コリアンダー
2016年08月30日
2014年12月14日
インドネシア風鶏の唐揚げのヒミツ
12月からスタートした「しっかりアジアン」シリーズのトップバッター、インドネシア風鶏の唐揚げが好評です。今回はそのヒミツをお教えしちゃいましょう。
きつね色に揚がった鶏の唐揚げ。とってもおいしそうですが、写真を見ただけでは、どこがインドネシア風なのか、分かりませんよね。
インドネシア風は、下味をしっかりつけます。まずコリアンダー。種を粉にしたスパイスで、かんきつっぽい爽やかさが特徴です。
ニンニク、生姜、玉ネギもたっぷり入れます。そしてそして、ピーナッツ。ミキサーで粉にしてペーストに加えます。ピーナッツのコクと香りは、いかにもインドネシアの風味ですね。焼肉サテの甘いピーナッツソースを思い出して下さい。
さて、インドネシア風。こうして下味を含ませる際には、いったん鍋で加熱します。生のままよりも、肉の中まで味がよく染みていきます。
そこまでが仕込み。オーダーが入ったら、これを中温の油でじっくり揚げ、サクサクに仕上げます。
これまでとちょっと違った風味の鶏の唐揚げ。ぜひお試し下さいね。
きつね色に揚がった鶏の唐揚げ。とってもおいしそうですが、写真を見ただけでは、どこがインドネシア風なのか、分かりませんよね。
インドネシア風は、下味をしっかりつけます。まずコリアンダー。種を粉にしたスパイスで、かんきつっぽい爽やかさが特徴です。
ニンニク、生姜、玉ネギもたっぷり入れます。そしてそして、ピーナッツ。ミキサーで粉にしてペーストに加えます。ピーナッツのコクと香りは、いかにもインドネシアの風味ですね。焼肉サテの甘いピーナッツソースを思い出して下さい。
さて、インドネシア風。こうして下味を含ませる際には、いったん鍋で加熱します。生のままよりも、肉の中まで味がよく染みていきます。
そこまでが仕込み。オーダーが入ったら、これを中温の油でじっくり揚げ、サクサクに仕上げます。
これまでとちょっと違った風味の鶏の唐揚げ。ぜひお試し下さいね。
2014年10月10日
グリーンカレーのリッチな味わい
台風19号が近づいています。動きによっては臨時休業になるかもしれません。随時、ホームページでお知らせしていきます。なんとかそれてくれたら、と念じているのですが・・・ もちろん、今日は営業しています。
さてさて、今回はダメ押しのシークワサー話を。シークワサーは沖縄特産の小さな柑橘。
最近の記事で、アジアン汁なし牛肉麺とアーラミーバイの唐揚げに使っていることをご紹介しました。
今回は豆乳グリーンカレーです。
グリーンカレーは、グリーンカレーペーストにココナツミルクを入れて仕上げます。ももと庵ではグリーンカレーペーストを手作りし、そこに豆乳を加えて沖縄っぽいグリーンカレーに仕上げています。
沖縄っぽい、というのは、豆乳のもとの大豆は沖縄を代表する豆だから。ゆし豆腐やチャンプルーの豆腐を思い浮かべて下さい。大豆は沖縄の食に不可欠の素材ですね。
ところで、グリーンカレーの味を大きく左右するのがグリーンカレーペースト。そこに入っているのが、シークワサーの葉です。細い緑の葉が見えますか。
このシークワサーの葉が、コリアンダーの実などとともに、爽やかな柑橘系の香りを加えてくれます。
それにしても、グリーンカレーの味の組み立てって、すごいです。
魚醤の旨味、タマネギの甘み、唐辛子の辛さ、レモンの酸味といった基本の味のうえに、クミンやコリアンダーの実、生姜、柑橘の葉などの多彩な香りが元気よく走り回り、それらをココナツミルクや豆乳のうむを言わせない強いコクが包み込むー
アジアの味のリッチさには、脱帽です。
さてさて、今回はダメ押しのシークワサー話を。シークワサーは沖縄特産の小さな柑橘。
最近の記事で、アジアン汁なし牛肉麺とアーラミーバイの唐揚げに使っていることをご紹介しました。
今回は豆乳グリーンカレーです。
グリーンカレーは、グリーンカレーペーストにココナツミルクを入れて仕上げます。ももと庵ではグリーンカレーペーストを手作りし、そこに豆乳を加えて沖縄っぽいグリーンカレーに仕上げています。
沖縄っぽい、というのは、豆乳のもとの大豆は沖縄を代表する豆だから。ゆし豆腐やチャンプルーの豆腐を思い浮かべて下さい。大豆は沖縄の食に不可欠の素材ですね。
