2014年11月
2014年11月28日
実のある国際商談会でした
初めての国際食品商談会「沖縄大交易会」が先ほど終了しました。やる前に想像していたよりも実のあるイベントとなりました。
沖縄大交易会には、香港、シンガポール、韓国、中国、米国など海外102社を含む138社のバイヤーが参加。沖縄県の84社をはじめとする全国198社の食品サプライヤーが彼らを迎えました。
宜野湾市のコンベンションセンター展示棟に各サプライヤーがブースを構え、訪れるバイヤーと自由に商談を進めるフリー商談と、隣接する宜野湾市立体育館にバイヤーがずらりと机を並べ、あらかじめアポをとってあるサプライヤーがそこを訪れる個別商談の2本立て。
海外に売るといっても、食品のような単価の安いもので、海外輸送費がかかり、特に万鐘肉みそのように、価格商品ではなく少量生産のクオリティ商品となると、そりゃ簡単には売れんだろうな、これは「お祭り」だけで終わってしまうかも、という恐れを抱きながらの参加でしたが・・・
商談では、バイヤー側からもいろいろなアイデアが出され、思ったより話の進んだケースがいくつかありました。
まず出たのが、肉みその味はとてもいいが、びんの外側からそれをお客さんに伝えるのは大変ですよ、という話。肉みそという食品がない国で、なんだか分からないものを並べても売れませんねえ、と。
確かに、確かに。
それを乗り超えるアイデアもいただきました。
例えば、タイの輸入業者との商談で出たのは、バンコクで急速に増えている日本式コンビニのおにぎりの中にこれを入れたら最高ですね、という話。
業務筋ということになれば、重たくてコストのかかる小売用のガラス瓶に入れる必要もなく、製造工程や価格体系が大幅に変わります。ある韓国企業も、これとよく似たニーズを語ってくれました。
あるいは、日本の関東地方に800店くらいあるという沖縄料理店に沖縄食材を卸している企業との商談では、こんな話も。
「アジアン肉みそをどうやって店で活用するかをうまく提案できれば、味は非常においしいので、新味のあるものを常に模索している飲食店は飛びついてくるかもしれませんよ」。これも、包装にこだわらない業務筋の展開です。
おお、なかなか、なかなかー。だんだんこちらもエンジンがかかってきました。
アジアの市場の成熟ぶりは確かのようです。東京のみならず、ソウルでもバンコクでも、クオリティ商品へのニーズは確実に高まっています。日本発商品の品質に対するアジアの信頼は絶大だ、ということがよく分かりました。
気になっていた運賃は、混載便なら、数量によっては吸収可能な範囲でした。
一方、日本の首都圏の百貨店バイヤーからはこんな話が。
「アジアに進出するなら、まず東京のうちの店に置いたらいいです。いま、アジア各地からの観光客が押すな押すなで訪れていて、免税扱いになるものですから、たくさんのおみやげを買っていかれますよ」
この5年くらいにアジアの観光客が急増し、店内の客構成が様変わりしたそうです。
今回はまだ「出会い」の段階。ここから成約にまでこぎつけるにはまだかなりのステップが必要でしょうが、そうあきらめたものでもなさそうです。
いやあ、なかなか。ぜひ次の展開につなげたいと、ちょっと本気で考えています。
沖縄大交易会には、香港、シンガポール、韓国、中国、米国など海外102社を含む138社のバイヤーが参加。沖縄県の84社をはじめとする全国198社の食品サプライヤーが彼らを迎えました。
宜野湾市のコンベンションセンター展示棟に各サプライヤーがブースを構え、訪れるバイヤーと自由に商談を進めるフリー商談と、隣接する宜野湾市立体育館にバイヤーがずらりと机を並べ、あらかじめアポをとってあるサプライヤーがそこを訪れる個別商談の2本立て。
海外に売るといっても、食品のような単価の安いもので、海外輸送費がかかり、特に万鐘肉みそのように、価格商品ではなく少量生産のクオリティ商品となると、そりゃ簡単には売れんだろうな、これは「お祭り」だけで終わってしまうかも、という恐れを抱きながらの参加でしたが・・・
商談では、バイヤー側からもいろいろなアイデアが出され、思ったより話の進んだケースがいくつかありました。
まず出たのが、肉みその味はとてもいいが、びんの外側からそれをお客さんに伝えるのは大変ですよ、という話。肉みそという食品がない国で、なんだか分からないものを並べても売れませんねえ、と。
確かに、確かに。
それを乗り超えるアイデアもいただきました。
例えば、タイの輸入業者との商談で出たのは、バンコクで急速に増えている日本式コンビニのおにぎりの中にこれを入れたら最高ですね、という話。
業務筋ということになれば、重たくてコストのかかる小売用のガラス瓶に入れる必要もなく、製造工程や価格体系が大幅に変わります。ある韓国企業も、これとよく似たニーズを語ってくれました。
あるいは、日本の関東地方に800店くらいあるという沖縄料理店に沖縄食材を卸している企業との商談では、こんな話も。
「アジアン肉みそをどうやって店で活用するかをうまく提案できれば、味は非常においしいので、新味のあるものを常に模索している飲食店は飛びついてくるかもしれませんよ」。これも、包装にこだわらない業務筋の展開です。
おお、なかなか、なかなかー。だんだんこちらもエンジンがかかってきました。
アジアの市場の成熟ぶりは確かのようです。東京のみならず、ソウルでもバンコクでも、クオリティ商品へのニーズは確実に高まっています。日本発商品の品質に対するアジアの信頼は絶大だ、ということがよく分かりました。
気になっていた運賃は、混載便なら、数量によっては吸収可能な範囲でした。
一方、日本の首都圏の百貨店バイヤーからはこんな話が。
「アジアに進出するなら、まず東京のうちの店に置いたらいいです。いま、アジア各地からの観光客が押すな押すなで訪れていて、免税扱いになるものですから、たくさんのおみやげを買っていかれますよ」
この5年くらいにアジアの観光客が急増し、店内の客構成が様変わりしたそうです。
今回はまだ「出会い」の段階。ここから成約にまでこぎつけるにはまだかなりのステップが必要でしょうが、そうあきらめたものでもなさそうです。
いやあ、なかなか。ぜひ次の展開につなげたいと、ちょっと本気で考えています。
2014年11月26日
沖縄大交易会、始まる
香港、シンガポールなどアジア各地や日本のバイヤーと、沖縄を中心とした食品サプライヤーとの国際食品商談会「沖縄大交易会」がきょうから始まりました。
今夜は那覇市のロワジールホテルで前夜祭。サプライヤーの商品をホテルの料理人たちが腕をふるって一品料理に仕立て、バイヤーをはじめとする参加者にふるまいました。
会場は、人、人、人、という感じで、500人はいたでしょうか。いや、もっとかも。
万鐘ももと庵は肉みそアジアンを出品。ロワジールのシェフは、野菜の生春巻きに肉みそアジアンを入れて一品を作ってくれました。
明日からは、宜野湾市のコンベンションセンターに会場を移して、いよいよ本番の商談会です。参加する食品サプライヤーは198社、うち84社が沖縄。対するバイヤーは138社。うち102社が海外、36社が国内。
商談はサプライヤーのコマをバイヤーが自由に訪れる形のフリー商談と、あらかじめインターネットで交換した互いの情報を基に「お見合い」のアポを入れてある個別商談の2パターンで行われます。
さて、どんな出会いが待っているでしょうか。
今夜は那覇市のロワジールホテルで前夜祭。サプライヤーの商品をホテルの料理人たちが腕をふるって一品料理に仕立て、バイヤーをはじめとする参加者にふるまいました。
会場は、人、人、人、という感じで、500人はいたでしょうか。いや、もっとかも。
万鐘ももと庵は肉みそアジアンを出品。ロワジールのシェフは、野菜の生春巻きに肉みそアジアンを入れて一品を作ってくれました。
明日からは、宜野湾市のコンベンションセンターに会場を移して、いよいよ本番の商談会です。参加する食品サプライヤーは198社、うち84社が沖縄。対するバイヤーは138社。うち102社が海外、36社が国内。
商談はサプライヤーのコマをバイヤーが自由に訪れる形のフリー商談と、あらかじめインターネットで交換した互いの情報を基に「お見合い」のアポを入れてある個別商談の2パターンで行われます。
さて、どんな出会いが待っているでしょうか。
2014年11月16日
バンコク、シンガポールにも実は直行便が飛んでいた
前回、那覇空港の新国際線ターミナルをご紹介し、台北、香港経由でアジア各地に行けて便利だが、バンコク、シンガポールまでは直行便が飛んでないことを説明しました。
ところがー。実は、既に飛んでいるんです。それも真夜中に。
乗客を乗せるフライトではないのですが、那覇とアジア各地を結ぶANAの貨物直行便。この沖縄貨物ハブ、2009年に始動して、早くも満5年になりました。
仕組みはこうです。フライトスケジュールを見ていただくのが早いでしょう。ANAのことし夏の資料からお借りしました。
各地からの便が毎日深夜2、3時に那覇に着いて、数時間のうちに行き先別に荷物を積み替え、早朝に出発して、各地に午前8時とか9時とかに着くしくみ。日本を含むアジア各地を前日に出た荷物が、翌日には目的地に届けられるというわけです。
ヤマト運輸とANAが組んで、アジア主要都市への翌日宅配便を始めています。
沖縄はまさに「真夜中のハブ」なんですね。
日本発や日本着の荷はもちろんですが、アジア発アジア着の、日本が絡まない荷もすべていったん那覇に集まってきます。
万鐘オリジナルの南向き地図に、沖縄貨物ハブから各地に飛ぶルートを赤い線で入れてみました。
地図を見るとよく分かるのですが、こうした時間帯でアジア間で荷を動かすことができるハブは、国内では沖縄にしか作れません。例えば成田だと位置が北すぎて、アジア各地と結ぶ時間がかかりすぎてしまうのです。ちなみに航空貨物の大手、FedexやDHLは、アジアのハブを沖縄より少し南の香港、広州あたりに設けています。
5年前、この沖縄貨物ハブ始動の時に、「こりゃあ、スゴいものができた」とちょっと興奮して、ANAにお願いし、特別に現場を見せてもらったことがあります。ご関心のある方は、古いですけどこちらの上下2回の記事ものぞいてみて下さい。
沖縄県はこの貨物ネットワークの活用を促進していて、今月下旬にはアジア各地の食品バイヤーを集める初の沖縄大交易会が開催されます。この貨物ネットワークを利用したスピーディな食品輸送が期待されているわけです。
世界の成長センターであるアジアの経済は今後さらに発展して、ビジネス往来がますます増えるでしょうから、貨物ばかりではなく、旅客の方も、沖縄からもっとあちこちに直行便が飛んでくれたら助かります。
万鐘ももと庵も、沖縄大交易会への出展を予定していますので、また様子をアップしましょうね。
ところがー。実は、既に飛んでいるんです。それも真夜中に。
乗客を乗せるフライトではないのですが、那覇とアジア各地を結ぶANAの貨物直行便。この沖縄貨物ハブ、2009年に始動して、早くも満5年になりました。
仕組みはこうです。フライトスケジュールを見ていただくのが早いでしょう。ANAのことし夏の資料からお借りしました。
各地からの便が毎日深夜2、3時に那覇に着いて、数時間のうちに行き先別に荷物を積み替え、早朝に出発して、各地に午前8時とか9時とかに着くしくみ。日本を含むアジア各地を前日に出た荷物が、翌日には目的地に届けられるというわけです。
ヤマト運輸とANAが組んで、アジア主要都市への翌日宅配便を始めています。
沖縄はまさに「真夜中のハブ」なんですね。
日本発や日本着の荷はもちろんですが、アジア発アジア着の、日本が絡まない荷もすべていったん那覇に集まってきます。
万鐘オリジナルの南向き地図に、沖縄貨物ハブから各地に飛ぶルートを赤い線で入れてみました。
地図を見るとよく分かるのですが、こうした時間帯でアジア間で荷を動かすことができるハブは、国内では沖縄にしか作れません。例えば成田だと位置が北すぎて、アジア各地と結ぶ時間がかかりすぎてしまうのです。ちなみに航空貨物の大手、FedexやDHLは、アジアのハブを沖縄より少し南の香港、広州あたりに設けています。
5年前、この沖縄貨物ハブ始動の時に、「こりゃあ、スゴいものができた」とちょっと興奮して、ANAにお願いし、特別に現場を見せてもらったことがあります。ご関心のある方は、古いですけどこちらの上下2回の記事ものぞいてみて下さい。
