[第26話 食] 来るか、ラード復権の時[第28話 農] 知念の清水で育つクレソン

2007年11月30日

[第27話 食] 口どけのよい丸いちんすこう

 ちんすこう、と言えば、最も有名な沖縄の伝統菓子。沖縄みやげの定番でもある。中国菓子の影響を受けて、明治時代に現在のちんすこうを初めて作り上げた老舗、新垣菓子店をはじめ、沖縄にはちんすこうメーカーがいくつかある。今回はその中からニューウェーブを紹介しよう。その名も、まんまるちんすこう。写真右はよくあるタイプ、左がまんまるちんすこうだ。

Chinsuko6

 ちんすこうはクッキーと似ているが、食べれば違いが分かる。まず、クッキーは口に含むとバターの味と香りがするが、ちんすこうはバター味ではない。それもそのはず、ちんすこうはラードで作るのだ。ラードについては前回、第26話であれこれ書いた。

 もう一つ、大きな違いが。クッキーの中には、サクサクする口当たりのものが多いが、ちんすこうは、最初のひと口、ふた口こそサクっとした歯ごたえがあるものの、全体にしっとりと柔らかい。そして、噛むうちに口の中でサーッと溶けていく。「後半の口溶けのよさ」こそが、ちんすこう最大の持ち味といえる。まんまるちんすこうは、この口溶けのよさ、ホロホロ感がすばらしい。

Chinsuko2

Chinsuko3

 初めの写真の右側のように、ちんすこうの主流は長い形をしている。まんまるちんすこうはその名の通り、まんまるなので、外観はニューウェーブといえる。だが中身はむしろ伝統製法に忠実だ。まんまるちんすこうを作っているプラスの共同経営者中西夕美絵さんの話では、まんまるちんすこうは、プレーン味の場合、小麦粉、砂糖、ラードのみを使い、低温でじっくり焼き上げるという。

 原材料について6、7種類のちんすこうを比べてみたが、原材料が小麦、ラード、砂糖だけ、というのはほとんどなかった。膨張剤(ふくらし粉)はまず入っている。卵を入れているものも多い。さらには、ラードではなく、ショートニングや植物油脂で作られているものまであった。ここまでくると、もはやちんすこうとは呼べないような気もする。パイン味や紅イモ味などの場合は、香料や色素が入っているタイプが少なくない。

 中西さんは、初めは沖縄で中国茶を販売していた。やがて、中国茶に合ういいお茶うけがないか、ということになり、伝統菓子のちんすこうを作り始めたという。

 まんまるちんすこうは、写真で見ると一口で食べられそうだが、思ったより大きい。重さを比べてみたら、普通の長いタイプのちんすこうが1個12gほどなのに対し、まんまるちんすこうは1個16g強だった。かわいい形の割には食べごたえがあるので、2、3個食べればお茶うけとしては十分満足できる。

 Chinsuko4

 まんまるちんすこうは、プレーンのほか、塩、みそ、コーヒー、コーヒーキャラメル、黒糖きなこ、黒糖チョコの味がある。透明なプラスチックのカップに8個入って263円。カジュアルなデザインの箱づめもある。

 首里店は、那覇市松川414、098-886-2144。那覇の国際通りの中心部、むつみ橋にもショップがある。インターネットでも販売している。「まんまるちんすこう」で検索を。


bansyold at 00:00│TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック  

トラックバックURL

[第26話 食] 来るか、ラード復権の時[第28話 農] 知念の清水で育つクレソン