2013年03月

2013年03月28日

溶ける、溶けない

 新登場パウンドケーキの楽屋ばなしを2回ほど。今回のテーマは「溶ける、溶けない」です。

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 パウンドケーキのレシピには、ほぼ必ず「バターを室温で柔らかくし、クリーム状になるまで練ってから砂糖を加え、なめらかになるまでよく混ぜる」と書いてあります。最初から砂糖を加えて、バターと一緒に練ってもよい、となっています。

 やってみると、バターをクリーム状にするまではいいんですが、砂糖がなかなか溶けない。

 考えてみれば、当たり前ですね。砂糖は水には溶けますが、油には溶けないからです。バタークリームだって、砂糖は水などに溶かしてから卵と混ぜてホイップし、最後にバターと合わせて作るんですから。

 あぁ、そうか、というわけで、考えついたのは、次の2つの方法でした。

 一つは、砂糖はバターにではなく、卵に溶かす方法。卵は水分が多く、砂糖もよく溶けます。この砂糖入りの卵液を、空気を含んだクリーム状バターに少しずつ加えて混ぜていきます。今、ももと庵でお出ししているパウンドケーキ生地はこの方式で作りました。

 もう一つの方法は、まだ試してはいませんが、砂糖はクリーム状バターに混ぜるけど、軽く混ぜるにとどめ、ざらざら状態のままでおしまいにする、というもの。

 砂糖はバターに投げ込まれ、いわば粒全体が油でコーティングされた状態になるため、その後で卵液を混ぜた段階でも溶け切らないかもしません。が、最後に焼けば高温で必ず溶けるでしょう。焼きながら砂糖が溶ければ、そこに小さな隙き間が生じ、それがまた食感の向上に結びつくかもしれないナ、と想像したりしています。

 食感、と言えば、レシピによってはふくらし粉を入れるものもあります。ももと庵は入れません。ふくらし粉は膨らみがよすぎて、パウンドケーキらしい「しっかり」感が損なわれるからなんです。

 卵を泡立てて空気を含ませ、ふっくら感を出す方法もありますが、ももと庵では、バターに空気を含ませるのみ、という古典的な方法でやっています。

 しっかり感と言えば、沖縄のサーターアンダーギーを思い起こします。しっかり、というより、もっと率直に「固い」と言った方が実感に近いかもしれません。

 行事のたびにおばあに勧められて食べるサーターアンダーギー。あれも、ベーキングパウダー入りのミックスで作ったのより、古典的な「固い」やつの方が、それらしくてうまいんじゃないか、と。

 パウンドケーキの場合はバターがたっぷり入るので、その分、「しっかり、しっとり」になります。

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2013年03月22日

泡盛香るパウンドケーキ

 ももと庵でティータイムにパウンドケーキを始めましたよ。

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 ももと庵の甘味は、夏のパッションプリンや冬の黒ごま汁粉などが好評ですが、「お茶と一緒に食べられるスイーツが欲しい」という声にお応えしたのが、このパウンドケーキです。

 ももと庵のパウンドケーキは、「砂糖、小麦粉、バター、卵がそれぞれ1パウンドずつ入るからパウンドケーキ」というパウンドケーキの鉄則をほぼ忠実に守った、クラシックな味。

 泡盛に漬け込んだレーズンを入れました。泡盛には独特の香りがあって、漬け込んだドライフルーツが深ーい味になります。

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 ふくらし粉は入れていません。バターを空気の含まれたクリーム状にすることで、ごく抑えめのふんわり感を出すにとどめました。パウンドケーキ本来の「しっとり、しっかり」の食感です。

 午後2時からのティータイムメニューでお出ししています。コーヒーまたは紅茶とセットで450円。ぜひお試し下さい。


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2013年03月17日

南向き地図、時々売れてます

 ももと庵に来られるお客様の中には、食事の後、おみやげに肉みそを買う方が結構いらっしゃいますが、昨日、岡山から来られたご家族連れは、万鐘オリジナルの南向き地図「アジアの世紀」を買って行かれました。「地図好きなんです!」。そうおっしゃっていました。

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 この地図、正直なところ、それほど売れるわけではありません。「なんだろう、これ」「なんだかよく分からない」―。やはり「ピンと来ない」というのが一番大きいと思います。

 ただ、自宅などに貼ってしばらく見慣れた方からは、「面白い」「アジアが、これまでと全然違って見えてくる」とよく言われます。

 「そうでしょ、そうでしょ、そうなんですよお」。作った側からすると、思わずヒザを打ちたくなる嬉しい反応です。

 この地図、万鐘の創業10周年記念で制作したオリジナルです。

 沖縄は日本の南の玄関。玄関が一番下だと、そのさらに下にはなかなか目が向きません。

 一方、時代は確実にアジアの世紀であることを告げています。中国13億、東南アジア6億、さらにそのすぐ西には17億人を擁するインド亜大陸が控えています。

 琉球王国時代の14世紀。アジア貿易の船が、南に向けて、那覇の港を出発していました。飛行機でも船でもそうですが、北が上、ということはありません。向かう先が前、です。南向きの地図を見ていると、向かう先が上になるので、船や飛行機が南に向かって進む感じがとってもよく分かるんです。

