タイ

2013年05月09日

豆乳グリーンカレー、始めました

 人気のグリーンカレーを始めました。タイカレーの代表格であるグリーンカレー。最近はレトルトの商品まで出回っているほどで、日本でもだいぶポピュラーになってきた感じです。

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 ももと庵では、ココナツミルクの代わりに豆乳で仕上げました。豆乳の豊かなコクが、グリーンカレーペーストの鮮烈な味と香りをうまく包み込んでくれます。東アジア版グリーンカレー、といったところでしょうか。

 沖縄はかつては大豆が各地で生産されていました。ココヤシが実るにはやや寒い沖縄ですから、ココナルミルクよりはむしろ豆乳の方が沖縄っぽいといえるかもしれません。

 グリーンカレーの味の土台になるグリーンカレーペーストはもちろん自家製。沖縄のシークワサーの葉などを刻んで入れ、柑橘系の香りを強調しました。

 従来からある「豚ひき肉となすのカレー」は、スパイスを効かせながらも、辛さは抑えてマイルドにしていますが、グリーンカレーはだいぶ辛く仕上げています。大辛と中辛の2つからお選び下さい。

 大辛は、タイのグリーンカレーには及びませんが、それに迫る辛さです。

 中辛は、大辛に比べればマイルド。豚ひき肉となすのカレーよりは辛いです。初めての方はまず中辛をお試しいただくのがいいかもしれません。

 沖縄県産鶏肉を使用。ブロッコリーとバジルの葉をあしらっています。

 サラダや副菜、ミニデザート、コーヒーまたは紅茶がついて1050円です。

 うま味と酸味と甘味と辛味がいっぺんに迫ってくる、クセになる味と香り。ぜひお試し下さい。




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2013年01月24日

米粉加工品を作る匠の技を目撃

 米粉のおやつを作る現場を、ラオスの首都ビエンチャンで見る機会がありました。

 屋台の女性は、おもむろに米粉を水に溶いたものを円筒形の上に貼った布のうえに広げます。筒の下には鍋が火にかけられていて、布からは蒸気が上がっています。

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 薄く広げられた米粉液は、少しすると蒸されて固まります。それをへらのようなものではがします。水分の多い、柔らかい米粉のクレープみたいなものなので、慎重にはがさないと、すぐに破けてしまいそうです。

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 これに、ひき肉で作ったあんをはさみ、くるくると巻いて、一丁上がり。

 前回紹介した米粉のおやつも、みな蒸されていたようでした。このラオスと同じ方法で蒸すかどうかは分かりませんが、蒸す、というのが、米粉おやつの基本であることは間違いなさそうです。

 米粉液は、蒸すとヒロヒロした柔らかい食感になります。その後の展開はどうにでもなります。前回のベトナムのおやつのように、ほとんど味らしい味をつけず、米粉生地の食感と米そのものの味を楽しむ感じのものもあれば、今回のラオスのひき肉巻きのように、しっかり味のついたあんを入れることもあるわけです。

 蒸しとは違うのですが、タイで米粉を扱う「匠の技」を見ました。

 この女性、右手で、米粉の生地をつかんで、鉄板の上にその生地の玉を一瞬、貼り付けます。そうすると、ごく薄い生地が鉄板に残ります。それがすぐに焼け、向こうの男性がそれをはがしていきます。

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 女性の生地玉の取り扱い方が見事。玉は直径20cmくらいあるのですが、その白いボールを片手で下向きにボヨンボヨンさせながら、鉄板の上にチャっとつけてすぐ引き上げ、また隣にもチャッとつけてすぐ引き上げます。

 手を下向きにしているので、当然、生地も下に向いています。のろのろしていると、生地が下に落ちてしまうので、手早く動かさねばなりません。男性のはがすタイミングも重要で、2人の呼吸が合わないと量産のリズムが狂ってしまいます。

 この薄焼き、どう食べるのかは分かりませんでしたが、2人の動きと白い生地玉の動きが面白いので、しばし見とれてしまいました。


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2013年01月12日

米粉文化が日本にない理由

 アジアの米は、ごはん以外にもいろいろ加工されます。その代表格が麺。米麺については、ベトナムの麺を例に、去年、このブログで取り上げました。

 フォーは薄さが身上のベトナム北部のヒラヒラ平麺。牛肉をのせた温かい汁麺が定番です。ブンは細くて柔らかく、断面が丸い麺。たれをかけて汁なし麺で食べたり、鍋で鍋材料と一緒に食べたりします。フーティウは細いけれどもややコシがあって断面が四角い麺。クメール人がもたらしたと言われる南部の麺で、温かい汁麺で食べることが多いようです。

