万鐘
2013年12月07日
「民謡で今日拝なびら」に出ました
沖縄の最長寿番組、RBCラジオの「民謡で今日拝なびら(ちゅう・うがなびら)」に昨日、ゲスト出演してきました。
番組のホスト上原直彦さんの話術とまとめ方はなんとも巧み。それにおんぶしながら、万鐘の南向きアジア地図やももと庵のことについて、あれこれおしゃべりしました。
南向きアジア地図については、進む方向が前で、それは下ではなく、上向きに表示されるのが普通であること、その結果、南を上にするとアジア各国が非常によく見えてくること、沖縄がアジアへの玄関になっていることも一目で分かることを説明。
ももと庵で鶏の唐揚げにかけているパインだれが、沖縄のパインとアジアの魚醤のコラボでできていることなどもお話ししました。アジアと沖縄のいいところを合わせると何か新しいものが生み出せるのでは、と。
上原直彦さんは、1963年から実に50年以上、月曜から金曜まで、毎日、この番組を生放送しています。
ディレクターが「ではよろしくお願いします」とドアを閉めた後、スタジオ内は、上原直彦さんとゲストの2人だけ。でも、へんな緊張感はなく、リラックスした日常感が漂っています。
音楽の送出やマイクの切り替え操作なども上原直彦さんが全部1人で。CMタイムの間などに、次の準備をチャチャッとすませて、トイレにも立つ余裕は、さすがに52年の大ベテラン。
トークは、台本はおろか、打ち合わせらしい打ち合わせもなしのぶっつけ本番。あらぬ方向に話が飛んでしまいそうになるのを、上原さんが上手に軌道修正しながら着地させて下さいました。ありがとうございました。
番組のホスト上原直彦さんの話術とまとめ方はなんとも巧み。それにおんぶしながら、万鐘の南向きアジア地図やももと庵のことについて、あれこれおしゃべりしました。
南向きアジア地図については、進む方向が前で、それは下ではなく、上向きに表示されるのが普通であること、その結果、南を上にするとアジア各国が非常によく見えてくること、沖縄がアジアへの玄関になっていることも一目で分かることを説明。
ももと庵で鶏の唐揚げにかけているパインだれが、沖縄のパインとアジアの魚醤のコラボでできていることなどもお話ししました。アジアと沖縄のいいところを合わせると何か新しいものが生み出せるのでは、と。
上原直彦さんは、1963年から実に50年以上、月曜から金曜まで、毎日、この番組を生放送しています。
ディレクターが「ではよろしくお願いします」とドアを閉めた後、スタジオ内は、上原直彦さんとゲストの2人だけ。でも、へんな緊張感はなく、リラックスした日常感が漂っています。
音楽の送出やマイクの切り替え操作なども上原直彦さんが全部1人で。CMタイムの間などに、次の準備をチャチャッとすませて、トイレにも立つ余裕は、さすがに52年の大ベテラン。
トークは、台本はおろか、打ち合わせらしい打ち合わせもなしのぶっつけ本番。あらぬ方向に話が飛んでしまいそうになるのを、上原さんが上手に軌道修正しながら着地させて下さいました。ありがとうございました。
2013年10月14日
南向き地図の第2版、できました
南が上のオリジナル南向き地図「アジアの世紀」の第2版、できました。好評のうちに初版が完売したため、お待たせしていましたが、内容を一部改訂した第2版が刷り上がりました。
改訂したのは、まず色。精密な地図というよりは、部屋に飾りながらアジアのイメージを膨らませていく観賞用地図ですので、初版よりも少し鮮やかな色にしました。
ホームページの画面で見ると、初版もきれいな発色だったのですが、紙に印刷するとどうしてもややくすんだ感じになります。
そこで2版では、全体に色を鮮やかにしました。ぱっと見た感じがだいぶカラフルな印象になったようです。
もう一つ、改訂したのは、都市を増やしたこと。初版に比べて、50カ所近く増やしました。フィリピン、インドネシア、ベトナム、ラオスあたりがやや手薄だったので、そのあたりを中心に増補しました。
最後に、経線の上下の端に、東西南北を示す印を置きました。初版でも経線は引いていたのですが、あまり目立たなかったので、「方角が分からない」とのご意見をいただいていました。