 手作りで都市の位置などに甘さがあるため、あくまで観賞用の地図として眺めていただければ、と思いますが、これまでと全く違ったアジア像をイメージすることができます。オススメですよ。ネットショップでも販売しています。

bansyold at 09:04|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote 万鐘の加工品 

2013年03月13日

シティのシャープな歌い回し

 ももと庵や食の話題の箸休めに、アジアつながりで、アジアの実力派歌手を時々取り上げてみたいと思います。日本ではあまり知られていませんが、なかなかのボーカリストたちが各地で歌声を響かせているんです。

 アジア実力派ボーカリスト、記念すべき初回は、マレーシアのシティ・ヌルハリーザ Siti Nurhaliza。

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 マレーシアはもちろん、隣国インドネシアでも知らない人はいないというスター歌手。英語版のウィキペディアをのぞくと、ものすごい情報量がドドドーンと出てきて、驚かされます。

 まず比較的最近のものと思われるレコーディングの映像から。緊張感のあまりないふだん着感覚のスタジオの雰囲気とは裏腹に、細部まで神経の行き届いた歌唱です。曲は、1997年のセカンドアルバムに収められたヒット曲、アク・チンタ・パダム(Aku Cinta Padamu = I love you)。

 これほどシンプルなメロディなのにこれほど聴かせてしまう「歌ヂカラ」というのは、ちょっとすごいんじゃないでしょうか。



 声量たっぷりで張りのある高音域の声と、音階を降りたり上ったりする時のシャープな歌い回し。背後霊のように控えているディレクター氏?も、太鼓判のVサインを出していますね。

 シティ・ヌルハリーザは、1979年、マレーシアはパハン州の生まれ。祖父や母が歌手で、彼女も家族と一緒に小さい頃から結婚式などで歌っていました。16歳でテレビのスター誕生番組で優勝、国際的なレコード会社4社から契約の誘いを受けました。

 デビュー以来、ヒットを飛ばし続け、数え切れないほどの賞を受賞しています。まさに歌姫として生きるために生まれてきたような歩みです。

 シティ・ヌルハリーザは、マレーの伝統的な曲と現代風のポップスの両方を歌ってきました。マレーの伝統的な曲調の歌の中から、アップテンポの曲チンタ・イニ(Cinta Ini)のコンサート映像をどうぞ。



 ポップス系を歌う彼女の映像もYouTubeにはいろいろありますが、マレーシアの若手アーチストとして頭角を現している男性歌手ハフィースとのデュエット映像を見てみましょうか。曲はムアラ・ハティ(Muara Hati)。熱唱です。



 シティのあふれ出る歌声が、ハフィースの高めの声とよく絡んで、すばらしいハーモニーを生み出していますね。

 シティの曲はiTunesで売っています。



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2013年03月07日

相性抜群のつけ合わせたち

 ハンバーグのつけ合わせと言えば、ゆでじゃがいもと人参のグラッセでしょうか。定番といっていいですね。確かにハンバーグと一緒に食べるとおいしいです。

 今回は、ハンバーグと相性がいいつけ合わせの中で、やや珍しいものをいくつか紹介します。

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 まず焼きトマト。熟したトマトを横方向に厚さ1.5cmくらいの輪切りにし、油をひいた中強火のフライパンで両面をこんがり焼きます。表面をカリっとさせたければ、焼く寸前に軽く小麦粉をまぶしてから焼いてもOK。

 味付けは塩、こしょうで。ちらりと醤油をかけ、ジュっと軽く焦がすのもお勧めです。刻みにんにくと一緒に焼くと、これがまたうまい。

 焼きトマトは、つけ合わせ兼ソースになります。そのまま食べてもおいしいですし、崩してハンバーグと混ぜながら食べるのもまたよし。

 焼きトマトを添える時のハンバーグソースは、トマトっぽいものでない方がいいでしょう。思いきって「ソースなし」という手もあります。その場合は、コクの出る刻みにんにくをぜひトマトと一緒に焼いて下さい。塩、こしょう、醤油でしっかり味をつけ、焼きもしっかり目にします。仕上げに刻みタマネギを。

 セロリのような香草系が好きな方は、蒸しセロリをどうぞ。

 セロリを7、8cmの長さに切り、鍋に並べて塩と好みのオイルを軽くふり、水を大さじ4、5杯加え、ふたをして中弱火で7、8分蒸します。しんなりしたセロリは、蒸すことでよい香りが増し、青臭さは消え、とてもおいしいくなります。ハンバーグとの相性も抜群。

 蒸し、といえば、蒸しキャベツ、もなかなかいけますよ。

 キャベツは幅5mm、長さ7、8cmに切って、鍋に入れ、塩と酢を少々ふり、好みのオイルも少しふりかけ、水を大さじ4、5杯入れてフタをして中弱火で7、8分蒸します。クタクタになるくらい蒸した方がハンバーグとの相性がいいようです。

 これはどんどん食べ進んでしまうので、多めに作って下さい。盛りつける時に、ベチャっとならないように、水気を切って、こんもり盛るときれい。

 キャベツは高温加熱すると甘味が増しますので、シンプルないためキャベツも、なかなかいいつけ合わせになります。こちらもよくいためてキャベツの生っぽさをなくした方がいいですね。普通のキャベツいためより細目に切ると、ハンバーグとの相性がよくなります。

 蒸しキャベツと同じように、少し酢をふると、味が引き立ち、肉との相性がよくなります。ニンニク味が好きな方は刻みニンニクをいっしょにいためましょう。

 「美しい色合い」をトコトン追求する方には、やはりブロッコリーでしょうか。塩をひとつまみ入れた湯でゆでたブロッコリーは本当にきれいです。

 ブロッコリーはクセのない味なので、強めの味のソースとの相性がよく、「舌の休憩」の役割を果たしてくれます。ももと庵も、ソースが強めの味なので、ブロッコリーをよく使っていますよ。

 さてさて、つけ合わせもできました。今度こそ、ニッポンのハンバーグの完成でーす。

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2013年03月01日

ドミかトマトか、それが問題だ

 ジューシーで柔らかいハンバーグが焼き上がりましたが、ソースをどうするか。これも深刻な、重大な問題です。なぜなら、ソースの味でハンバーグ全体の味が決まってしまうからです。

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 ハンバーグソースの定番の一つは、ドミグラスソースまたはそれをベースにしたもの。本格的なドミグラスソースは、牛ダシをベースに、牛肉や牛骨、野菜類を加えて、長時間煮込んで作るもので、家庭で簡単にできるようなものではありません。

 ですから、家でドミグラスソースのハンバーグソースを作ろうとすれば、缶入りドミグラスソースを買ってくることになります。ドミグラスソースは、さすがにうまみが凝縮されていますので、ハンバーグ全体をおいしくしてくれます。

 ただ、買ってくるドミグラスソースは、みな同じ味なので、それをハンバーグにかけると、どこで食べても同じ「あの味」になってしまう、といううらみがあります。「わが家の味」「自分の味」を見つけたい人にとっては面白くないかも。

 ドミグラスと並ぶハンバーグソースの定番は、トマトケチャップまたはそれをベースにしたものでしょう。トマトケチャップには、ドミグラスソースのような凝縮されたうまみはありませんが、フレッシュ感があるので、肉と一緒に口に入れると相性がいいんです。

 トマトケチャップの酸味も、ハンバーグ全体の味を立体的にします。トマトケチャップと普通のソースを混ぜるという人も多いですね。

 逆に、トマトケチャップやソースの一つの難点は、その酸味や甘みを「強すぎる」と感じる人がいること。ケチャップよりドミグラスソースの方が好き、と言う人の中には、ケチャップの酸っぱさや甘さが苦手、という人もかなりいそうです。

 トマトの酸味やフレッシュ感を生かしながら、甘味や酸味を少し減らしたい時は、トマトケチャップに、生のトマトやトマトピューレーなど、味のマイルドなトマト材料を混ぜればOKです。旨味にもの足りなさを感じたら、醤油を少し入れるのもお勧め。ごはんによく合うソースになりますよ。

 その作り方。トマトケチャップ、トマトピューレー、生トマト、醤油、ソースなどを好みの配合で混ぜます。ハンバーグを加熱した際に出てきた肉汁を加えるのを忘れないようにしましょう。

 その材料を、最初に焼き目をつけるのに使ったフライパンに入れます。さらに大さじ4、5杯の水を加えて加熱し、フライパン表面にこびりついているきつね色の部分を溶かしながら少し煮詰めれば完成です。

 ももと庵のハンバーグソースはトマトべ―ス。これに醤油や泡盛、にんにくなどが入ります。泡盛は、旨味のほかにかすかな苦みもあり、入れたとたん、全体の味が複雑になります。泡盛は、もちろん飲めば最高の酒ですが、料理酒としても相当のディキヤー(すぐれもの)です。

 以上でニッポンのハンバーグが完成しました。ちょっと大変でしたけど、結構、おいしくできたんじゃないですか?

 あ。 つけ合わせのことを忘れてた。次回はつけ合わせの話をしましょう。


bansyold at 00:00|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote ももと庵メニュー