沖縄県はこの貨物ネットワークの活用を促進していて、今月下旬にはアジア各地の食品バイヤーを集める初の沖縄大交易会が開催されます。この貨物ネットワークを利用したスピーディな食品輸送が期待されているわけです。
世界の成長センターであるアジアの経済は今後さらに発展して、ビジネス往来がますます増えるでしょうから、貨物ばかりではなく、旅客の方も、沖縄からもっとあちこちに直行便が飛んでくれたら助かります。
万鐘ももと庵も、沖縄大交易会への出展を予定していますので、また様子をアップしましょうね。
2014年11月12日
那覇空港国際線ターミナルをご案内
沖縄の玄関、那覇空港ー。おなじみの国内線ターミナルの隣に、国際線ターミナルがリニューアルオープンしましたので、ご紹介。
那覇空港からは1日3便の台北、1日2、3便の香港、ソウルを中心に、上海、台中などへも直行便が運航しています。台湾、香港などから観光客がたくさん訪れるほか、沖縄から各地へのビジネス客も利用しているようです。
全体に柔らかい印象の国内線ターミナルより、いくぶん直線的な印象のデザイン。航空会社カウンターの上部には沖縄の赤瓦があしらわれるなど、ご当地風があちこちに見られます。
この日は、台湾のチャイナエアラインが「love & hug(愛と抱擁)」と呼ぶスペシャルデザインのジャンボ機がちょうど来ていました。
台北へは1時間半、香港までは2時間半の近さ。アジアは本当に目の前です。
バンコクやシンガポールなど、さらに南の国への直行便はまだありませんが、台北や香港からは世界中に向けたフライトがたくさんあるので、そこで乗り継いで行けます。
例えば、タイのバンコク行きだと、台北経由で行くのが便利です。乗り継ぎの1時間25分を入れても所要時間は6時間50分。羽田や成田を経由すれば、乗り継ぎ時間を含めると11時間以上かかります。
あるいは、インドのムンバイに行くなら香港経由になります。香港の乗り継ぎ2時間を含めても所要時間は11時間25分。これがもし成田回りだと15時間以上かかってしまいます。
北タイの古都チェンマイ、インドネシア第2の都市スラバヤ、ベトナム中部の港湾都市ダナンといった各都市には日本からの直行便はほとんどありませんが、台北と香港からならあります。
バングラデシュのダッカ、カンボジアのプノンペン、ネパールのカトマンズ、ラオスのビエンチャンなどの各首都も、日本からは直接行けませんが、台北・香港からだと直行便が飛んでいるので、意外に便利なんですね。
那覇空港からは1日3便の台北、1日2、3便の香港、ソウルを中心に、上海、台中などへも直行便が運航しています。台湾、香港などから観光客がたくさん訪れるほか、沖縄から各地へのビジネス客も利用しているようです。
全体に柔らかい印象の国内線ターミナルより、いくぶん直線的な印象のデザイン。航空会社カウンターの上部には沖縄の赤瓦があしらわれるなど、ご当地風があちこちに見られます。
この日は、台湾のチャイナエアラインが「love & hug(愛と抱擁)」と呼ぶスペシャルデザインのジャンボ機がちょうど来ていました。
台北へは1時間半、香港までは2時間半の近さ。アジアは本当に目の前です。
バンコクやシンガポールなど、さらに南の国への直行便はまだありませんが、台北や香港からは世界中に向けたフライトがたくさんあるので、そこで乗り継いで行けます。
例えば、タイのバンコク行きだと、台北経由で行くのが便利です。乗り継ぎの1時間25分を入れても所要時間は6時間50分。羽田や成田を経由すれば、乗り継ぎ時間を含めると11時間以上かかります。
あるいは、インドのムンバイに行くなら香港経由になります。香港の乗り継ぎ2時間を含めても所要時間は11時間25分。これがもし成田回りだと15時間以上かかってしまいます。
北タイの古都チェンマイ、インドネシア第2の都市スラバヤ、ベトナム中部の港湾都市ダナンといった各都市には日本からの直行便はほとんどありませんが、台北と香港からならあります。
バングラデシュのダッカ、カンボジアのプノンペン、ネパールのカトマンズ、ラオスのビエンチャンなどの各首都も、日本からは直接行けませんが、台北・香港からだと直行便が飛んでいるので、意外に便利なんですね。