アメリカ

2013年02月17日

加水でジューシーさが倍増

 前回はアメリカンの肉だけハンバーグの話をしました。今回からはニッポンのハンバーグです。おいしい作り方を何回かに分けて綴ってみます。

 ニッポンのハンバーグでとりわけ重視されるのは、ジューシーであることと、柔らかいこと。この2つ条件を、やや過剰なくらいに満たさないと、みなさん、なかなか満足しません。

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 ジューシーにするにはどうすればいいかー

 そもそも、ハンバーグを焼く際に大変難しいことがあります。厚さが2cm前後あるため、中心まで火を通すのに時間がかかり、長い時間、焼いていると、その間に肉汁がどんどん出て、パサパサになってしまうのです。

 そこで生地を作る際に、あらかじめ少し加水しておきます。ひき肉の量の1/4から1/5くらいの水を、ひき肉と一緒に練り込んでおきます。こうしておくと、焼いた時に少しくらい肉汁が出ても、まだたっぷり中に水気が残っているので大丈夫、というわけですね。

 汁がある程度は出てしまうことを覚悟のうえで、先回りして肉の中に水を「預金」しておくような感じです。

 加水した生地は、柔らかい感じに仕上がりますが、面白いことに、肉の細胞は水をきれいに吸ってくれるので、生地が柔らかくなることはあっても、べちゃべちゃと水っぽくなるようなことはありません。

 ジューシーさの次は柔らかさ、です。

 前回、アメリカの「肉だけハンバーグ」について書きました。いくらひき肉とはいえ、肉は筋肉なので、肉100%でハンバーグにすると、意外に歯ごたえを感じます。

 それがまたいいのですが、片や、ニッポンのハンバーグは「箸で簡単に切れ、口の中で数回噛めば、たやすくほどける」くらい柔らかいこと、が求められます。口の中で筋肉を感じ、それを歯で噛み切らねばならないようでは、「柔らかさが足りない」という不満につながってしまいます。

 ハンバーグを柔らかくする方法は、スジ気のまるでない何かを肉の間にかませること。日本では、多くの場合、牛乳でふやかしたパンを練り込みます。

 あまりパンが多すぎてもいけません。パンが多すぎるハンバーグは、主役の座をパンが肉から奪い、ベタっとした団子のような食感になってしまいますので。

 生地ができたので、次回はいよいよ焼きに入ります。


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2013年02月11日

米国式ハンバーグは肉だけ

 今回から少しハンバーグのことを綴ってみます。考えてみれば、ハンバーグって不思議な料理ですよね。海の向こうからやってきて、日本風にアレンジされ、家庭料理としてすっかり定着。みんな大好きハンバーグ、になっています。ももと庵メニューでも、かなりの人気者です。

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 でも作るのは意外に大変。「ひき肉をまるめて焼くだけ」といえば確かにそうなんですが、おいしく作るには、いろいろノウハウがあります。

 作り方うんちく編の前に、今回は、ちょっとだけアメリカのハンバーグ話を一席。

 ハンバーガー大国、アメリカの家庭では、よく友だちを家に招待します。「今度の土曜日に家でバーベキューをしますので、ご家族と一緒にぜひどうぞ」と声がかかるのが定番。

 「バーベキュー」と聞いて、串刺しの肉の固まりなんぞを勝手にイメージしながら、いそいそと出かけます。

 庭では、だいたい主人が炭火をおこして、お客に飲み物をふるまいながら、ひととき、おしゃべりを楽しみます。

 火が十分おきた頃、冷蔵庫にしまってある「焼くもの」を奥さんが持って登場します。トレーなどに入れた「焼くもの」の上にアルミ箔をかぶせて、しずしずと、いやアメリカの奥さんですから、何かしゃべりながら、明るい感じで運んできます。

 招かれた側も、この頃にはかなりお腹がすいているので、いやがうえにも期待が高まります。

 アルミ箔のフタがはずされると、しかしながら、そこに姿を現すのは、肉の固まりではありません。串刺しの肉でもありません。まず十中八九、ハンバーグです。???!「バーベキュー」のイメージとは違うので、ちょっと面食らいます。

 さらにー

 出て来るハンバーグが、日本のそれとは大違いなので、二度びっくり。牛ひき肉100%の固まりなんです。そう、まさに、ひき肉をまるめて焼くだけ。日本のハンバーグだと、玉ネギやらパン粉やら、肉以外にいろいろ入れますから、「100%牛肉のハンバーグ」には、意外な新鮮さがあります。

 これを、おもむろに炭火で焼きます。「肉だけ」ですから、まさにステーキの感覚。アメリカで売られている牛肉は、よほど柔らかい部位でないと、そのまま焼いたのでは固くなってしまうので、ひき肉にしてから焼くというのは、確かに理にかなっています。

 厚みがあるので、焼くのは、結構な時間がかかります。焼いている間に肉汁がしたたり落ちてジュワっと煙が上がり、それはもう、おいしそう。

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 焼き上がった牛100%のハンバーグ。アメリカでは、みなさん、焼き上がった肉だけハンバーグを丸いパンにはさんで、ハンバーガーにして食べます。ケチャップやマスタードをかけて。生の玉ねぎのスライスを挟む人もいます(写真は沖縄の米軍基地内レストランで出て来た肉100%の米国式ハンバーグ)。

 このハンバーガー、ファーストフードのそれとは比較になりません。ハンバーグは厚くて大きく、肉のうまみ十分。噛み応えも十分。あぁ、こういうハンバーグもあったのねー

 串刺し肉への思いはとっくに消え、もぐもぐしながら、口いっぱいに広がる炭火焼牛肉の味に身をゆだねている自分に気づくことになります。

 次回から、日本式ハンバーグの作り方編です。


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2011年07月17日

大学入試が変われば、英語を話す人が増える

沖縄を創る人 第27回
 サイ・テク・カレッジ那覇主任講師 小波本あゆみさん(下)

 
 専門学校で英語を教える小波本あゆみさんは、沖縄ならではの質問を受けることがある。米軍関係者と結婚した沖縄の女性に共通の悩み、子供を日本の学校に入れるか、基地内の学校に入れるか、という相談だ。

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 「将来、その子が日本で暮らすか、アメリカで暮らすか、です。日本で生きていくなら日本の学校、アメリカで暮らすなら基地内の学校を勧めます」

 言語力は、学校で習うものも大きいが、それと日常生活の言語環境とのギャップに注意しなければならないと小波本さんは言う。

 「例えば、米軍基地内の学校を出たとします。そのまま日本社会に入ると、普通の日本人より英語は少しできるけど、日本語は漢字が読めないといった中途半端なことになります。日本社会で生きていくなら、日本の学校の方が力をつけてくれるわけです」

 「アメリカで暮らすなら、英語力がつく基地内の学校ということになりますが、基地内の学校を出て英語で勝負しようとしても、米本土に行ったら、ネイティブには太刀打ちできません。やはり米本土に渡って日常の言語環境を英語に切り替え、そのうえで向こうの大学などで本格的に英語力を鍛えないと、あちらでの競争力は得られません」

 前回、英語を話す力をつけるのに必要だと小波本さんが強調した「文を組み立てる練習の繰り返し」の最大のものが、実は日常の言語環境なのだ。周囲が日本語でコミュニケーションしていれば、こちらも日本語で話そうと努力し、文を組み立てる訓練を毎日、毎日、自然に繰り返すことになる。基地内の学校といっても、社会環境全体は日本語世界。

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 逆に、相手が英語ならば英語で文の組み立て訓練を毎日やることになる。

 沖縄は本土復帰前、米軍の軍政下にあった。基地内やその周辺で働く人も多かった。米軍人と遭遇し、コミュニケーションする場面は、今よりずっと多かったに違いない。

 沖縄のお年寄りの中には、氷水のことを「アイスワーラー」と呼ぶ人がいる。本土復帰前の米軍支配時代に、生きるための英語を体当たりで身につけた世代だ。学校で英語を習ったことが全くなくても、本当に必要ならば相手が何を言っているのかを必死で聞きとり、それをマネする。Ice waterをアメリカ人が発音したら「アイスウォーター」ではなく「アイスワーラー」になるのだ。

 いま小学校での英語教育導入が進んでいる。小波本さんに言わせれば、日本社会で育っている子供が、週一回の英語の授業で会話ができるようになるのは無理。

 「一番大切なことは、母国語をしっかり身につけてからの外国語の習得であること。自分のアイデンティティの確立のためには、どの言語で自分の気持ちを言語化するかがとても重要です。まれに、きちんと二分化できる人がいますが、多くの人は混乱するか、母国語と外国語がちゃんぽんになってしまうかだと思います」

 「小学校での英語教育の最も重要なことは、英語で話すことが恥ずかしくない、という感覚をできるだけ養うこと。自分の伝えたいことを相手に伝えるため、身振り手振りも加えて、一生懸命工夫をすること。つまり、コミュニケーション能力を高めるということです。これは、日本語でのコミュニケーション能力にも繋がってきます」

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 では、日本人がもう少し英語を話せるようになるのに最も効果的な方法は? 小波本さんは即座に答えた。

 「大学入試のあり方を変えること。中学、高校の英語教育は、すべて大学入試につながっていますから」

 大学入試が、今のような分析型ではなく、文を組み立てる力をみるタイプのものに変われば、中学高校でもそのようなスキル訓練が重視されるようになるという。

 例えば、米国が外国人の英語学習者向けに実施しているTOEFL(トーフル)試験は、高いスキルを要求され、分析力だけでは高得点できない。日本人が苦手な英語試験といわれる。大学入試がそうしたタイプの試験になれば、中学高校の英語教育も焦点がそこに移るはず、と小波本さんはみている。