経線の色を濃くすると全体の邪魔になるので、経線の上下、つまり地図の端の方に方角を示す印を入れることで、方角をはっきりさせました。
部屋やトイレに飾って見慣れてくると、ウソのようにアジアがどんどん見えてくる南向きのアジア地図。
ビジネスでアジアに足しげく通っている、旅行で時々アジアを訪れている、地図で世界をながめるのが大好き、アジアと日本の付き合い方を考えたいー。そんな方にお勧めですよ。
「アジアの世紀」のお求めはこちらで。B2変形判。丈夫な紙筒入りで890円(送料別)です。
改訂したのは、まず色。精密な地図というよりは、部屋に飾りながらアジアのイメージを膨らませていく観賞用地図ですので、初版よりも少し鮮やかな色にしました。
ホームページの画面で見ると、初版もきれいな発色だったのですが、紙に印刷するとどうしてもややくすんだ感じになります。
そこで2版では、全体に色を鮮やかにしました。ぱっと見た感じがだいぶカラフルな印象になったようです。
もう一つ、改訂したのは、都市を増やしたこと。初版に比べて、50カ所近く増やしました。フィリピン、インドネシア、ベトナム、ラオスあたりがやや手薄だったので、そのあたりを中心に増補しました。
最後に、経線の上下の端に、東西南北を示す印を置きました。初版でも経線は引いていたのですが、あまり目立たなかったので、「方角が分からない」とのご意見をいただいていました。
経線の色を濃くすると全体の邪魔になるので、経線の上下、つまり地図の端の方に方角を示す印を入れることで、方角をはっきりさせました。
部屋やトイレに飾って見慣れてくると、ウソのようにアジアがどんどん見えてくる南向きのアジア地図。
ビジネスでアジアに足しげく通っている、旅行で時々アジアを訪れている、地図で世界をながめるのが大好き、アジアと日本の付き合い方を考えたいー。そんな方にお勧めですよ。
「アジアの世紀」のお求めはこちらで。B2変形判。丈夫な紙筒入りで890円(送料別)です。
2013年08月01日
西日でお悩みの方、朗報です
いよいよ8月。毎日、暑いですね。見ばえはあまりよくないかもしれませんが、ももと庵の道路側壁面の一部によしずを置きました。盛夏を迎え、西日がきつくなってきたからです。
正面右側はレストランの客席。こちらはお客様にエメラルドグリーンの青い海を見ていただく窓ですから、ふさいでしまうわけにはいきません。好天に恵まれ、海の青さは絶好調ですよ。
さて、よしず。よしずを置いたところは、ソーセージなどを作る加工室がある部分です。加工室は窓にブラインドを下げているのですが、強烈な西日はそれだけでは防ぎきれません。
よしずは、沖縄の住宅でもよく使われています。というのも、沖縄の住宅の多くは鉄筋コンクリート造なので、夏は「石釜」になるからです。
ピザ店などにある石釜は、内部で火を燃やして石の釜を熱します。コンクリート住宅は、外部から太陽の熱でコンクリートが焼かれ、その熱が、石釜よろしく、じわじわと内部に伝わっていきます。
だから遮光しないと、内部はたいへん。ピザならカリっと焼けていいでしょうが、人間が焼かれたのではシャレになりません。
ももと庵はコンクリートではなく、トタン板の壁ですが、沖縄の強烈な太陽光線を受けて熱くなるのは同じこと。よしずはその強い光を見事に遮ってくれます。
効果抜群。軽く3、4度は違うんじゃないでしょうか。
西日でお悩みの方、ぜひよしずをお試しください。
ところで、沖縄の夏は、日差しは強烈なので、日なたにいたら大変ですが、日陰はOK。気温は東京や大阪のように35度とか36度とかになるようなことはまずありませんし、いつも島風が吹いています。
先日も「避暑に沖縄に来た」という方がおられました。
正面右側はレストランの客席。こちらはお客様にエメラルドグリーンの青い海を見ていただく窓ですから、ふさいでしまうわけにはいきません。好天に恵まれ、海の青さは絶好調ですよ。
さて、よしず。よしずを置いたところは、ソーセージなどを作る加工室がある部分です。加工室は窓にブラインドを下げているのですが、強烈な西日はそれだけでは防ぎきれません。
よしずは、沖縄の住宅でもよく使われています。というのも、沖縄の住宅の多くは鉄筋コンクリート造なので、夏は「石釜」になるからです。
ピザ店などにある石釜は、内部で火を燃やして石の釜を熱します。コンクリート住宅は、外部から太陽の熱でコンクリートが焼かれ、その熱が、石釜よろしく、じわじわと内部に伝わっていきます。
だから遮光しないと、内部はたいへん。ピザならカリっと焼けていいでしょうが、人間が焼かれたのではシャレになりません。
ももと庵はコンクリートではなく、トタン板の壁ですが、沖縄の強烈な太陽光線を受けて熱くなるのは同じこと。よしずはその強い光を見事に遮ってくれます。
効果抜群。軽く3、4度は違うんじゃないでしょうか。
西日でお悩みの方、ぜひよしずをお試しください。
ところで、沖縄の夏は、日差しは強烈なので、日なたにいたら大変ですが、日陰はOK。気温は東京や大阪のように35度とか36度とかになるようなことはまずありませんし、いつも島風が吹いています。
先日も「避暑に沖縄に来た」という方がおられました。
2013年06月23日
万鐘ももと庵、開店1周年
きょう6月23日、万鐘ももと庵は開店1周年を迎えます。勝連城跡のふもとの、ほとんど人通りのない場所に産声を上げてから1年。みなさまのご愛顧に心から感謝申し上げます。
おきなわの味、アジアの香りー。他のどこのレストランでも食べることができないオリジナリティあふれる料理やデザートを、これからも作ってまいります。新メニューもいろいろ企画していますので、どうぞお楽しみに。緑豊かな安らぎの空間づくりも、さらに充実させていきたいと思います。
きょうは開店記念ということで、粗品を用意しています。ぜひご来店下さい。
開店時に制作したももと庵のパンフレットが既に品切れしていたのですが、新版がこのほど出来上がりました。表紙は、勝連城跡の一番上から太平洋の青い海を臨む写真。左下にももと庵の赤い屋根が見えています。
開店時よりもメニューが増えていますので、見開きページの左側には、8種類の膳メニューの主菜の写真を配置しています。英語を話すお客様もときどき来られるので、メニュー写真には簡単な英語の説明も加えました。
見開きの右側では、勝連城跡の歴史や、周辺の歴史スポットを地図入りでご案内しました。お食事の後、近くを散策されて、勝連城をめぐる歴史ロマンを感じて下さいね。
ももと庵の名前の由来になっている「百十踏揚(ももとふみあがり)」についても説明しています。琉球国王の娘として生まれ、国の華と慕われながら、政略結婚で勝連に嫁ぎ、勝連と首里の対峙の荒波に飲み込まれていく激動の人生、です。
おきなわの味、アジアの香りー。他のどこのレストランでも食べることができないオリジナリティあふれる料理やデザートを、これからも作ってまいります。新メニューもいろいろ企画していますので、どうぞお楽しみに。緑豊かな安らぎの空間づくりも、さらに充実させていきたいと思います。
きょうは開店記念ということで、粗品を用意しています。ぜひご来店下さい。
開店時に制作したももと庵のパンフレットが既に品切れしていたのですが、新版がこのほど出来上がりました。表紙は、勝連城跡の一番上から太平洋の青い海を臨む写真。左下にももと庵の赤い屋根が見えています。
開店時よりもメニューが増えていますので、見開きページの左側には、8種類の膳メニューの主菜の写真を配置しています。英語を話すお客様もときどき来られるので、メニュー写真には簡単な英語の説明も加えました。
見開きの右側では、勝連城跡の歴史や、周辺の歴史スポットを地図入りでご案内しました。お食事の後、近くを散策されて、勝連城をめぐる歴史ロマンを感じて下さいね。
ももと庵の名前の由来になっている「百十踏揚(ももとふみあがり)」についても説明しています。琉球国王の娘として生まれ、国の華と慕われながら、政略結婚で勝連に嫁ぎ、勝連と首里の対峙の荒波に飲み込まれていく激動の人生、です。
2012年06月17日
万鐘ももと庵 6/23オープン
特報です。万鐘が初めてのお店をオープンしました。世界遺産「勝連城跡」のふもと、赤い屋根の「万鐘ももと庵」です。まずは看板からー。
