2014年10月

2014年10月26日

歌巧者の人気者ダン・チュオン

 アジア歌手シリーズ、今回はベトナムの人気者ダン・チュオン。Vポップはもちろん、ダンスナンバーからヒップポップ、民謡風ポップまで何でも歌いこなす万能選手です。

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 1年ほど前にVポップについて書いたとき、ダン・チュオンとカム・リーのデュエット曲「チム・チャン・モ・コイ」を紹介しましたが、ダン・チュオンを語る時に、この曲はどうしてもはずせませんので、今回、再び、いってしまいます。低音が聞こえるヘッドホンでぜひ聞いてみて下さい。

 この歌は、親のいない白い小鳥の姿に切ない恋心を重ねたもので、ダン・チュオンとカム・リーのコンビにとって、まさに十八番。ベトナムで、特に南部ベトナムでこの歌を知らない人はいないんじゃない?と、ホーチミン市に住む知人が言っていました。



 西洋音楽に慣れた耳にとっては、なんとも不思議なメロディラインですが、これぞ、ダン・チュオンが得意とする民謡テイストVポップの真骨頂でしょう。

 1分30秒から始まるダン・チュオンのパート。「えっ?」と思ってしまう意外な音の運びです。サビの2分14秒くらいからの音階の上がり下がりも、ちょっとドキドキする展開ですよね。さすが歌巧者のダン・チュオンは、全く乱れることなく、ピタりと着地を決めています。

 イントロと間奏では、民族楽器の一弦琴「ダンバオ」がフィーチャーされています。まるでビロードのような滑らかな音にビブラートが加わり、独特の物悲しさを感じさせる印象的なサウンド。

 3分18秒くらいのところにダンバオ奏者の画像がアップで映されています。斜めに張られたたった1本の弦で、いったいどう演奏したらこんな豊かな音が出るのでしょうか。

 民謡風ポップをもう1曲、紹介してみましょう。

 世界の米どころの一つ、メコンデルタの豊かな風景とともにお楽しみ下さい。故郷への思いを歌った「ニュォイ・ハイ・クエ」。この曲でもダンバオの、もの悲しいサウンドが効果的に使われています。



 ダン・チュオンは1976年、ベトナムはホーチミン市6区に4人きょうだいの長男として生まれました。小さい頃から歌好きで、いろいろなコンテストに出てはいい成績を収めていたようです。

 1999年にファーストアルバムを出してから37歳の現在までに、実に30枚以上のアルバムを発表しています。アルバムを出さない年がない、というのは驚きで、安定した人気の高さを誇っています。プライベートでは昨年、在米ベトナム人女性実業家と結婚して話題になりました。

 最後に、ちょっと変わった歌を、ライブの画像でどうぞ。遠くに働きに出ていた家族が旧正月で帰宅し、その再会と春の訪れを家族みなで喜ぶ歌「ウォク・モ・ニョッ・ニャオ」です。

 家族のきずなをとても大切にするベトナム。

 デュエットのパートナーは、パンチに効いた歌唱力でスター誕生番組からデビューした若手のディン・フオンが務めています。



 やはりダン・チュオン、歌、抜群にうまいですね。

bansyold at 20:01|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック アジアの文化 

2014年10月18日

汁素麺は沖縄のソウルフード

 ももと庵の常連さんには、必ず毎回同じものを注文する、という方が結構いらっしゃいます。そんな人気メニューの一つで、熱狂的ファンを持つ豚しゃぶ素麺膳について書いてみます。

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 豚しゃぶ素麺は、たっぷりの豚しゃぶとネギ、生姜、揚げニンニクなどが載った温かい汁素麺です。

 沖縄で麺と言えば、沖縄そばを思い浮かべる方が多いかも。沖縄そばは家で作られることはあまりなく、お店で食べるごちそうです。

 家で食べる麺といえば、やはり素麺。まずは素麺ちゃんぷるーがあります。これはゆでた素麺を軽くいためたもので、具はニラをパラパラ入れるくらいですが、油のからんだ麺自体がなんともうまい。素麺は安いものではありませんが、好きな人にとっては「毎日でも食べたい」人気家庭料理メニューです。

