香ばしい揚げニンニク向笠千恵子さんのトコトン現場主義

2012年09月09日

オニオンスープがうまい理由

 前回紹介した揚げニンニクや揚げタマネギは、香ばしさはもちろんですが、うまみもかなりのものです。特に揚げタマネギはすごい。

 例えば、焼いた肉や魚介と香草などをあえたサラダ風の料理はアジア各地にありますが、そこに揚げタマネギが入るとうまみがぐーんと増します。写真は市場で量り売りされている揚げタマネギ(手前)と揚げにんにく(奥)。

1 Agetamanegi


 フレンチレストランで登場するオニオンスープもそうですね。タマネギを長い時間、ひたすら油でいため続けますけど、油の高温にあてられたタマネギはうまみをどんどん増幅・凝縮させていき、あめ色にまで変化したいためタマネギは、スープのうまみのもとになります。

 レストランでは、このいためたタマネギを、肉や骨でとったストックでのばすことで、うまみをさらに倍増させます。が、ストックがなければ、ただのお湯でのばしても、タマネギがとことんいためてあれば、結構おいしいスープができます。それほどいためたタマネギのうまみは強い。油の高温がポイントです。

 揚げタマネギもこれによく似ています。水分を飛ばしながら、油の高温でうまみを増幅、凝縮させている感じです。

 日本ではラーメン屋の中に「揚げネギ」をウリにしているお店がありますね。「焦がしネギ」と言って、キツネ色よりももう少ししっかり揚げて、さらに香りを強く引き出していたりします。ただし、ラーメンの場合は、同じ揚げネギでも、タマネギの甘さを避けて、長ネギを使っているケースが多いみたいです。

 揚げた後の油はもちろんネギ油。ネギのうまみが溶け出している格別の油です。ほとんど、どんな料理にも使えます。

 ご家庭で揚げタマネギを試しに少量作ってみたい、という方。中くらいのタマネギを1個分スライスし、マグカップのような深さのある大きめの陶磁器に入れ、植物油を大さじ3杯くらいかけてよく混ぜ合わせ、電子レンジにかけます。フタはしません。

 いかにも生という感じが残っている最初の数分は500wくらいで、その後は200-300wの低温でゆっくり加熱していきます。油が少ないので、途中で何回かレンジから出して、器の中身をかき混ぜた方がいいですが、いためタマネギのようにずっと鍋につきっきりで混ぜる必要はないので、だいぶ楽です。焦げそうになったら、いったんレンジを止めて、しばらく油の温度を下げてから、また再開します。

 水分が飛んでタマネギのかさが減り、しっかりきつね色になるまでにはかなりの時間がかかかりますので、気長に。レンジから取り出す時は、油が熱いので十分気をつけて下さい。

 油から引き上げて、油切りした揚げタマネギは、汁ものなどに入れるとおいしいです。関西風うす色スープのかけうどんに、たっぷりの青ネギ、針しょうがなどとともに揚げタマネギを入れるだけで、ちょいアジア風のコクのある汁めんになります。豆腐のみそ汁なんかに入れても、ひと味違っておいしいですよ。お試し下さい。

bansyold at 00:00│TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 沖縄とアジアの食 

トラックバックURL

香ばしい揚げニンニク向笠千恵子さんのトコトン現場主義