アメリカン

2009年05月07日

[第115話 食] 1100円のお値打ちステーキ

 沖縄はステーキが有名。米軍統治時代のなごりと言われるが、沖縄県民の肉好きがそれをガッチリ下支えしているとの説もある。そんな地元民御用達洋食店の代表格が沖縄市の「ハイウェイドライブイン」。いつも地元客でごった返している。中でも、1100円のスペシャルステーキはお値打ちだ。

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 「沖縄 ステーキ」でネット検索すると、那覇を中心にいろいろなステーキ専門店が出てくる。かつて米軍Aサインレストランだった店、ステーキだけでなく伊勢エビなどの高級海鮮グリルを出す店など、さまざまだ。

 古くからあるステーキ専門店でも、1980年代の前半くらいまでは、1000円前後でステーキが食べられた。当時、本土から沖縄旅行に来た人の中にはそれをお目当てにする人もかなりいた。だが、現在、1000円でステーキを出す店はさすがにほとんどない。「安い」ということにそれほど重きを置かなくなってきたのだろう。例えば、1953年創業の有名店、那覇市のジャッキーステーキハウスでも、一番割安のニューヨークステーキSが1400円。

 ハイウェイドライブインは、本土復帰の前後にオープンしたというから既に創業30年以上。コザという場所柄、かつては米軍人のお客も多かっただろうが、今や地元民が圧倒的だ。

 この店は、昼となく夜となく、常にお客がたくさんいる。家族連れ、若いカップル、作業服姿のおじさんたち。カウンターごしのオープンキッチンの中には料理人やアシスタントの女性が4、5人いて、ハンバーグを焼いたり、とんかつを揚げたりして、忙しそうに動き回っている。それほど広くもないキッチンにあんなにたくさんスタッフがいるのかな、と思うかもしれないが、客の回転がいいから、2人やそこいらでは追いつかないのだ。

 ステーキ専門店ではない。メニューの中心はランチ。ランチとは言っても、「洋定食」くらいの意味で、昼時だけでなく、夜でも食べられる。オムレツ、とんかつ、ハンバーグ、スパゲティといった懐かしの洋おかずとごはん、スープがセットになっている。

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 ランチでも先にスープが出てきたり、アイスティーがおかわり自由だったり、ハンバーグがハンバーガーにする肉っぽいタイプだったりする。このあたりがアメリカン。八宝菜風の中華メニューを「チャプスイ」と呼ぶところもアメリカンの趣きが漂う。チャンプルーなどのオキナワンメニューも豊富。

 さて、本題のスペシャルステーキにいこう。初めてオーダーした時は「1100円はちょっと安すぎないか」「靴底のような、味がなくて固いだけの肉かも」と、待っている間に一抹の不安がよぎった。いくぶん緊張気味でテーブルに座っていたが、やや粉っぽいスープとサラダに続いて登場したのは、まさに血のしたたるおいしそうなステーキだった。鉄板の上で肉汁がジュワジュワといい音を奏でている(冒頭の写真)。

 「とろけるような」という形容は当たらないが、バサバサ肉では全くない。適度な噛み応えと柔らかさがともにあり、しかもジューシー。これで1100円なら文句を言う人はいないだろう。味はほとんどついていないので、好みで塩、コショウ、しょうゆ、ソース類をかけて食べる。

 ふと周囲を見回してみると、ランチを食べている人が多い中で、ナイフでステーキを一口大に切りながら、せっせと口に運ぶ向きもバラバラと見えた。ランチが500-800円ほどなのに比べれば1100円は割高かもしれないが、ちょっと奮発すれば手の届くところに、このスペシャルステーキはある。

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 名前の「ハイウェイドライブイン」も70年代風のレトロな響き。ただ、実際は、ハイウェイ沿いではなく、一般県道75号線沿い。ドライブインと言えば、駐車場が広々していて、というイメージだが、これもそうではなく、県道沿いのやや古びた普通の建物なので、想像をたくましくして初めて訪れた人は戸惑うかも。車は裏手の小さな駐車場にとめられる。

 ハイウェイドライブインは、沖縄市美里1266、098-937-8448。営業時間は11:00-26:00。年末年始と旧盆を除いて無休。

bansyold at 07:32|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote