汁が出てしまい、肉がパサパサになります。
だから、湯が沸騰したら、まずは火を止めて、その後もひと呼吸置いて、そうですね、温度がだいたい80度くらいまで下がってから、おもむろに肉を入れてしゃぶしゃぶします。
色がピンク色に変わったら、すぐに引き上げて、水にさっとくぐらせれば出来上がり。氷水でキンキンに冷やすと脂が固まってしまうので、普通の水か、ちょっと冷たいくらいの水で十分です。
ゆがく鍋は小さめがおすすめ。大きいと湧いた湯がなかなか冷めません。
こんなやり方で、冷しゃぶ、ぜひ作ってみて下さい。淡いピンク色の、しっとりとジューシーな冷しゃぶが楽しめますよ。