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2008年05月18日

[第56話 食] 古酒づくりのための51度原酒泡盛

 泡盛は、イモや麦などを混ぜず、米こうじ100%で仕込む。だから、寝かせれば寝かせるほど熟成していく。これが古酒。その古酒を仕込むために作られたのが神村酒造の「守禮 原酒51度」だ。

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 普通の泡盛は、モロミを蒸留して得られた原酒に水を加えてアルコール度数を調整する。現在、沖縄で生産されている泡盛は30度や25度がほとんど。その結果、多くの古酒もこうした泡盛で仕込まれることになる。

 30度や25度の泡盛が作られる背景には、飲みやすさに対する配慮があるが、酒税法も影を落としている。酒税法が定める泡盛の定義はアルコール度数が45度まで。それ以上の度数の泡盛は「泡盛」と表示できないことになっている。

 「でも、昔は、酒税法はもちろんなかったですし、アルコール度数を測る機器もなかったわけです。ということは、琉球王朝時代の古酒は、蒸留された原酒をそのまま仕込んでいたのではないか、と考えたわけです」と話すのは、常務の神村盛行さん。明確な記録はないが、あえて水で薄める理由は見当たらない、というわけだ。

 発端は、泡盛を百年寝かせて古酒をを作ろうという話だった。百年古酒を仕込むにあたって、それにふさわしい良質の原料泡盛とは何かを考える中から、原酒を薄めずにそのまま仕込むというアイデアが出てきたのである。写真は、神村酒造の構内にさりげなく置かれている往年の酒仕込み用のカメ。

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 神村さんによると、蒸留工程の前半ではアルコール分の高い原酒がとれ、後半では油分を多く含んだ原酒がとれる。熟成の過程では、後半の油分が大きな働きをする。熟成を経て、これらがバニリンなどの香気成分に変わっていくからだ。

 こうして、モロミを蒸留する全工程から得られた原酒100%の泡盛「守禮 原酒51度」が、昨年初めて誕生した。

 「100年後においしくなる酒」だから、違いが明らかになるのは孫の代。ずいぶん気の長い話だが、100年かけて泡盛を育てるという発想は、スケールの大きなロマンを感じさせる。

 これに応えるロマンチストがたくさんいたということだろうか。昨年「守禮 原酒51度」を発売したところ、3000本限定で出したものが3ヶ月で売り切れたという。時間をかけて泡盛を育てていくという沖縄の酒文化は健在だ。好評に応えて、ことしも2月から、泡盛原酒の発売を始めた。

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 「守禮 原酒51度」は1升入りで税込み6300円。100年後に思いをはせつつ、自分でも試しに飲んでみたいという人には、360ml入りの小びんがある。これは神村酒造内にあるショップのみの限定販売。ただし、寝かせていない原酒は口にふくんだ時にやや固い感じを受けた。

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 那覇で明治15年に創業した神村酒造は、いま、うるま市石川の緑豊かな敷地にある。工場見学もできるので、泡盛に関心のある向きにはピッタリの訪問先だろう。

 神村酒造はうるま市石川嘉手苅570、電話098-964-7628。

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