ジュース

2008年11月02日

[第84話 食] ジュースで楽しむゴーヤー

 ゴーヤーの季節も終わりかけている。とはいえ、沖縄はまだ最高気温が29度などという日があるので、ゴーヤーが魅力に感じられる。今回はゴーヤージュースのおいしい店を2軒ご紹介。ゴーヤーの苦みは、旨味、塩気、甘味、酸味、辛みなどと上手に組み合わせるとさらにおいしくなるが、苦みを含んだ組み合わせは、ピタリとバランスをとるのが難しい。

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 まずは、20年以上も前からゴーヤーをジュースにして出してきた可否館から。店名はコーヒーカンと読む。可否館のゴーヤージュースは、1杯1杯、手ですりおろして作る。実際、ゴーヤージュースを注文すると、厨房でゴーヤーをおろすサクサクシリシリという音が聞こえてくる。

 レモン汁を加えるのがポイント。シロップは別添えにして出す。そのまま飲むと、うまみ、酸味、苦みの3つがちょうどよく釣り合っていて、とてもおいしい。試したことはないが、これに少し塩を加えて飲んでもおいしいのではないか。もちろん、一緒に出されるシロップを加えて「あまずっぱ苦い」味にしてもいける。1杯700円。

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 このゴーヤージュースによく合うメニューは、焼きサンドイッチ。可否館は、ランチタイムに飲み物とセットで焼きサンドイッチを出すが、これがパリパリサクサクでおいしい。卵、カボチャ、チーズ、ツナの4つの中身が楽しめる。ランチは、これに果物とあまがしのデザートがついて1100円(飲み物代込み)。

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 可否館は那覇の久茂地で24年間営業し、8年前に南風原の現在の場所に移った。那覇時代と変わらない民芸調の店内にはクラシックが流れ、落ち着いた雰囲気を醸し出す。飾られている陶器などを眺めるのも楽しい。

 所は全く変わって、那覇の開南にある農連市場。農家が持ち込む新鮮な野菜が安い。牧志の公設市場などと違って、全く観光化されていない素朴そのものの場所。昔の沖縄にタイムスリップしたような空間、といえば雰囲気が少しは伝わるだろうか。午前2時から4時くらいの間に農家が野菜を持ってくる。飲食店や弁当屋が買い付けに訪れるピークタイムが午前4時から6時くらいまで。6時をすぎれば落ち着く。

 その農連市場の中には、小さな飲食店がいくつかある。「コーヒー玉(たま)」では、ゴーヤージュースが人気だ。玉のゴーヤージュースはリンゴジュースを合わせてあるので、優しい味。もちろんゴーヤーの苦みは生きているが、リンゴのおかげでマイルドになっていて、飲みやすい。1杯200円。

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 リンゴジュースはクセがなく、うまみがしっかりあるせいか、他のジュースとブレンドしてミックスジュースを作ることも多い。例えば「ライチ」「パッション」などの名前が一番大きく書かれているジュースの成分をよく見ると、リンゴジュースが入っていることがよくある。玉のゴーヤージュースも、リンゴジュースがブレンドされているから、この穏やかな味になるのだろう。

 玉には、よもぎジュース、という上級編もある。写真の右奥がそれ。こちらは水以外は何も入っていないので、かなり強烈。一世を風靡した「うーん、まずい、もう1杯」のコピーを思い出す。確かに、体にはよさそう。常連客の中には、よもぎジュースで高血圧が落ち着いた、という人もいるらしい。

 玉のサンドイッチは素朴なトーストサンド。何とも優しいお母さんの味がする。1つ150円と安い。早朝の農連市場では、コーヒーやゴーヤージュースとサンドイッチで腹ごしらえをする人が入れ替わり立ち代わり玉にやってくる。

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 ゴーヤーはビタミンCをたっぷり含んでいる。文部科学省の食品成分表によると、ゴーヤーは100g中76mg。ちなみにレモン果汁は100g中50mg。ビタミンCは水に溶けやすい。チャンプルーはいためものなので、溶出は少ないが、例えばゴーヤーを薄切りにしてゆでたら、ゆで汁の中にビタミンCがかなり出てしまう。ジュースにして残さず飲めば、ビタミンCは全部摂れることになる。

 可否館は南風原町字新川48-7、098-882-7856、12:00から開店。火曜休。コーヒー玉は那覇市樋川2-12-8、農連市場の照屋漆器店の近く、上原ミートの向かい。早朝5時頃から夕方4時頃まで開いている。ほとんど無休。

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2008年03月01日

[第43話 食] パッションフルーツの100%果汁

 パッションフルーツ、といえば、鮮烈な香りが自慢のトロピカルフルーツ。沖縄でも各地で生産されている。そのパッションフルーツ100%ジュースの話題を。

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 パッションフルーツは、生なら最高の香りが楽しめるが、種の周りの果肉と少量のジュースをちょっと食べるだけなのが、上品というか、はっきり言えばやや物足りない感じが残る。香りがあまりに鮮烈だから、それはそれで満足はするのだが、グイグイっとジュースを飲んでみたいという欲求はかなえられない。生の場合は種ごと食べることになるので、種の食感が苦手、という人もいるだろう。

 パッションフルーツのジュースはいろいろ出ている。ただ、その多くがリンゴジュースやブドウジュースなどとのブレンド。味はリンゴやブドウで香りはパッション、という役割分担かもしれない。もちろん、それはそれでうまい。でも、パッションが大好きな人はパッションだけのジュースはないのかな、などと思ったりする。

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 恩納村の字南恩納。リゾートホテル通りのおひざ元、人口760人ほどのこの集落で、地域おこし協議会の加工部会が、とびきりのパッションフルーツ100%ジュースを3年がかりで開発した。

 ジュースといえば、果物の汁を絞っただけ、と思うかもしれないが、絞っただけでは商品にならない。特にパッションフルーツの場合は、果汁を含んだ果肉が少ないから、うまく果汁を絞りとるにも技術がいるし、殺菌などのための加熱処理でも、ひとつ間違えばせっかくの香りがだいなしになったり、のどごしが悪くなったりする。奥が深いのだ。

 加工部会長の屋宜ハツ子さんら8人のメンバーは、県の農業改良普及センターや農業研究センターの支援を得ながら、こうした一つひとつの問題をクリアしていった。ただし、まゆ根にしわを寄せてという感じは全くない。「本当に楽しいですよー」と話すハツ子さんの極上の笑顔からは、♪がたくさん飛び出してきた。

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 パッションフルーツの果汁はかなり強いので、この100%ジュースはそのままではなく、水で3倍に薄めて飲む。価格は300ccで945円。高いと思うかもしれないが、この小さなびんにパッションフルーツ40個分の果汁が入っていることを考えれば、むしろ安いのではないか。

 このパッションフルーツジュース、今のところ、恩納村仲泊にある「おんなの駅なかゆくい市場」でしか手に入らない。昨年7月に発売を始め、これまでに1500本売れた。なかなかの人気商品といっていい。

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 徹底して品質にこだわり、あせって販路拡大に走ることなく、できる範囲で生産する―。ハツ子さんたちは、まさに高品質農産加工品開発の王道を歩んでいるといえそうだ。

 おんなの駅なかゆくい市場は、恩納村字仲泊1656-9、電話098-964-1188。営業は10:00から19:00まで。国道58号線をはさんで、ホテル「ルネサンスリゾートオキナワ」の反対側、恩納村博物館の隣り。

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