天気のよい日は、太平洋の海の青さが目にしみます。店内から外を見たところです。
ぐいぐいっとズームアップするとー。
振り返れば、世界遺産「勝連城跡」。勇姿が間近に迫ります。
万鐘の豚料理を中心に、アジアンテイストのドリンクなども用意して、みなさまのご来店をお待ちしています。もちろん、おなじみの肉みそなどの万鐘製品もお買い求めいただけます。
泡瀬方面から県道16号線を進むと、勝連城跡の駐車場より500mほど手前の、道がカーブするところにわき道があります。右手に「パーラーみなみ」。このわき道を入って、道なりに400mほど進むと、冒頭の看板が見えてきます。
水曜定休、営業は午前11時から午後5時。
みなさまのお越しをお待ちしています。
天気のよい日は、太平洋の海の青さが目にしみます。店内から外を見たところです。
ぐいぐいっとズームアップするとー。
振り返れば、世界遺産「勝連城跡」。勇姿が間近に迫ります。
万鐘の豚料理を中心に、アジアンテイストのドリンクなども用意して、みなさまのご来店をお待ちしています。もちろん、おなじみの肉みそなどの万鐘製品もお買い求めいただけます。
泡瀬方面から県道16号線を進むと、勝連城跡の駐車場より500mほど手前の、道がカーブするところにわき道があります。右手に「パーラーみなみ」。このわき道を入って、道なりに400mほど進むと、冒頭の看板が見えてきます。
水曜定休、営業は午前11時から午後5時。
みなさまのお越しをお待ちしています。
2011年05月08日
南が上の「アジアが見える地図」近日発売
[お知らせ シリーズ「沖縄を創る人」の更新をさらに1週間延期し、今回は、万鐘オリジナルの南北逆さ地図「アジアの世紀」を紹介します]
理由はよく分からないが、人の目の動きは、上から下に向かうよりも下から上に向かう方が自然、ということなのかもしれない。
写真は、アジアを南北逆さにした万鐘オリジナル地図「アジアの世紀」。見慣れた地図と上下が反対なので最初は戸惑うが、しばらく我慢してながめていると、普通の地図を見る時とは全く違う感覚が得られる。アジア各国がくっきりと存在感を示し、なんとも身近に感じられるのだ。
北が上のアジア地図だと、中国南部から東南アジアにかけての一帯は、視野の左下の方に来る。下の方には細かい神経が届かないからなのか、「いくつかの国がごちゃごちゃある」というイメージになりがち。だから、現地に行ったことのある人を別にすれば、アジア各国の位置や都市名について、案外知らない人が多いのではないだろうか。
南北をひょいと逆さにして、南を上にもってくるだけなのだが、これだけでまるで違うアジア像が浮かび上がるから不思議。最初は見慣れないため違和感が強いが、しばらく見ていると、アジア諸国や各都市が、ひとつひとつ目に入ってくる。
シンガポールって、思ってたより遠い。これがマラッカ海峡か。ミャンマーが意外に大きい。四川省はだいぶ内陸。バングラデシュより東にもインド領があったとは。お茶のアッサムがそこにあるぞー。
次々に発見がある。「アジアが見える」感があって、たまらない。
考えてみれば、地球は丸く、人がその表面を移動する時には「上」も「下」もない。南北逆さ地図で、例えば、琉球王国時代の貿易船の進路をイメージしてみれば、それが実感できる。下の拡大図を下からスクロールしながら、次のルートをたどってみてほしい。
沖縄から出発し、弧を描くようにして台湾の南を経て、中国福建省にたどりつく。さらに大陸の海岸線に沿って南シナ海をベトナム方面に向けて航行する。
その先でタイに行くこともできるし、マレー半島からスマトラ、ジャワを目指すこともできる。
この南進ルート、北が上の地図よりも、逆さ地図の方がずっとラクにたどれる。まるで船に乗って進んでいるような感覚ー。
万鐘本店はかつて、グーグルアースを使って、南北逆さ地図を実験したことがある。その時、多くの読者から「そういう地図はないですか」という問い合わせをいただいた。あれから5年余り。ようやく、オリジナルの南北逆さ地図が完成の運びになった。
全体像は最初の写真の通り。左下に日本本土、その上部に沖縄、その右上方に中国大陸と南シナ海、東南アジア各国が広がる。さらにその右側にはバングラデシュ、インドの半分くらいとスリランカまでが入っている。