 温かい汁素麺も人気です。こちらも、ダシは効いていますが、具は質素なもので、生姜が載るくらい。薄焼き玉子をのっける家もあります。子供のころ、冬場のちょっと肌寒い時におばあやおかあが作ってくれた汁素麺の味が心に焼き付いている人は、結構いるんじゃないでしょうか。

 汁素麺は、結納の祝い膳などの改まった食事の献立にもしばしば登場します。

 というわけで、家庭で作られる伝統食として、汁素麺は沖縄のソウルフードと言っていいと思います。

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 ももと庵では、そんな汁素麺の上に、豚しゃぶを思い切ってたっぷり載せました。素麺の繊細な感じと極薄にスライスされた豚しゃぶの食感がよくマッチします。

 薬味は定番のおろし生姜に加え、青ネギ、白ネギ、揚げニンニク、ごま油。揚げニンニクはアジア麺の定番。「沖縄アジアンキッチン」ももと庵のアジアな仕掛けです。

 アジアンと言えば、豚しゃぶ素麺のダシ汁には、ニッポンの醤油に加えて、ベトナム産の高級魚醤を使っています。あっさりしていてコクのあるダシ、が自慢です。

 先日も、関西テレビの「よ〜いドン!」で来店した円広志さんが豚しゃぶ素麺を召し上がりました。

 辛い味がお好きな方には豆板醤をおつけしていますので、どうぞお申し付け下さい。豆板醤入りの豚しゃぶ素麺も、唐辛子の独特の香りがのっかってまたひと味違ったおいしさになりますよ。


bansyold at 14:02|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2014年10月13日

ももと庵、本日11:30より営業再開

 台風19号がほぼ真上を通過しましたが、おかげさまで、ももと庵の建物に大きな被害はありませんでした。

 きょう10/13(月)午前11:30より、営業を再開いたします。たくさんのみなさまのご来店を心よりお待ちしております。

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bansyold at 09:13|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック ももと庵メニュー | 勝連城跡周辺

2014年10月10日

台風で11、12日は臨時休業

 台風19号は当初の予想よりも西寄りを進むことになりそうで、沖縄本島が暴風圏に入る可能性が高くなりました。

 このため、明日11日(土)と明後日12日(日)は臨時休業いたします。

 13日(月)に営業できるかどうかは改めてお知らせいたします。

bansyold at 17:04|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック ももと庵メニュー 

グリーンカレーのリッチな味わい

 台風19号が近づいています。動きによっては臨時休業になるかもしれません。随時、ホームページでお知らせしていきます。なんとかそれてくれたら、と念じているのですが・・・  もちろん、今日は営業しています。

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 さてさて、今回はダメ押しのシークワサー話を。シークワサーは沖縄特産の小さな柑橘。

 最近の記事で、アジアン汁なし牛肉麺とアーラミーバイの唐揚げに使っていることをご紹介しました。

 今回は豆乳グリーンカレーです。

 グリーンカレーは、グリーンカレーペーストにココナツミルクを入れて仕上げます。ももと庵ではグリーンカレーペーストを手作りし、そこに豆乳を加えて沖縄っぽいグリーンカレーに仕上げています。

 沖縄っぽい、というのは、豆乳のもとの大豆は沖縄を代表する豆だから。ゆし豆腐やチャンプルーの豆腐を思い浮かべて下さい。大豆は沖縄の食に不可欠の素材ですね。

 ところで、グリーンカレーの味を大きく左右するのがグリーンカレーペースト。そこに入っているのが、シークワサーの葉です。細い緑の葉が見えますか。

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 このシークワサーの葉が、コリアンダーの実などとともに、爽やかな柑橘系の香りを加えてくれます。

 それにしても、グリーンカレーの味の組み立てって、すごいです。

 魚醤の旨味、タマネギの甘み、唐辛子の辛さ、レモンの酸味といった基本の味のうえに、クミンやコリアンダーの実、生姜、柑橘の葉などの多彩な香りが元気よく走り回り、それらをココナツミルクや豆乳のうむを言わせない強いコクが包み込むー

 アジアの味のリッチさには、脱帽です。


bansyold at 13:38|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック ももと庵メニュー | 沖縄とアジアの食