3カ月かけてようやく出荷温度をめぐる水と油の激闘

2012年10月09日

個性あふれるカレー香辛料たち

 ことしは台風の当たり年のようです。それでも徐々に気温が下がり、だいぶ過ごしやすくなってきました。食欲も増す、というもの。

 ももと庵のカレーの話をしましょうか。

CurryL


 カレーには実にいろいろな作り方があります。カレーの本家の南アジア、つまりインド、バングラデシュ、スリランカあたりだと、おかずの多くがカレーです。スパイスの調合から、入れる肉や野菜、豆などの材料、切り方、加熱方法まで、作り方はさまざま、いろいろ。

 南アジアに近いタイやマレーシアなど、各国各地にご当地カレーとでも言うべきバリエーションがあります。明治以降にカレーが入ってきた日本にも日本式のカレーの作り方があったりします。

 ももと庵のカレーは、インドのレシピに学んだオリジナル。主材料は豚ひき肉とナスなので、豚ひき肉とナスのカレーと呼んでもいいと思います。

 さて、カレーをカレーにするのは、やはり香辛料。ももと庵では、いくつかの香辛料をブレンドして使っています。

 まずコリアンダー。コリアンダーの生の葉は中国ではシャンツァイ、タイではパクチーです。カレーには普通は生の葉ではなく、実を使います。生葉の香りは好き嫌いが分かれるところですが、実の方は柑橘っぽい香り。爽やかです。

 次は、うっちん。英語はターメリック。生姜の仲間で、生姜と同じように根を使います。カレーの黄色の正体がこれ。肝臓の薬として用いられます。香りはそれほど強くないですが、うっちん独特の、苦いとも、渋いとも言い難い不思議な味があります。

 クミン。これもたいがいのカレーに入っています。沖縄ではタコライスの味付けには不可欠の香辛料で、独特の香りがあります。種ですから、その油分の中に、コクのある香りが含まれています。

 カルダモン。クセのない、ひたすら爽快な香り。「インドでは、食後に口にカルダモンの実をそのまま含んでガリガリ噛んで口を爽やかにするんだ」。インド人のスパイス商が言っていました。写真はどアップになっていますが、現物は長さ1cmほどです。とても高価なスパイス。

Cardamom


 フェヌグリーク。この香り、うまく言葉にできませんが、なんと申しましょうか、「昔なつかしい、ちょっと古びた昭和っぽいカレー屋さんに漂う香り」の感じ。実際にかいでみたら、このニュアンス、きっと伝わると思います。ただし、味はかなり苦い。全体を大人の味にしてくれますが、使い過ぎると大変なことになります。

 みんながよく知っているシナモン。こういう甘系の香りが少し入ると、カレーがなんとなく「それっぽく」なってきます。

 それぞれが強い個性をもった多彩な香辛料。これらをどうブレンドするかで、カレーの風味が大きく変わってきます。

 こうした香辛料を、まずは油の中でじっくり加熱し、香りを高めていく、というのがカレー作りの初めの一歩。

 その先は次回に。


bansyold at 00:00│TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック ももと庵メニュー | 沖縄とアジアの食

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