アジアは、多くの人口が集中し、高い経済成長を続ける、21世紀の地球の中心舞台。アジアの東端に位置する日本にとって最も重要な地域であることは言うまでもない。アジアへのゲートウェイに位置するわが沖縄にしてみれば、なおさら。
南北逆さ地図「アジアの世紀」は、各国とも国境線と主要都市が入っている。高低差や河川、道路は含まれていない。都市は、人口規模を基本にした。50万人以上の都市の多くが含まれ、30万程度の都市も一部入っている。ただし、クアラルンプールやジャカルタ、東京など、一部の大都市圏は、至近距離に複数の大都市がひしめいているため、周辺都市名の一部はスペースの関係で割愛せざるをえなかった。中国とインドは広大で、都市だけでは位置がよく分からないため、省や州の境界と省州名も入れた。
サイズはB2変形判。発売開始は5月下旬の予定。販売は、この万鐘本店ではなく、物販専門の万鐘YH店になります。発売開始はこの本店でも左側の欄でお知らせします。どうぞお楽しみに。
理由はよく分からないが、人の目の動きは、上から下に向かうよりも下から上に向かう方が自然、ということなのかもしれない。
写真は、アジアを南北逆さにした万鐘オリジナル地図「アジアの世紀」。見慣れた地図と上下が反対なので最初は戸惑うが、しばらく我慢してながめていると、普通の地図を見る時とは全く違う感覚が得られる。アジア各国がくっきりと存在感を示し、なんとも身近に感じられるのだ。
北が上のアジア地図だと、中国南部から東南アジアにかけての一帯は、視野の左下の方に来る。下の方には細かい神経が届かないからなのか、「いくつかの国がごちゃごちゃある」というイメージになりがち。だから、現地に行ったことのある人を別にすれば、アジア各国の位置や都市名について、案外知らない人が多いのではないだろうか。
南北をひょいと逆さにして、南を上にもってくるだけなのだが、これだけでまるで違うアジア像が浮かび上がるから不思議。最初は見慣れないため違和感が強いが、しばらく見ていると、アジア諸国や各都市が、ひとつひとつ目に入ってくる。
シンガポールって、思ってたより遠い。これがマラッカ海峡か。ミャンマーが意外に大きい。四川省はだいぶ内陸。バングラデシュより東にもインド領があったとは。お茶のアッサムがそこにあるぞー。
次々に発見がある。「アジアが見える」感があって、たまらない。
考えてみれば、地球は丸く、人がその表面を移動する時には「上」も「下」もない。南北逆さ地図で、例えば、琉球王国時代の貿易船の進路をイメージしてみれば、それが実感できる。下の拡大図を下からスクロールしながら、次のルートをたどってみてほしい。
沖縄から出発し、弧を描くようにして台湾の南を経て、中国福建省にたどりつく。さらに大陸の海岸線に沿って南シナ海をベトナム方面に向けて航行する。
その先でタイに行くこともできるし、マレー半島からスマトラ、ジャワを目指すこともできる。
この南進ルート、北が上の地図よりも、逆さ地図の方がずっとラクにたどれる。まるで船に乗って進んでいるような感覚ー。
万鐘本店はかつて、グーグルアースを使って、南北逆さ地図を実験したことがある。その時、多くの読者から「そういう地図はないですか」という問い合わせをいただいた。あれから5年余り。ようやく、オリジナルの南北逆さ地図が完成の運びになった。
全体像は最初の写真の通り。左下に日本本土、その上部に沖縄、その右上方に中国大陸と南シナ海、東南アジア各国が広がる。さらにその右側にはバングラデシュ、インドの半分くらいとスリランカまでが入っている。
アジアは、多くの人口が集中し、高い経済成長を続ける、21世紀の地球の中心舞台。アジアの東端に位置する日本にとって最も重要な地域であることは言うまでもない。アジアへのゲートウェイに位置するわが沖縄にしてみれば、なおさら。
南北逆さ地図「アジアの世紀」は、各国とも国境線と主要都市が入っている。高低差や河川、道路は含まれていない。都市は、人口規模を基本にした。50万人以上の都市の多くが含まれ、30万程度の都市も一部入っている。ただし、クアラルンプールやジャカルタ、東京など、一部の大都市圏は、至近距離に複数の大都市がひしめいているため、周辺都市名の一部はスペースの関係で割愛せざるをえなかった。中国とインドは広大で、都市だけでは位置がよく分からないため、省や州の境界と省州名も入れた。
