沖縄の農業は「いける」大学入試が変われば、英語を話す人が増える

2011年07月10日

日本人が英語を話せない3つの理由

沖縄を創る人 第26回
 サイ・テク・カレッジ那覇主任講師 小波本あゆみさん(上)


 米軍基地の存在で、本土よりも「英語が身近にある」とされる沖縄。でも、英語が話せる県民はごくわずか。なぜだろうか。専門学校で長年英語教育を続けてきた小波本あゆみさんに聞いた。

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 小波本さんは、短大の英語科を出た後、ハワイの大学に2年間留学。沖縄に戻ってからは専門学校でずっと英語を教えてきた。その途中で小学校の英語指導員(JTE)も経験した。現在は那覇市の専門学校、南星学園サイ・テク・カレッジ那覇の国際コミュニケーション情報科で教鞭をとる。

 小波本さんによると、多くの人が英語を話せない理由は3つある。

 第1は、なんといっても「恥ずかしい」という気持ち。

 「日本人の多くは、もし間違っていたらどうしよう、恥ずかしい、とつい考えてしまいます」と小波本さんは言う。

 小波本さん自身、ハワイ留学時代、アメリカの学生らが、あまり内容のないことでもどんどん話そうとするのを見て、恥ずかしがりの自分を自覚したという。恥ずかしさを意識してしまったら、言葉が出てこなくなるのは当然。高い場所に上って、下を見たとたんに足がすくむようなものだろう。

 「内気で恥ずかしがり屋の日本人」を克服しようとすれば、そうした感情を意識的にフタをするしかなさそうだ。清水の舞台から飛び降りる、という言葉もある。

 「発音のまずさ、を気にする人も多いですが、英語の発音にもいろいろあります。TOEIC(トーイック)のテストでも、アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語をわざと混ぜているくらいです。日本語なまりを気にしてはいけません」

 さて、英語がうまく話せない理由の第2は、言葉の並べ方としての文法を知らないこと。文法は、学校である程度は教えてくれるから、学校優等生ならばそこそこ分かっているかもしれない。

 「でも普通の生徒の多くは、heの時はis、過去ならwasと、個々の事項をバラバラに記憶しているだけ。条件反射のようなものです」

 小波本さんが専門学校生に、be動詞とは何か、どう変化するか、を体系的に教えると、「初めて分かった」と納得する学生がたくさんいるという。

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 いよいよトリ、第3の理由にいこう。それは、英文の組み立て訓練の圧倒的な不足、だ。第1、第2の問題までクリアできたとしても、これができないために話せない人がたくさんいるという。

 「学校は、さまざまな形で英語を分析してみせます。テストもそういう力を問います。しかし、分析を何回繰り返しても、話す力、つまり文を作る力はつきません。文を作る力は、文を作る訓練を繰り返すことでしかつかないんです」

 確かに、学校の英語教育に大きな影響を与えている大学入試も、伝統的に、分析的なもの、分析力を問うものが多いようだ。

 しかし、話せるようになるには、実際に文を作ってみることを繰り返し、スキルをつけるしかない。よく考えてみれば、これも当たり前のことかも。

 スポーツの世界で考えるとすぐ分かる。例えば、ビデオで相手チームの動きをいくら完璧に分析できたとしても、実際に自分たちが体を動かして何度も何度も練習を繰り返し、グラウンドやコートに立った時の力をつけなければ、勝てるわけがない。

 小波本さんに言わせれば、日本の学校の英語教育は、体を動かす練習をほとんどしないで、ビデオ分析ばかりやっていることになる。だから、相当の学校優等生でも、英文法には詳しいが一言も話せない、という人がたくさんいるのだ。

 「話す力は、アナリシス(分析)する力ではなく、クリエーション(創造)する力なんです」

 小波本さんの話をまとめると、どうすれば英語が話せるようになるかが見えてきそうだ。まず「間違ったらどうしよう」という羞恥心に意識的にフタをすること。次に、単語の並べ方である文法をひととおり体系的に理解すること。さらに、そうした文法理解の上に立って、英文を組み立てる作文練習を何度も何度も繰り返し、実際に英文を組み立てる力をつけること。3番目は、訓練、練習なので、ある程度の時間がかかる。

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 「語彙の不足」もよく指摘されるが、どうだろうか。

 「作文練習を繰り返すと語彙が増えていきますよ。例えば簡単な日記を英語で書いてみる。ゲームの話でも、その日の体調の話でもいいですから、これは英語で何て言うのかな、と辞書で調べながら書く。そうすれば、学校では習わないけれど、生活に顔を出すさまざまな単語を英語で書くことになります」

 原発も放射能も、便秘も下痢も、キクもガジュマルも、おそらく学校では教えない。でもこれらの単語を使わずに暮らすことは不可能。英語日記を書けば、日常に登場する言葉を次々に英語にしなければならない。辞書を引き引き、そんな語彙がどんどん増えていくという寸法だ。

 続きは次回7/17(日)に。

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