 [小波本あゆみさんとつながる] 小波本さんが勤務するサイ・テク・カレッジ那覇のHPはこちら。小波本さんが教鞭をとっている国際コミュニケーション情報科の説明もある。日本人が苦手とされるTOEFLのHPはこちら

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2009年01月25日

[第98回 食] 米軍レストランでぷちアメリカ体験

 沖縄の広大な米軍基地の中で、ただ一つ、地元民や観光客が入れる施設がある。北中城村のアワセゴルフ場と併設のメドウズ・レストラン。このレストランは、アメリカ風のレストランではなく、アメリカのレストランそのもの。アドベンチャー気分でぷちアメリカ体験はいかが?

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 米軍基地の敷地内には、ショッピングセンターからボウリング場まで、小さな町にあるような施設はだいたい何でもある。海兵隊で、こうした民生関連施設を一手に運営するのが海兵隊コミュニティサービス(MCCS)。ただ、民生施設とはいってもすべて軍事基地内にあるので、軍関係者以外は立ち入りできない。メドウズ・レストランもMCCSが運営する米軍施設の一つだが、例外的に基地のフェンス外にあるため、だれでも利用できるというわけだ。

 「特に日曜日は日本人の利用客が多いですね」とレストラン事務所のジョン・ライトルさん。訪ねたのは土曜日だったが、アメリカ人の客に混じって、地元のゴルファーらしきグループもテーブルをいくつか囲んでいた。

 「アメリカ風ではなく、アメリカそのもの」というのは、例えば、日中の室内の暗さ。アメリカでは日本のように外光が大量に室内に入る設計は好まれず、日中の室内はかなり暗い。このレストランも薄暗い席が多い。目が慣れてくればどうということはないが、最初はちょっと面食らうかもしれない。ゴルフコースが見える窓際の席は明るいので、日本人客の多くはそちらにすわっている。床がビニルタイルでなくじゅうたん風なのもアメリカ式。

 陽気なアメリカ人は、フレンドリーに人と会話する。このレストランのウエイトレスは沖縄の人だが、みな笑顔で客とよくしゃべる。見ず知らすのウエイトレスとこれほど話が弾むというのも、考えてみれば何ともアメリカ的。日本のレストランではあまり見られない光景だ。

 肝心のメニューはほぼ100パーセント、アメリカ食。サンドイッチ類にはたっぷりとフライドポテトがついてくる。クリスピーなフライドチキンも、食べきれないような量がドカーンと登場する。

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 ハンバーガーは、ファーストフードのそれとは違って、文字通りアメリカ仕様。アメリカのハンバーガーのパテは、牛ひき肉以外は本当に何も入れない牛100%が普通で、ここのもそう。パン粉はおろか玉ねぎさえ入っていない。かつ大きい。ファーストフードのハンバーガーの2倍以上ある。上の写真はブルーチーズのハンバーガー。ブルーチーズはアメリカ人好みの味らしく、サラダにかけるブルーチーズドレッシングは、アメリカの国民的サラダドレッシングの一つだ。

 サンドイッチ類にはカップスープが1ドルでつけられる、とメニューにあったので、頼んでみたら、ドロリとした「食べるスープ」が出てきた。日本でポピュラーなコンソメなどのさらさらスープはアメリカではまずお目にかからない。このメドウズ・レストランで出てくるのも純アメリカ式ぽってりスープ。

 コーヒー、紅茶用の小袋入りの砂糖は、白い袋に入った本物の砂糖と、ピンクまたは青色の袋に入った粉末人工甘味料の2種類が置かれている。要ダイエットの人が日本とは比較にならないほど多いアメリカでは、どのレストランに行ってもこの2つに遭遇する。

 支払いはドルのみだが、ドルを持っていない人は、入口で頼めば両替してくれる。メニューは日本語版が用意されているし、ウエイトレスはみな沖縄の女性なので、言葉の問題は全く起きない。

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 北中城村の国道329号線ライカム交差点を、那覇から沖縄市向けなら右折すると、まもなく左手に、ゴルフ場のクラブハウスに隣接してメドウズ・レストランがある。

 電話で問い合わせする場合は、098-911-511にかけると米軍基地の交換手が出るので、「内線645-4980を」と日本語で言えばつないでくれる。詳しい営業時間などはメドウズ・レストランの公式サイトで(このサイトは英語のみ)。

 現在のアワセゴルフ場は、近く、敷地が日本側に返還されるため、メドウズ・レストランともども、2009年11月に移転の予定。移転先はうるま市のキャンプコートニーの近くになる。ライトルさんによれば、移転後はレストランの名前も変わるだろうという。

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