サイズはB2変形判。発売開始は5月下旬の予定。販売は、この万鐘本店ではなく、物販専門の万鐘YH店になります。発売開始はこの本店でも左側の欄でお知らせします。どうぞお楽しみに。
2008年04月30日
[第53話 万鐘、食] 中野シェフの天然熟成生ハム
今回は自社ネタながら、とびきりおいしい話題をご提供。東京・池尻大橋のイタリアンレストラン「パーレンテッシ」の中野秀明グランシェフが、万鐘島ぶたで、オリジナリティあふれる2品を作った。首都圏にお住まいのロハス系グルメの方は直行すべし。
1つは、万鐘島ぶたの天然熟成生ハム。万鐘が中野シェフにモモ10本を納品したのは、2006年の12月初旬だった。シェフからは「爪付きで」とのリクエストを受けていたので、委託している食肉センターで「爪付き骨付きのモモ1本どり」という特別スペックでカットしてもらった。
送付先は秋田県大仙市の山の中。中野シェフは、これを乾燥した冬の時季に仕込み始め、自然の風にあてながらじっくりと1年半かけて生ハムにした。
生ハムのような非加熱の食肉加工品は、本来、イタリアやスペイン、中国といった大陸性の乾燥気候の下で、自然の風に当てながら作るもので、温暖湿潤の日本ではなかなか難しい。
大陸性の乾燥気候ならば、適切な場所さえ選べば、肉に塩をした後は、自然が、猛烈なスピードで水分を蒸発させていく。その乾燥ぶりはすさまじく、腐敗菌が活躍するのに必要な水分をあれよあれよという間に奪ってしまう。干し肉や、サラミのような非加熱ドライソーセージも、そういう乾燥ぶりだからこそうまくできる。
湿潤な日本だとそうはいかない。水分を減らすのに時間がかかりすぎるため、多少の塩をしても、その間に腐敗菌が繁殖して肉全体を支配するということなのかもしれない。要するに、肉は乾燥する前に腐ってしまうのだ。
塩の力で腐敗菌を抑えつつ、スピーディーに乾燥して腐敗菌が駆逐されると、内部はやがて乳酸菌の支配する世界になるらしい。その結果、天然熟成の生ハムは、乳酸菌の発酵香が際立つ。長期熟成したナチュラルチーズの香りに似ている。冷蔵庫の中で短期間に作られたよくある生ハムとは雲泥の差といっていい。
中野シェフのもう一つの特別メニューは、万鐘島ぶたの子豚のスモーク。
生体重で30kg強の子豚を皮つきのまま塩蔵してから加熱し、さらに軽く燻蒸する。これをごく薄切りにし、オイルをかけて食す。子豚の上品な香りが口いっぱいに広がる逸品だ。この大きさの豚なら皮もそれほど厚くないので、心地よい歯ごたえが楽しめる。ワインがすすみそう。
万鐘島ぶたの天然熟成生ハム、子豚のスモークとも1皿1600円。生ハムはあと数ヶ月はあるとのことだが、お早めにどうぞ。ただし、他の豚の生ハムをスライスしている期間は万鐘島ぶたの生ハムは食べられない。いずれにしてもパーレンテッシは人気店なので、事前に電話で確認・予約する方がいい。東京都目黒区東山3-6-8エクセル東山 2F、03-5722-6968。お昼が11:30-14:00、夜は18:30-24:00。最寄り駅は東急田園都市線の池尻大橋(渋谷の次)。
1つは、万鐘島ぶたの天然熟成生ハム。万鐘が中野シェフにモモ10本を納品したのは、2006年の12月初旬だった。シェフからは「爪付きで」とのリクエストを受けていたので、委託している食肉センターで「爪付き骨付きのモモ1本どり」という特別スペックでカットしてもらった。
送付先は秋田県大仙市の山の中。中野シェフは、これを乾燥した冬の時季に仕込み始め、自然の風にあてながらじっくりと1年半かけて生ハムにした。
生ハムのような非加熱の食肉加工品は、本来、イタリアやスペイン、中国といった大陸性の乾燥気候の下で、自然の風に当てながら作るもので、温暖湿潤の日本ではなかなか難しい。
