豚重物語1―甘辛味でない豚ごはんを作りたい豚重物語3―白ねぎと泡盛で甘くないタレ

2013年06月02日

豚重物語2―豚しゃぶ肉もダメ、固まりもダメ

 炭火で焼かれた肉の最高の味と香りを活かしながら、肉とごはんを一体化させるにはどうしたらいいかー。豚肉のごはんものを組み立てるうえで、これが大きな課題でした。

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 当時、既にしゃぶしゃぶ用のスーチカーを製造していました。向こう側が透けて見えるくらいに極薄にスライスした微塩熟成の三枚肉です。この薄さなら、口の中でごはんと一体になってくれるんじゃないか。

 早速、豚しゃぶ肉を炭火で焼いてごはんに乗せてみました。期待通り、ごはんとの一体感はばっちりです。

 ただ、一つ、大きな問題がありました。それは、あまりに肉が薄すぎて、火の通りが均一にならないことです。

 極薄切りの肉を1枚ずつ焼くことはできませんから、何枚かまとめて焼くことになりますが、重なり具合によって厚さや大きさがまちまちになり、火の通りがなかなか均一になりません。ある部分は焼き足りないのに、他の部分は焼き過ぎて焦げたり、肉汁が出てパサパサになったり。

 考えてみれば、炭火の側も、ガス火のように火力が均一とは言えないわけです。「でこぼこ」が激しい。

 じゃあ、大きな固まりのままじっくり焼いてから、スライスしたらどうだろう、と考えてやってみました。

 薄切りにした後に炭火焼の香りがしっかり立つようにするには、よほど時間をかけてじっくりいぶし焼きのようにしなければなりません。なにしろ厚さが5、6センチもある三枚肉の大きな固まりです。煙を逃さないようにカバーしながら、弱火でじっくり焼きました。

 ベーコンのような、きつね色の固まりができ上がりました。早速、薄切りにして、ごはんの上へ。

 これはこれでおいしいのですが、「周囲がいぶされている」というまさにベーコンの感じで、「炭火で焼いた肉」というのはどうも違います。

 ベーコン丼、か。それもいいけど、なんかちょっと違うなあ。

 模索が続きます。

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