[第18話 農] 微生物より有機物、金城夫妻の土づくり[第20話 食] 涙なしのソーミンチャンプルー

2007年10月13日

[第19話 沖縄] 地の利を生かしてリムジン製造

 リムジンといえば、要人やお金持ちが乗る長い長いクルマ。その製造工場が沖縄本島中部、うるま市州崎にある。訪問した日、出来上がったリムジンが、雨上がりの構内に並んでいた。1台でも見る機会のあまりないリムジンだが、それがずらりと並ぶ光景はなかなか壮観だ。

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 リムジンを作っているのは、株式会社アミューザ。取締役技術開発部本部長の神原実さんによると、同社は2年前、うるま市内の特別自由貿易地域に進出。これまで年間10台ほど製造し、日本国内のホテル、企業、配車会社などに販売してきた。次年度からは生産台数を倍増させ、中国・深圳などに輸出していくという。

 なぜ沖縄に立地したのだろうか。神原さんはいくつかの理由を挙げたが、その一つは、同社が立地した特別自由貿易地域の制度面での手厚いサポート体制だ。例えば10年間は法人税が35%免除になる。

 沖縄の「地の利」もある。海外市場に目を向けると、経済発展著しい中国南部をはじめ、沖縄から出荷した方が有利になるようだ。全日空が国際航空貨物のハブを那覇空港に置くことにしたように、南の玄関としての沖縄の役割は今後、大きくなっていくかもしれない。

 リムジンは、ベンツなどの大型車を土台とし、いわば車体を延ばして作る。と言うと簡単に聞こえるかもしれないが、「長くする部分に板金をあてがうだけ」ではできない。

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 車体を長くすれば、当然ながら、いろいろな強度計算が変わってくる。例えば、長くなるとひねりの強さが変わるので、それに合わせて、中央部分には固すぎず、柔らかすぎずの材料を慎重に選ぶ必要がある。アミューザの工場には、こうした安全性確保のための実験・計測機器類がいくつも置かれていた。

 内装部品類は、既製品がないのでほとんど自前。プラスチック部品や革製品はそれぞれの担当部門が手作りする。こうして出来上がったリムジンの価格は1000万から3000万円という。

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 主に観光でメシを食っている沖縄だが、その地の利を生かして、製造業を含めた多様な産業立地が構想されている。安価な量産品の製造は困難かもしれない。だが、リムジンのように高い付加価値をつける製造業が、それも輸出を視野に入れることで地の利が生かせれば、沖縄は魅力的な進出先といえるだろう。

 10年後の沖縄―。ひょっとしたら、青い海に囲まれた輸出品製造業の島、になっているかもしれない。

 アミューザは、うるま市州崎12-80、電話098-982-1116


bansyold at 00:00│TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote 沖縄 

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