大陸性の乾燥気候ならば、適切な場所さえ選べば、肉に塩をした後は、自然が、猛烈なスピードで水分を蒸発させていく。その乾燥ぶりはすさまじく、腐敗菌が活躍するのに必要な水分をあれよあれよという間に奪ってしまう。干し肉や、サラミのような非加熱ドライソーセージも、そういう乾燥ぶりだからこそうまくできる。
湿潤な日本だとそうはいかない。水分を減らすのに時間がかかりすぎるため、多少の塩をしても、その間に腐敗菌が繁殖して肉全体を支配するということなのかもしれない。要するに、肉は乾燥する前に腐ってしまうのだ。
塩の力で腐敗菌を抑えつつ、スピーディーに乾燥して腐敗菌が駆逐されると、内部はやがて乳酸菌の支配する世界になるらしい。その結果、天然熟成の生ハムは、乳酸菌の発酵香が際立つ。長期熟成したナチュラルチーズの香りに似ている。冷蔵庫の中で短期間に作られたよくある生ハムとは雲泥の差といっていい。
中野シェフのもう一つの特別メニューは、万鐘島ぶたの子豚のスモーク。
生体重で30kg強の子豚を皮つきのまま塩蔵してから加熱し、さらに軽く燻蒸する。これをごく薄切りにし、オイルをかけて食す。子豚の上品な香りが口いっぱいに広がる逸品だ。この大きさの豚なら皮もそれほど厚くないので、心地よい歯ごたえが楽しめる。ワインがすすみそう。
万鐘島ぶたの天然熟成生ハム、子豚のスモークとも1皿1600円。生ハムはあと数ヶ月はあるとのことだが、お早めにどうぞ。ただし、他の豚の生ハムをスライスしている期間は万鐘島ぶたの生ハムは食べられない。いずれにしてもパーレンテッシは人気店なので、事前に電話で確認・予約する方がいい。東京都目黒区東山3-6-8エクセル東山 2F、03-5722-6968。お昼が11:30-14:00、夜は18:30-24:00。最寄り駅は東急田園都市線の池尻大橋(渋谷の次)。
2008年01月01日
[第33話 農、万鐘] 鳴く雄豚
あけましておめでとうございます。万鐘本店、新年の幕開けは、正月にふさわしい子孫繁栄の話で。ただし、主役は雄豚である。
母豚は、成長して性の成熟期に入ると、21日の間隔で発情が来るようになる。1回の発情期間は2、3日で、その間しか雄を受け入れない。それ以外の時は、雄を全く相手にせず、雄が追いかけようものなら、「助けてくれ」と大声を上げながら徹底的に逃げ回る。
豚はふだん、雌雄別々の房にいるので、管理者は母豚の発情を見はからって、雄豚を母豚の房に入れ、種付けをする。ただ、発情期間中は、そわそわする母豚もいるが、そうでもないものもいて、個体差が激しい。その結果、発情をうっかり見落としてしまうことがある。一度、見落とすとまた21日待たなければならず、種付けは遅れ、生産性が落ちる。
母豚の発情を把握するには、雄豚を使うのが確実。雄豚を近づければ、発情している母豚は「受け入れ姿勢」をとり、じっと動かなくなるからだ。
ところが、万鐘の農場にいるアダムという雄豚は、もっと簡単に母豚の発情を知らせてくれる。同じ豚舎にいる母豚が1頭でも発情していると、それをちゃんと感知して、ウーウーと鳴き声を上げるのだ。アダムが鳴き声を上げることはめったにないから、ほぼ確実に分かる。まさに、生きたセンサー。「鳴いている時のアダムは、日頃の猛烈な食欲も控えめになります」と農場主任の大和田宝林は話す。
アダムのいる房から母豚が見えるとは限らない。母豚の側が特別の臭いや音などを出していて、それをアダムが感じ取るのかもしれない。そうしたメカニズムのすべてが、子孫を残すための豚の本能に基づいているのだろう。
アダムが鳴いている時は、どの母豚が発情しているかを、まず見極める。分からなければアダムを房から出して好きに歩かせれば、発情している母豚に近づいていく。母豚がいる房内で交配が終わったら、扉付近に自分からやって来る。仕事を終えたら餌をもらえることを知っているからだ。扉を開ければ、特に指示しなくても、巨体を揺らしながら廊下を走って、おいしい餌の待つ自房へまっしぐら。その安定感のある働きぶりには、大和田も厚い信頼を寄せている。
そんなアダムも、活躍の場がだんだん減ってきた。少しずつ成長を続けるうちに体が大きくなり、若くて小さい母豚だと彼が乗った時に、重くて体重を支えきれないのだ。アダムは既に300kg以上あるとみられる。このデュロックという品種の豚の雄は、350kgくらいまでは成長していく。
試みに、生まれて1週間の2kgほどの子豚をアダムの背中に乗せてみた。この2頭、れっきとした親子なのだが、まるでネズミとゾウのようだと言ったら、さすがに言い過ぎか。
大きな雄豚は、飼う側にとって、いささか危険を伴う。動物同士の力くらべは、ごく大ざっぱに言えば、まずは体重の勝負だ。万一、300kgもある雄豚と勝負するハメになれば、60kgや70kgの人間に勝ち目はない。現に養豚の世界では、雄豚に太ももを丸ごと噛み切られたというような事故がたまに起きる。むろん、人間から勝負を挑むことはないが、人間の行動を雄豚に誤解され、運悪く噛みつかれる、というような悲劇がまれに起きるのだ。
巨大な雄豚の前に立つ時は自然に「シャンとして強い気を送らなきゃ」という気持ちになる。こちらも一応、動物だからだろう。むろん命は惜しいので、勝ち目のない勝負を仕掛けるようなことは絶対しないが。
母豚は、成長して性の成熟期に入ると、21日の間隔で発情が来るようになる。1回の発情期間は2、3日で、その間しか雄を受け入れない。それ以外の時は、雄を全く相手にせず、雄が追いかけようものなら、「助けてくれ」と大声を上げながら徹底的に逃げ回る。
豚はふだん、雌雄別々の房にいるので、管理者は母豚の発情を見はからって、雄豚を母豚の房に入れ、種付けをする。ただ、発情期間中は、そわそわする母豚もいるが、そうでもないものもいて、個体差が激しい。その結果、発情をうっかり見落としてしまうことがある。一度、見落とすとまた21日待たなければならず、種付けは遅れ、生産性が落ちる。
母豚の発情を把握するには、雄豚を使うのが確実。雄豚を近づければ、発情している母豚は「受け入れ姿勢」をとり、じっと動かなくなるからだ。
ところが、万鐘の農場にいるアダムという雄豚は、もっと簡単に母豚の発情を知らせてくれる。同じ豚舎にいる母豚が1頭でも発情していると、それをちゃんと感知して、ウーウーと鳴き声を上げるのだ。アダムが鳴き声を上げることはめったにないから、ほぼ確実に分かる。まさに、生きたセンサー。「鳴いている時のアダムは、日頃の猛烈な食欲も控えめになります」と農場主任の大和田宝林は話す。
アダムのいる房から母豚が見えるとは限らない。母豚の側が特別の臭いや音などを出していて、それをアダムが感じ取るのかもしれない。そうしたメカニズムのすべてが、子孫を残すための豚の本能に基づいているのだろう。
アダムが鳴いている時は、どの母豚が発情しているかを、まず見極める。分からなければアダムを房から出して好きに歩かせれば、発情している母豚に近づいていく。母豚がいる房内で交配が終わったら、扉付近に自分からやって来る。仕事を終えたら餌をもらえることを知っているからだ。扉を開ければ、特に指示しなくても、巨体を揺らしながら廊下を走って、おいしい餌の待つ自房へまっしぐら。その安定感のある働きぶりには、大和田も厚い信頼を寄せている。
そんなアダムも、活躍の場がだんだん減ってきた。少しずつ成長を続けるうちに体が大きくなり、若くて小さい母豚だと彼が乗った時に、重くて体重を支えきれないのだ。アダムは既に300kg以上あるとみられる。このデュロックという品種の豚の雄は、350kgくらいまでは成長していく。
試みに、生まれて1週間の2kgほどの子豚をアダムの背中に乗せてみた。この2頭、れっきとした親子なのだが、まるでネズミとゾウのようだと言ったら、さすがに言い過ぎか。
大きな雄豚は、飼う側にとって、いささか危険を伴う。動物同士の力くらべは、ごく大ざっぱに言えば、まずは体重の勝負だ。万一、300kgもある雄豚と勝負するハメになれば、60kgや70kgの人間に勝ち目はない。現に養豚の世界では、雄豚に太ももを丸ごと噛み切られたというような事故がたまに起きる。むろん、人間から勝負を挑むことはないが、人間の行動を雄豚に誤解され、運悪く噛みつかれる、というような悲劇がまれに起きるのだ。
巨大な雄豚の前に立つ時は自然に「シャンとして強い気を送らなきゃ」という気持ちになる。こちらも一応、動物だからだろう。むろん命は惜しいので、勝ち目のない勝負を仕掛けるようなことは絶対しないが。