アサヒガニ

2008年12月02日

[第89話 食] 美味発掘 アサヒガニ

 今回はちょっと変わったカニ、アサヒガニをご紹介。オーストラリア産などが通信販売で出回っているようだが、沖縄では地場でアサニガニが獲れる。

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 ちょっと変わった、というのはこの形。普通のカニのイメージは弁当箱を横に置いたような「横長」だが、アサニガニは「縦長」だ。腹の部分が甲羅の下に収まらず、下に出たままになっているのが「縦長」に拍車をかけている。英語ではフロッグクラブ、つまり「かえるガニ」。言われてみれば、蛙の形に見えなくもない。

 アサヒガニは暖かい地方のカニで、太平洋、インド洋に生息する。日本では西南日本一帯の海にいるという。種子島でも食べられているようだが、いずれにしても漁獲量の少ない珍しいカニであることは間違いない。

 砂に潜っていることが多く、外に出ていても身の危険を感じるとサッと全身で砂に潜る。砂から目だけを潜望鏡のように突き出してあたりをうかがい、安全と分かったら砂から出て移動するらしい。

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 沖縄でカニと言えば、ワタリガニ(ガザミ)をもっともよく見かける。アサヒガニは、沖縄各地の漁港に上がるが、水揚げ量は少ない。ウチナーンチュでも見たことがないという人が多いのではないか。

 沖縄の中では、那覇漁港に上がる量が多いようだ。那覇・牧志の公設市場の鮮魚店の中には置いている店がぽつぽつある。珍しいカニではあるが、アサヒガニを専門に狙う漁師がちゃんといて、彼らが獲ってくるのだという。

 さて、肝心の味は―。20分ほどゆでて甲羅をはずすと、腹の部分には白い身がたっぷり。甲羅の中にはみそが。みその表面には赤い色をした液状の油も見え、コクを期待させる。

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 白い身は繊維っぽくなく、上品なうまみにあふれていておいしい。手足の中の身は少ないが、腹の部分は食べごたえがある。香りもよい。みそは、量はさほど多くないが、こっくりとコクがあって、実にうまい。鮮度がいいからかもしれないが、臭みは一切なく、奥深いうまみだけが舌に残った。数多くのカニの中でも、味と香りのよさでは、かなり上位に入るカニなのではないか。

 カラが薄いので、ぶつ切りにして中華風のいためものにしたり、カニ鍋やみそ汁にして食べるのもよさそうだ。

 那覇・牧志公設市場では、とれとれの生きたアサヒガニを置いている店が数店ある。甲羅の直径が10−12cmのもので1000-1500円といったところか。やや高めだが、カニ好きなら一度は試してみる価値がある。あまり小さいものより、多少値ははっても、食べごたえのある大きめのものがお薦め。

 同じく那覇漁港の「泊いゆまち」の中にも扱っている鮮魚店がある。ここでは、冷凍したものを売っていることが多い。アサヒガニは傷みやすいカニなので、早い時点での凍結は鮮度を保持する優れたひとつの方法。価格は牧志公設市場よりはいくぶん安い。

 アサヒガニについては、下記の各鮮魚店で尋ねてみてほしい。ただし、入荷しない日もあるので、行く前に問い合わせした方がよい。

 那覇・牧志公設市場の西銘(にしめ)鮮魚店 098-862-2871
 那覇・農連市場近くの活魚鮮魚卸 大和(やまと) 098-835-4567
 那覇・泊いゆまち内のキンシロ鮮魚 098-861-2957

bansyold at 00:00|PermalinkTrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote