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2007年09月21日

[第15話 食、万鐘] おいしい肉汁守ってジューシー

 万鐘のソーセージはジューシーさが売り物なのだが、温め方をしくじるとジューシーでなくなる。いろいろな人が万鐘のソーセージを温めるのを目撃したが、残念ながら、間違ったやり方をしている人が少なくなかった。大いにショックを受けるとともに、万鐘の説明不足を痛感した。そこで今回は肉加熱のウンチクを少々。

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 肉は、100度以上の高温で長時間加熱すると、肉汁が流れ出てパサパサになる。逆に60―80度で火を通せばジューシーに仕上がる。簡単な原理だが、これがなかなか難しい。

 上の写真はヨーロッパなどで使われている家庭用の肉焼き温度計。肉のかたまりに直接刺して、中の温度を測る。太字になっている華氏の右隣りに摂氏の数字がある。これで見ると、一番高温にする鶏肉でも87度で、中くらいの「牛肉よく焼け、子牛、豚肉」の適温は77度だ。

 オーブンやバーベキューコンロでかたまりを焼けば、表面は高温にさらされる。だが、中の方まで90度を超すような高温にはならない。とはいえ、長時間加熱を続ければ、90度以上に向かって温度は徐々に上がっていく。この肉焼き温度計は、かたまりの内部が適度な温度になっているかをチェックするためのものだ。

 繰り返しになるが、肉の加熱は高くても80度くらいにとどめる必要がある。

 ところで、万鐘のソーセージは、添加物に頼ることなく、万鐘島ぶた自身の高い保水力でジューシーさを実現している。が、それは、あくまで適温で取り扱っての話。食べる前に温め直すわけだが、その際に100度のような高温で加熱すれば、肉汁はどうしても出てしまう。

 多くの人がやる失敗は、写真のように、袋ごと湯に入れてしまうこと。レトルト食品のように袋ごと湯に入れると、袋内の温度が上がりすぎ、肉汁が大量に出てしまう(下の写真)。必ず袋から取り出し、ソーセージを直に湯に入れて温めることをお願いしたい。

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 次に多いミスは、ソーセージを湯に入れた後、グラグラ煮立てること。当然ながら、グラグラやれば100度の高温になってしまうから、そこで肉汁がどっと出る理屈だ。

 ではどうすればいいのか―。簡単にできる正しい温め方はこうだ。鍋に湯を1リットルほど入れて沸騰させる。ソーセージを袋から出して湯に入れたら、20秒ほどで完全に火を止め、フタをして蒸らす。

 こうすれば、入れた冷たいソーセージや肉だんごが湯の温度を下げ、80度前後の理想的な状態を作り出す。ソーセージなら5、6分で中心までよく温まる。火をつけっ放しにしていると、たとえ弱火でも湯の温度が上昇し、肉汁が出てしまうので厳禁だ。

 前日から冷蔵庫に移して解凍しておくのが基本だが、ソーセージは冷凍のまま入れても、湯の量が1リットルくらいあれば、この方式で何とか温まる。肉だんごの場合は直径が大きいから、冷凍のまま入れたのでは中まで温まらない。やはり前日から冷蔵庫で解凍しておく方がいい。それがどうしてもできない場合は、凍ったものを500wの電子レンジで1分半ほど加熱し、いくぶん解凍してから湯に入れる。

 うまく温めた万鐘のソーセージや肉だんごは、それはそれはジューシー。噛めば、肉汁がジュワッと飛び出します。

bansyold at 00:00│TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック  | 万鐘

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