縄文時代は熱帯米を畑で作ってた米粉文化が日本にない理由

2013年01月07日

土鍋炊きアジアごはんの香り

 アジア米ばなしの2回目は「白ごはん」です。

 アジア産インディカ米のごはんは、日本米のごはんより粘りが少ないのが特徴ですが、おいしく炊かれたごはんは、噛んだ時にねっとりしたごはん粒の中に歯がヌーッと入っていく感じがしっかりあります。特に高級米は、さらっとはしていますが、柔らかい独特のねっとり感があり、決して「ぼそぼそ」ではありません。

Gohan2B


 もう20年近く前になりますが、日本で米が不作になり、タイから米を緊急輸入したことがありました。1993年のこと。その時は「ぼそぼそしていておいしくない」という感想を抱いた人が多かったようです。インディカ米のおいしい炊き方、食べ方を知らない日本人が圧倒的だったため、そういう残念な結果になりました。

 インディカ米は、多めの水で柔らかめに炊くと、おいしくなります。

 お湯でゆで、余った湯を捨てる炊き方もあります。ただ、それをやると、せっかくの香りも弱まってしまい、もったいない気がします。米の1.3ー1.4倍の多めの水を入れ、日本の炊き方と同じようにフタをして水分を全部米に吸わせる方がいいようです。

 それからアジアのごはんは温かいうちが命。冷めると食感が落ちますから、ぜひとも「炊きたて」を食べて下さい。

 アジアの米の魅力の一つは、その香りにあります。特に香りの強い米は、香り米として高い値段で売られています。インドのバスマティ米、タイのホームマリ米。いずれも香り高い高級米として世界中に輸出されています。

 ごはんを炊く時の香りがありますよね。あの香りが好きな人なら、アジアの香り米は大好きになるはずです。大いに食欲をそそられる香りです。

 ベトナムでは、土鍋で炊いたごはんを売りにしている食堂を時々見かけました。ニオイアダンの葉を入れて炊き、さらに香りを強めている店もあります。

 冒頭の写真がそれ。土鍋の炊きたてごはんは香りがよく、底の部分に少しおこげもついていて、その香ばしさがまたたまりません。

 沖縄では、アダンはどこにでも生えていますが、ニオイアダンを入れてごはんを炊くというのは聞いたことがありません。

 このニオイアダン、香り米の成分と同じものが豊富に含まれているんだそうです。インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナムなどのアジア各国では、ごはんを炊く時だけでなく、ニオイアダンの葉の汁を入れて緑色の米粉のお菓子やスポンジケーキを作ったりもします。

 ニオイアダンは香り米の香りと同じですから、それをお菓子にも使うということは、米の香りが心底好きということ。アジアのごはん文化は奥が深いです。


bansyold at 00:00│TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 沖縄とアジアの食 

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