 タイだと、センミー、センレック、センヤイのトリオ。屋台の麺屋ではこの3つの中から好きな麺を選ぶことになります。センミーは相当細く、センレックはフォーくらいの平麺。センヤイはさらに幅が広がって、麺というより、ひらひらのパスタみたいな感じです。写真はセンヤイ。

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 センヤイはパスタみたい、と書きましたが、こんなのもあります。ベトナムの市場で見かけたまさにパスタ。中央左の白と黄色のもの、奥のマカロニのようなものは、すべて米の加工品です。女性が手にしているパッケージに英語でマカロニと書かれていますね。

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 ところで、東南アジアでこれだけ米麺が発達したのに、東北アジアの米どころである日本には、沖縄を含めて、米の麺はほとんどありません。麺といえば、うどんでもそうめんでもみな小麦。どうしてこれほど違いが大きいのでしょうか。

 ひとつ、こういう説があります。

 アジアのインディカ米は細長いので、精米の際に砕米がたくさん出ます。これに対して、日本で食べられている丸い米の場合は、割れにくい。ヌカは出ますが、砕米がたくさん出るようなことはありません。これがインディカ米の場合はそうはいかず、どうしても砕米が多くなり、それを利用した米粉文化が自然に発達した、というわけです。

 目の前に砕米がたくさん出れば、それを利用しようとして、砕米をさらに細かくした米粉文化が自然に発達したのかもしれませんね。


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2012年09月04日

香ばしい揚げニンニク

 ももと膳の冷しゃぶには、きつね色の小さな粒が、頂上付近にパラパラとまかれています。これ、揚げたニンニク。口に含むと、なんともいえない香ばしさが食欲をそそります。

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 沖縄県民は、総じてニンニク大好き。中華食堂ではない泡盛居酒屋に「ニンニク餃子」がメニューとしてよく置かれたりしています。ひとくち頬張ると、ニンニクの味のみ、と言っていいくらいの強烈さ。鶏の丸焼きでも「ガーリックチキン」が人気です。でも、揚げニンニクが使われているのはあまり見かけません。

 ニンニクは、アジアはもちろん、欧米でもアフリカでも中南米でも人気です。21世紀の人類のプラットフォーム的アイテムは、結局、iPhoneとニンニクの2つに集約されるのかもしれません(笑)。

 東南アジアでは、揚げニンニクをよく料理に使います。各地のローカル市場に行くと、半加工ずみ素材みたいなものを売っている店があって、揚げたニンニクとか、揚げたタマネギをビニル袋に入れて並べています。写真はラオスの市場で見かけた揚げニンニク(左)と揚げタマネギ(右)。

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 この揚げニンニクや揚げタマネギ、作るのは意外に大変です。材料の皮をむいて切って揚げるだけなんですが、水分をちゃんと抜くにはかなりの時間がかかります。あわてると焦がしてしまうので、油の温度管理もうまくやらないと。

 しかも、というか、当然というか、出来上がりは、最初の原材料に比べると、ほんのちょっとにしかなりません。あんなに苦労したのに、たったこれっぽっち?! 水分がみんな飛んでしまうので、かさがどうしてもぐっと減るんです。

 そんなことなので、アジアの主婦たちも、自分で作ることもあるけど、面倒な時は市場で買うことになります。

 ベトナム、タイ、ラオスあたりは汁めんをよく食べますが、この揚げニンニクがトッピングされていることも多いです。写真はラオス。なんともいえない香ばしさに脱帽です。

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2012年08月30日

魚醤とスクガラス

 ももと膳の冷しゃぶには、中華だれとアジアだれの2つが添えられています。この写真ではわかりづらいですが、おちょこのような器が2つ並んでいますね、その左がアジアだれ、右が中華だれ。

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 中華だれは、酢醤油のベースに、にんにく+生姜+ねぎの黄金のトリオが加わります。醤油の味とねぎ、生姜、にんにくの風味は、おなじみの味と香りですね。

 もう一つのアジアだれは、魚醤がベース。魚醤はイワシなどを塩漬けにして出てくるエキスを熟成させた液体調味料です。タイのナンプラー、ベトナムのヌクマムと言えば、日本でもよく知られています。

 魚醤にも、一番搾りとか、二番搾りがあって、もちろん最高級は一番搾りなのですが、二番搾りとブレンドすることで、二番搾りも十分おいしく食べることができるようになります。

 ベトナムでもタイでも、イワシを塩で漬け込んだだけの昔ながらの魚醤ばかりでなく、工業的に作られて人工的に味付けされた安価な「魚醤風調味料」も広く出回っていますので、注意して選ばないといけません。

 日本にも秋田の「しょっつる」など、各地に魚醤があります。沖縄には、魚醤と呼ばれる製品はありませんが、よく似たもの、というか、事実上これは魚醤だ、といえるものがあります。

 それはスクガラスを漬けた汁です。最近のスクガラスは観光みやげ用に透明な液に浸かっていますが、あれはほとんどただの塩水で、うまみはありません。本当のスクガラスの汁はうす茶色に濁っていて、見栄えはよくないのですが、魚のエキスですから、うまみの固まり。魚醤そのものです。

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 以前、スクガラスの汁でソーメンチャンプルーを作ってみたことがあります。この時は、漬け汁だけでなく、魚本体も使いましたが、実においしかった。

 魚醤はうまみの固まりですが、発酵した独特の臭いがあるので、好き嫌いが分かれることも。ももと庵では、いったん煮切って臭みを飛ばしてから、酢や砂糖と合わせています。にんにく、少量の唐辛子に加え、ニラのみじん切りがいい香りを出してくれます。

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2012年01月01日

体全部でタイを大好きに

沖縄を創る人 第28回
アイ・シー・ネット(株)コンサルタント 平良那愛さん(上)


 政府や国際機関が、開発途上国でさまざまな支援事業を行うODAプロジェクト。その現場を担うのが途上国開発コンサルタントと呼ばれる人々だ。平良さんは、専門の教育・人材育成に関するプロジェクトのスタッフや調査員として、途上国の現場で働いている。

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 平良さんは浦添の出身。中学3年から高校3年までの間は、父の転勤に伴って宮崎で過ごし、大学は首都圏へ。大学時代に、タイの学校で高校生に日本語を教えるボランティアをやったのが途上国との付き合いの始まりだった。

 先輩の勧めでボランティアに応募した。赴任して1カ月半ほどしたある夜。ベッドで、突然、とめどなく涙があふれてきた。

 「見るもの聞くもの、タイのすべてが素晴らしいと感じながら毎日を過ごしていました。五感全部が反応していたんですね。それこそ、臭いにも、味にも」

 感動のシャワーを毎日浴びていたのが徐々にたまってきて、それが、大粒の涙になってあふれ出たのだった。体全部でタイが心底好きになってしまったらしい。

 タイで働きたい―。大学卒業後は、とにかくタイで働く道はないか、そればかり考えた。

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 ボランティアで教えていたあの学校に働き口がないか。大学の恩師が「聞いてみたらいいんじゃないか」と言った。そううまい話はないだろうとは思ったが、ダメもとで電話をかけてみた。

 「仕事の口、何かありますかって聞いたら、ちょうどあるよ、って言われたんです」

 日本語教育のカリキュラムがなかったので作ってほしい、とのこと。うそのようなラッキーな話だった。二つ返事で引き受けた。

 タイでの教師生活は充実していた。赴任先の大学の附属学校は小中高一貫教育の完全独立採算で、学校の経費はすべて親が支払う授業料で賄われていた。つまり授業料はとても高く、それが払える富裕層の子弟が集まる学校だった。親の中には、リゾート地で名高いプーケット島やサムイ島に5つ星ホテルを何軒も経営している人もいた。

 充実した毎日だったが、時が経つにつれて、異なる世界をかいま見るようになった。きらびやかなデパートの入口には体の不自由な人が座り込んでいた。学校の近くにはスラム街もあった。経済成長著しいタイとはいえ、貧富の格差はまだまだ大きく、恵まれない境遇にいる人もたくさんいた。

 「いろいろな人に、どう思う?って聞いてみたんです」

 答えはさまざまだったが、仏教国タイでは、厳しい生活を強いられている人はそういう運命にある、という運命論を語る人が多かった。平良さんは、そういう受け止め方にどこか違和感を感じた。

 「このままここにいるのかな。ちょっと違うかな」。平良さんは自問し始めた。

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 2年間のタイでの教師生活を終えた後、平良さんは改めて途上国の社会開発を学び直そうとオーストラリアの大学院に留学した。そこではマイノリティーと開発の接点を研究した。

 「やはり沖縄出身であることがマイノリティーに関心を持つ背景にあったと思います」と平良さん。

 宮崎時代には、いじめられたりすることはなかったが、「沖縄って裸足なんでしょう」と言われたりしたこともあった。別のクラスから好奇心で平良さんを見にくる生徒もいた。 

 大学院を修了して日本に戻ってから、結婚し、出産。出産の後まもなく、途上国の開発プロジェクトを受託するコンサルティング会社の門を叩いた。


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2011年11月13日

鍋の底知れぬバリエーション

沖縄とアジアの食 第9回 熱帯アジアの鍋(下)


 日本では鍋料理の鍋は、すきやきの鉄鍋などを除いて、土鍋が多い。土鍋はいかにも温かそう。アジアではほとんどステンレス製やアルミ製だった。ベトナム鍋も、タイすきの鍋も。ラオスの鍋もそうだった。

 暑い中では、涼しげな金属鍋が似合うかもしれない。前回の冒頭写真のようなタイプが普通だが、こんなのもある。

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 カウボーイハットのつばのように、翼が広がっていて、そこに材料を並べる。肉、レバー、エビ、イカ、それに各種野菜。食べたい材料を、適宜、中に入れていく。ブンなど、ここに乗りきらない材料は別皿で控えている。

 次は、前回のイカネギ鍋で出てきたパーティー銀皿風の鍋が再び登場する。この鍋は材料が相当変わっていて、イモのような甘くないバナナと肉、それにたっぷりの野菜。これらをどろどろの汁に入れて煮る。

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 これが意外にうまかった。絶妙のバランス。汁にはウッチン(ターメリック)が使われている。こうした複雑な味がどこからひねり出されてくるのか。ちょっと想像力が追いつかない。

 しかも、この鍋は、穀物系として、ブンではなく、なんとなんとフランスパンをめいめいの取り皿に入れ、鍋材料をお迎えする。はあ? フランスパン? と思ったが、パンの焼けた部分の味に、鍋の汁のうまみがピタリと寄り添って、うまい。こんな味の組み立て、一体どうやって思いつくのか。

 変わった形の鍋、という意味ではこちらを紹介しないわけにはいかない。タイではムーカタ、ラオスではシンダードと呼ばれている鍋料理。写真はラオス北部。

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 ジンギスカン鍋とよく似た真ん中の盛り上がった部分にラードを乗せて脂を溶かしてから、主に豚肉を焼いて、焼肉として食べる。一方、下の溝の部分にはダシがはられていて、そこにエビや野菜、キノコ、はるさめなどを入れて楽しむ。ダシに味はついているが、ピーナツ味噌、ライム、唐辛子、刻みニンニクなどを足す。

 「首都のビエンチャンでは、10年くらい前から見かけるようになりましたね。上で焼いた肉の肉汁が下に入って、汁がうまくなるみたいです」とラオスの知人。ただし、食べ放題の安い店だと、汁は顆粒コンソメだったりする。

 これが「何でもあり」のこだわりのない欲張り鍋の代表格なら、その正反対の鍋もある。ベトナム中部で遭遇したストイックな鍋。

 鍋はありふれた形だが、中身がすごい。すごい、といっても、材料は2つだけ。地鶏のぶつ切りとゴーヤーの葉。地鶏の強いダシに、ゴーヤーの苦い葉をどかどか入れて、もりもり食べる。

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 ほとんど薬膳の世界とも言うべきストイックな鍋だが、これがまたうまい。当然ながら、苦い。ゴーヤー葉の強烈な苦さが、地鶏の強い旨味に抱きかかえられて、うまい。デトックスになりそうな、そんなありがたい鍋だった。

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 この店は高床式の東屋。地鶏料理の専門店なのだという。

 アジア鍋は、底知れぬバリエーションを見せてくれる。その盛り上がりぶりは、とどまるところを知らない。

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2009年06月07日

[第120話 食] 暑さを乗り切るタイのサラダ

 ことしの沖縄はカラ梅雨だが、雨が少なくても、夏に向かって気温はじわじわ上がっていく。暑い時には、酸っぱくて辛くて香りの強いものが一番。酸っぱくて辛くて香りが強い、と言えば、そう、タイ料理のサラダがあるじゃないか。

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 南城市玉城のタイ料理店「シャム」。バンコク出身の井上タノームワンさんが、ご主人の料理人井上康さんとともに、本格的で繊細なタイ料理を作り続けている人気店だ。

 1皿目は、エビの香草サラダ「クンプラー」(900円)。ゆでたエビとレタスが、ナンプラーとライムのドレッシングであえてある。ライムはレモンよりも一段と引き締まった酸味があり、香りも鋭い。

 これに、コリアンダー、ミント、エシャロット、青ネギといった、まさに香り立つ面々が加わる。さらに、爽快さをプラスする柑橘系の香りが2つ入って、皿はいよいよ香りワールドに。

 その一つはバイマックルー。コブミカンの葉だ。生のバイマックルーを糸のように細く切って散らしてある。柑橘特有の爽やかな香りが立ち、かすかな苦みが全体の味に奥行きを与える。

 もう一つの柑橘系は、レモングラス。茎の根元の白い部分は柔らかいので、細く刻めば生でサラダに入れられる。タノームワンさんは自分でレモングラスを栽培している。沖縄の気温なら、雨さえ降ればレモングラスはよく育つ。

 ヨーロッパのドレッシングは、酢の酸味に加えて、油の甘味と潤滑の力で、ガサガサした野菜をおいしくするわけだが、タイのドレッシングは油をほとんど使わない。魚醤であるナンプラーの深いコクとライムやレモン果汁の鮮烈な酸味、全体の味を丸くする少量の砂糖だけで味が見事にまとまり、野菜が十分おいしくなる。
 
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 2皿目は、細切り青パパイヤのサラダ「ソムタム」(650円)。第92話で紹介したように、沖縄では普通、青パパイヤは加熱して食べるが、ソムタムの青パパイヤは生で。

 ソムタムの味の組み立ては、1皿目のクンプラーとは違う。ベースはクンプラーとよく似たナンプラー+レモンだが、ソムタムではこれに生ニンニクのみじん切りがたっぷり入る。そこに刻んだ干しえびが。トッピングにもさくらえびが乗っているので、えびの香りはかなり強く、生ニンニクと互角の闘い。両横綱の陰で、刻んだピーナツがひっそりと自己主張している。爽快さが特徴のクンプラーと対照的に、ソムタムは濃厚な力強さが売り。

 主役のパパイヤは、味も香りもほとんどないが、繊維は強い。つまり「歯ごたえ担当」。ドレッシングの味が強いので、歯ごたえも強くないとバランスしない。青パパイヤには、脂肪燃焼機能のあるパパインが豊富に含まれているから、「ダイエット担当」でもある。


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 3皿目は、牛肉が入って食べ応え十分のおかずサラダ、「ヤム・ヌア」(900円)。ナンプラー+レモンの土台に、ミント、コリアンダー、ネギがのる。香りは、1皿目のクンプラーに近い。柑橘系の香草はないが、ミントがやや多めで、それが牛肉とトマトによく合う。脂気のない赤身の牛肉は、このナンプラーのドレッシングであえると、とてもおいしく感じられる。

 以上のサラダ3種は、シャムではディナーメニューだが、材料があれば昼時でも作ってくれる。事前に電話で予約注文しておけば確実だろう。どれも唐辛子がかなり効いているので、苦手な人は頼んで調節してもらうとよい。

 シャムは南城市玉城字富里136-1、098-948-3807。サラダだけでなく、カレーやパッタイ、トムヤムクンなど、タイ料理の定番メニューも豊富。南城市役所本庁舎のすぐ近く。月曜と第4日曜が定休。昼は11:30-14:30、夜は17:00-22:00の営業。

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