ところで、グリーンカレーの味を大きく左右するのがグリーンカレーペースト。そこに入っているのが、シークワサーの葉です。細い緑の葉が見えますか。
このシークワサーの葉が、コリアンダーの実などとともに、爽やかな柑橘系の香りを加えてくれます。
それにしても、グリーンカレーの味の組み立てって、すごいです。
魚醤の旨味、タマネギの甘み、唐辛子の辛さ、レモンの酸味といった基本の味のうえに、クミンやコリアンダーの実、生姜、柑橘の葉などの多彩な香りが元気よく走り回り、それらをココナツミルクや豆乳のうむを言わせない強いコクが包み込むー
アジアの味のリッチさには、脱帽です。
2012年10月09日
個性あふれるカレー香辛料たち
ことしは台風の当たり年のようです。それでも徐々に気温が下がり、だいぶ過ごしやすくなってきました。食欲も増す、というもの。
ももと庵のカレーの話をしましょうか。
カレーには実にいろいろな作り方があります。カレーの本家の南アジア、つまりインド、バングラデシュ、スリランカあたりだと、おかずの多くがカレーです。スパイスの調合から、入れる肉や野菜、豆などの材料、切り方、加熱方法まで、作り方はさまざま、いろいろ。
南アジアに近いタイやマレーシアなど、各国各地にご当地カレーとでも言うべきバリエーションがあります。明治以降にカレーが入ってきた日本にも日本式のカレーの作り方があったりします。
ももと庵のカレーは、インドのレシピに学んだオリジナル。主材料は豚ひき肉とナスなので、豚ひき肉とナスのカレーと呼んでもいいと思います。
さて、カレーをカレーにするのは、やはり香辛料。ももと庵では、いくつかの香辛料をブレンドして使っています。
まずコリアンダー。コリアンダーの生の葉は中国ではシャンツァイ、タイではパクチーです。カレーには普通は生の葉ではなく、実を使います。生葉の香りは好き嫌いが分かれるところですが、実の方は柑橘っぽい香り。爽やかです。
次は、うっちん。英語はターメリック。生姜の仲間で、生姜と同じように根を使います。カレーの黄色の正体がこれ。肝臓の薬として用いられます。香りはそれほど強くないですが、うっちん独特の、苦いとも、渋いとも言い難い不思議な味があります。
クミン。これもたいがいのカレーに入っています。沖縄ではタコライスの味付けには不可欠の香辛料で、独特の香りがあります。種ですから、その油分の中に、コクのある香りが含まれています。
カルダモン。クセのない、ひたすら爽快な香り。「インドでは、食後に口にカルダモンの実をそのまま含んでガリガリ噛んで口を爽やかにするんだ」。インド人のスパイス商が言っていました。写真はどアップになっていますが、現物は長さ1cmほどです。とても高価なスパイス。
フェヌグリーク。この香り、うまく言葉にできませんが、なんと申しましょうか、「昔なつかしい、ちょっと古びた昭和っぽいカレー屋さんに漂う香り」の感じ。実際にかいでみたら、このニュアンス、きっと伝わると思います。ただし、味はかなり苦い。全体を大人の味にしてくれますが、使い過ぎると大変なことになります。
みんながよく知っているシナモン。こういう甘系の香りが少し入ると、カレーがなんとなく「それっぽく」なってきます。
それぞれが強い個性をもった多彩な香辛料。これらをどうブレンドするかで、カレーの風味が大きく変わってきます。
こうした香辛料を、まずは油の中でじっくり加熱し、香りを高めていく、というのがカレー作りの初めの一歩。
その先は次回に。
ももと庵のカレーの話をしましょうか。
カレーには実にいろいろな作り方があります。カレーの本家の南アジア、つまりインド、バングラデシュ、スリランカあたりだと、おかずの多くがカレーです。スパイスの調合から、入れる肉や野菜、豆などの材料、切り方、加熱方法まで、作り方はさまざま、いろいろ。
南アジアに近いタイやマレーシアなど、各国各地にご当地カレーとでも言うべきバリエーションがあります。明治以降にカレーが入ってきた日本にも日本式のカレーの作り方があったりします。
ももと庵のカレーは、インドのレシピに学んだオリジナル。主材料は豚ひき肉とナスなので、豚ひき肉とナスのカレーと呼んでもいいと思います。
さて、カレーをカレーにするのは、やはり香辛料。ももと庵では、いくつかの香辛料をブレンドして使っています。
まずコリアンダー。コリアンダーの生の葉は中国ではシャンツァイ、タイではパクチーです。カレーには普通は生の葉ではなく、実を使います。生葉の香りは好き嫌いが分かれるところですが、実の方は柑橘っぽい香り。爽やかです。
次は、うっちん。英語はターメリック。生姜の仲間で、生姜と同じように根を使います。カレーの黄色の正体がこれ。肝臓の薬として用いられます。香りはそれほど強くないですが、うっちん独特の、苦いとも、渋いとも言い難い不思議な味があります。
クミン。これもたいがいのカレーに入っています。沖縄ではタコライスの味付けには不可欠の香辛料で、独特の香りがあります。種ですから、その油分の中に、コクのある香りが含まれています。
カルダモン。クセのない、ひたすら爽快な香り。「インドでは、食後に口にカルダモンの実をそのまま含んでガリガリ噛んで口を爽やかにするんだ」。インド人のスパイス商が言っていました。写真はどアップになっていますが、現物は長さ1cmほどです。とても高価なスパイス。
フェヌグリーク。この香り、うまく言葉にできませんが、なんと申しましょうか、「昔なつかしい、ちょっと古びた昭和っぽいカレー屋さんに漂う香り」の感じ。実際にかいでみたら、このニュアンス、きっと伝わると思います。ただし、味はかなり苦い。全体を大人の味にしてくれますが、使い過ぎると大変なことになります。
みんながよく知っているシナモン。こういう甘系の香りが少し入ると、カレーがなんとなく「それっぽく」なってきます。
それぞれが強い個性をもった多彩な香辛料。これらをどうブレンドするかで、カレーの風味が大きく変わってきます。
こうした香辛料を、まずは油の中でじっくり加熱し、香りを高めていく、というのがカレー作りの初めの一歩。
その先は次回に。
2010年03月14日
[第160話 食、南] コリアンダーたっぷりのペルー料理
生コリアンダーの葉をふんだんに使う南米ペルー家庭料理の店「ティティカカ」をご紹介。経営するのは、ペルー生まれの比嘉ルイスさん、マリーさん夫妻。ふるさとペルーの家庭の味を、両親の故郷沖縄で提供している。
沖縄移民は、ブラジルをはじめ、南米各地にたくさんいる。ブラジル移民帰国者が作るおやつの話は第47話で紹介した。ペルーも沖縄出身者とその子弟が多い。現在、ペルーに10万人いる日系人の7割は沖縄系。沖縄からペルーへの移住の歴史は古く、2006年には首都リマで「県人ペルー移住100周年記念式典」が盛大に開かれた。
ルイスさん、マリーさんの店ティティカカは、国際色豊かな沖縄市の一角にある。土日ともなれば、ペルー出身で沖縄在住の仲間がつどい、ふるさとの味に舌つづみを打つ。飾り気のない素朴な店内には、ペルーの人気歌手のビデオが流れ、ペルー直輸入の食材が並ぶ。
冒頭の写真が、アロス・コン・ポヨ、つまり鶏のせごはん。炭火焼きの鶏肉が、緑色のごはんの上に乗っている。この緑色が生コリアンダーの葉。さわやかな香りとかすかな苦みが特徴だ。このごはんは、生コリアンダーの葉と鶏肉、玉ネギ、ニンニクがたっぷり入った炊き込みごはん。結婚式などにもよく出るメニューという。
アロス・コン・ポヨのポヨ、つまり炭火焼の鶏が、実は、ティティカカの一番人気メニューらしい。25種類のスパイスを入れた漬け汁に前日から漬け込み、味をしみ込ませて、炭火でじっくりと焼く。パサつきがちなフライドチキンと違い、しっとりジューシー。炭火焼きの香りがたまらない。
こちらはセビッチェ・ペスカード、つまり魚のマリネ。白身の生魚にタマネギ、ニンニク、セロリといった芳香を放つ野菜類と生コリアンダーを混ぜ、レモン汁を注いで漬け込んだもの。香味野菜群が、独特の強いインパクトを醸し出す。
コハダやママカリのような魚の酢漬けが好きで、かつ、ネギ、ニンニクに目がないという人には最高だろう。ただし、ティティカカでは、セビッチェは土日限定メニュー。
最後にエストファド・デ・カルネとフリフォーレス。エストファド・デ・カルネは牛肉のシチュー。ごらんのように緑色をしているのは、そう、生コリアンダーがたっぷり入るから。トマト仕立てのビーフシチューよりも全体にさわやかな感じになっているのは、やはり生コリアンダーのせいだろう。
牛肉の相方を務めるフリフォーレスはマメ。マメの煮込みは、ペルーに限らず、中南米で広く食べられる。形が崩れるくらいコトコト煮込んだ豆と、炊いた白いごはんの組み合わせが多い。
国や地域によって使われる豆に違いがある。小豆のようなフリフォーレスも見かけるが、ペルーでは、この白いカナリオ豆が使われるという。よく煮ると、金時豆を煮た時のように粘りが出る。
目に鮮やかな紫色の飲み物は、チチャ・モラーダ。紫色のトウモロコシをゆでて色素を煮出し、レモンと砂糖などを加えたもの。赤ワインのような色合いだが、体によいポリフェノールはそのワインよりもずっと多く含まれているらしい。ちなみに、チチャは、同じトウモロコシを発酵させた地酒だが、チチャ・モラーダは発酵過程はない。アルコール分を全く含まないソフトドリンク。
ルイスさんの両親は本部町、マリーさんの両親は那覇市の出身。二人はリマで育った。日本に来て、初めは川崎市で働いていたが、3人の子供たちがいずれも日本の大学を無事卒業。子育てが一段落したのを機に、昨年、両親のふるさと沖縄でティティカカを開いた。
ティティカカは沖縄市中央1-23-16、090-1344-3688、火曜定休。
沖縄移民は、ブラジルをはじめ、南米各地にたくさんいる。ブラジル移民帰国者が作るおやつの話は第47話で紹介した。ペルーも沖縄出身者とその子弟が多い。現在、ペルーに10万人いる日系人の7割は沖縄系。沖縄からペルーへの移住の歴史は古く、2006年には首都リマで「県人ペルー移住100周年記念式典」が盛大に開かれた。
ルイスさん、マリーさんの店ティティカカは、国際色豊かな沖縄市の一角にある。土日ともなれば、ペルー出身で沖縄在住の仲間がつどい、ふるさとの味に舌つづみを打つ。飾り気のない素朴な店内には、ペルーの人気歌手のビデオが流れ、ペルー直輸入の食材が並ぶ。
冒頭の写真が、アロス・コン・ポヨ、つまり鶏のせごはん。炭火焼きの鶏肉が、緑色のごはんの上に乗っている。この緑色が生コリアンダーの葉。さわやかな香りとかすかな苦みが特徴だ。このごはんは、生コリアンダーの葉と鶏肉、玉ネギ、ニンニクがたっぷり入った炊き込みごはん。結婚式などにもよく出るメニューという。
アロス・コン・ポヨのポヨ、つまり炭火焼の鶏が、実は、ティティカカの一番人気メニューらしい。25種類のスパイスを入れた漬け汁に前日から漬け込み、味をしみ込ませて、炭火でじっくりと焼く。パサつきがちなフライドチキンと違い、しっとりジューシー。炭火焼きの香りがたまらない。
こちらはセビッチェ・ペスカード、つまり魚のマリネ。白身の生魚にタマネギ、ニンニク、セロリといった芳香を放つ野菜類と生コリアンダーを混ぜ、レモン汁を注いで漬け込んだもの。香味野菜群が、独特の強いインパクトを醸し出す。
コハダやママカリのような魚の酢漬けが好きで、かつ、ネギ、ニンニクに目がないという人には最高だろう。ただし、ティティカカでは、セビッチェは土日限定メニュー。
最後にエストファド・デ・カルネとフリフォーレス。エストファド・デ・カルネは牛肉のシチュー。ごらんのように緑色をしているのは、そう、生コリアンダーがたっぷり入るから。トマト仕立てのビーフシチューよりも全体にさわやかな感じになっているのは、やはり生コリアンダーのせいだろう。
牛肉の相方を務めるフリフォーレスはマメ。マメの煮込みは、ペルーに限らず、中南米で広く食べられる。形が崩れるくらいコトコト煮込んだ豆と、炊いた白いごはんの組み合わせが多い。
国や地域によって使われる豆に違いがある。小豆のようなフリフォーレスも見かけるが、ペルーでは、この白いカナリオ豆が使われるという。よく煮ると、金時豆を煮た時のように粘りが出る。
目に鮮やかな紫色の飲み物は、チチャ・モラーダ。紫色のトウモロコシをゆでて色素を煮出し、レモンと砂糖などを加えたもの。赤ワインのような色合いだが、体によいポリフェノールはそのワインよりもずっと多く含まれているらしい。ちなみに、チチャは、同じトウモロコシを発酵させた地酒だが、チチャ・モラーダは発酵過程はない。アルコール分を全く含まないソフトドリンク。
ルイスさんの両親は本部町、マリーさんの両親は那覇市の出身。二人はリマで育った。日本に来て、初めは川崎市で働いていたが、3人の子供たちがいずれも日本の大学を無事卒業。子育てが一段落したのを機に、昨年、両親のふるさと沖縄でティティカカを開いた。
ティティカカは沖縄市中央1-23-16、090-1344-3688、火曜定休。