ニンニク

2015年01月02日

シンガポール風ソーキ骨汁でスタート

 新年おめでとうございます。全国的な寒波の影響で、沖縄も寒いお正月になりました。さてさて、1/4(日)スタートの新メニューを早速ご案内しましょう。

Sohki8L485


 沖縄でおなじみのソーキ骨のおつゆは、シンガポールでも大人気です。ソーキ骨はスペアリブ。ももと庵では、しっかりアジアンシリーズの第3弾として、シンガポール風のソーキ骨汁を1/4(日)からお出しします。

 寒い日にアツアツのソーキ骨の汁・・・たまりませんね。

 逆にシンガポールは周年30度を超す熱帯の街ですが、やはりアツアツの骨汁が人気なんです。

 さて、沖縄のソーキ骨のおつゆとシンガポール風はどこが違うかー

 一番違うのはニンニクの量でしょう。ニンニク大好きの沖縄ですが、ソーキ骨のおつゆにニンニクはあまり入れません。

 シンガポール式ではたっぷり入れます。まさしく、ガツンとニンニク。ニンニクと豚肉骨スープの織りなす濃厚なうまみをどうぞご堪能下さい。

Sohki7L485


 ニンニクの滋養強壮効果に加えて、シンガポールでは白コショウや数種類の漢方薬草を入れます。ももと庵は白コショウのほかに、当帰(トウキ)を入れました。当帰は血液循環を高める作用があり、婦人科系疾患の治療薬などによく使われているようです。

 ニンニク、白コショウ、当帰、それにタンパク質とビタミンB群たっぷりの豚肉。まさにスタミナスープです。酷暑のシンガポールで人気の理由は、このあたりにありそうですね。

SohkiSetL485


 シンガポール式で、つけダレを別に添えます。肉は箸で切れるほど柔らかいので、その肉をこのつけダレにつけながらお召し上がり下さい。ごはんによく合いますよ。

 骨汁のほかに、副菜が数皿、食後のミニデザート、それにコーヒーまたは紅茶がついて1190円と、かなりおトクなお値段になっています。

 新年の営業は1/4(日)午前11時から。スタッフ一同、たくさんのみなさまのご来店をお待ちしています。


bansyold at 15:00|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote

2013年07月17日

ももと庵のアジアンって?(下)

 前回は、ももと庵では、おいしいものが手に入る魚醤などは使うけど、沖縄で育てたレモングラスはいまイチなので、まだ使うのをためらっている、と書きました。

 これとは別に、ありふれた沖縄素材をアジア風にして使っているケースもよくあります。

AsiaDare2


 例えばニラ。沖縄語ではチリビラと言って、チャンプルーに入れたりしてよく食べますが、ももと庵では生のまま刻んで「ももと膳」のアジアだれに入れています。ニラの香りは薬味としても最高だからです。ニンニクともネギとも違う独特の香り。

 写真は、作りたてのアジアだれの「どアップ」写真。これから数日たって、色が少し落ち着いた頃が全体に味がなじんで、食べ頃です。

 ベトナムの生春巻でも、ニラを数本、生のまま巻いてありますよね。アジアではあんなふうにニラを生でも食べますけど、沖縄ではまずやりません。おそらく本土でも生ニラは食べないんじゃないでしょうか。

 あるいはニンニク。沖縄県民は本当にニンニク好きで、そのあたりはとってもアジアンなんですが、アジア各地のように揚げニンニクにすることは、なぜかありません。

 アジアの揚げニンニクは以前、このブログで紹介しましたが、どこに行っても見かけます。独特の香ばしさがあって、料理を引き立ててくれますので、ももと庵でも、ももと膳の冷しゃぶや豚しゃぶ素麺などに使っています。

 沖縄料理は、本土の料理と比べると、豚肉や島野菜、豆腐、かつおぶしなどがたっぷり使われ、しっかりした素材のうま味を感じさせますが、アジア各地の料理に比べると、味や香りはおとなしいと言えそうです。これに対して、アジア各地の料理は味や香りが鮮烈で、輪郭がくっきりしています。

 沖縄素材を中心に、無理なく手に入るおいしい素材を使い、沖縄を含めたアジア各地の調理技術を駆使して輪郭のくっきりした料理を作るー。

 ももと庵の料理をあえて言葉にするなら、こんな感じになるでしょうか。

 前回記事冒頭の問いへの答にはなっていないかもしれないですが。

bansyold at 09:42|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote

2012年10月14日

温度をめぐる水と油の激闘

 ももと庵式、カレーの作り方教室の続きです。

 油で香辛料の香りを立てたら、次に入れるのは、ニンニクと生姜。ニンニクと生姜は、どちらかといえば中華っぽい印象で、あまりカレーのイメージではないかもしれません。が、カレーには意外にたっぷり使うんです。いや、中華のタレなんかより、ずっとたくさん入れます。

 生姜とにんにくのそれぞれ印象的な写真と言えばこの2枚。生姜の方は再掲ですが、横に伸びていった結果がこれ。名護の屋我地島です。詳しくは過去記事をどうぞ。にんにくの写真は、ベトナムの市場で見たもの。名前を聞き取れませんでしたが、有名なにんにくの産地があるようで、そこの産とのことでした。小ぶりで、いかにも香りが強そう。

Shoga1

Ninniku1L


 カレーに、ニンニクと生姜を同じ量使うと、ニンニクの方は味のベースになって香りはあまり前面には出てきません。自己主張しない「縁の下の力持ち」になります。カレーの香辛料や生姜の方がニンニクより香りが強い、というのは「ニンニク=臭い」という常識をひっくり返しているようで、面白いですね。

 一方、生姜の鮮烈な香りは消えることなく、最後まで効き続けます。生姜くん、立派に強いです。

 さてさて、きょうの本題は「温度をめぐる水と油の闘い」です。

 ニンニクは水分が少ないので問題ないのですが、生姜を入れるとかなりの水気が入って油の温度が下がりますから、火を少し強めます。100度にしかならない水に負けないように、油の温度を少し高くするわけです。そうしないと香ばしくなりません。

 本場インドのレシピだと油の量が多いので、生姜くらいまでは問題にならないのですが、ももと庵式は油控えめなので、火力の調整で乗り切ります。

 「水と油」と言えば、互いに相容れないもの同士を表わしますが、カレー鍋の中では、温度を高めに保とうとする油と、温度を100度以下に下げようとする水がジュワジュワと激闘を演じています。

 ニンニク、生姜に続いてタマネギが入ると、さすがに鍋の中の水の量がドーンと増えるので、火をかなり強めて、できるだけ温度を下げないようにします。もちろん、火を強めれば焦げやすくなりますから、神経を使います。

 タマネギに透明感が出てきたら、次は肉。まだ鍋の中は「いためもの」であるべきで、「煮物」になってしまってはいけません。つまり、水気があまりない状態で肉をしっかりいためます。

 この「水と油の闘い」、5人分くらいまでなら、家庭のガスコンロでも十分な火力を送り込んで、乗り切ることができますが、大鍋で50人分とか100人分を作るような場合、業務用の大きなガスコンロでも火力が足りません。コックをめいっぱいひねって最大火力にしても、材料の全体量から見たらチョロチョロの火みたいなもの。弱い火力でやったのでは、水がどんどん出てしまいます。

 そんな時は、タマネギから後は、材料を小分けし、カレー大鍋と同時進行で、別の鍋で香ばしく焼き付けてから、カレー鍋に入れていくことになります。

 ここまでの香辛料、にんにく、生姜、タマネギ、肉のどれをとっても、100度以下の、つまり「ゆでる」「煮る」式で加熱したのと、120度とか130度での「いためる」「揚げる」式で加熱したのとでは、得られる風味、香ばしさがまるで違います。


bansyold at 00:00|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote

2012年09月04日

香ばしい揚げニンニク

 ももと膳の冷しゃぶには、きつね色の小さな粒が、頂上付近にパラパラとまかれています。これ、揚げたニンニク。口に含むと、なんともいえない香ばしさが食欲をそそります。

1 mmt ninniku


 沖縄県民は、総じてニンニク大好き。中華食堂ではない泡盛居酒屋に「ニンニク餃子」がメニューとしてよく置かれたりしています。ひとくち頬張ると、ニンニクの味のみ、と言っていいくらいの強烈さ。鶏の丸焼きでも「ガーリックチキン」が人気です。でも、揚げニンニクが使われているのはあまり見かけません。

 ニンニクは、アジアはもちろん、欧米でもアフリカでも中南米でも人気です。21世紀の人類のプラットフォーム的アイテムは、結局、iPhoneとニンニクの2つに集約されるのかもしれません(笑)。

 東南アジアでは、揚げニンニクをよく料理に使います。各地のローカル市場に行くと、半加工ずみ素材みたいなものを売っている店があって、揚げたニンニクとか、揚げたタマネギをビニル袋に入れて並べています。写真はラオスの市場で見かけた揚げニンニク(左)と揚げタマネギ(右)。

2 AgeNinniku2


 この揚げニンニクや揚げタマネギ、作るのは意外に大変です。材料の皮をむいて切って揚げるだけなんですが、水分をちゃんと抜くにはかなりの時間がかかります。あわてると焦がしてしまうので、油の温度管理もうまくやらないと。

 しかも、というか、当然というか、出来上がりは、最初の原材料に比べると、ほんのちょっとにしかなりません。あんなに苦労したのに、たったこれっぽっち?! 水分がみんな飛んでしまうので、かさがどうしてもぐっと減るんです。

 そんなことなので、アジアの主婦たちも、自分で作ることもあるけど、面倒な時は市場で買うことになります。

 ベトナム、タイ、ラオスあたりは汁めんをよく食べますが、この揚げニンニクがトッピングされていることも多いです。写真はラオス。なんともいえない香ばしさに脱帽です。

3 Ageninniku3



bansyold at 00:00|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote

2011年12月11日

バナナの葉に守られて発酵

沖縄とアジアの食 第13回 発酵ソーセージ

 前回までは魚の発酵食品についてつづってきた。今回は豚肉の発酵食品を取り上げよう。

NamaSsg15

 直径5cm、長さ8cmくらいの俵状の包み。バナナの葉で包まれている。これを開いていくとー

NamaSsg16

NamaSsg17

NamaSsg18

NamaSsg19


 幾重もの厳重なバナナの葉の中から、鮮やかなピンク色の、小さな肉の固まりが出てきた。華奢な印象。幅2cm、長さ4cm、厚さ1cmほど。ベトナムではネムチュア、ラオスではソムムーと呼ばれるこの発酵ソーセージが今回の主役だ。

 上の一連の写真とすぐ下の写真がラオスで見たもの。その下はベトナム。ベトナムの方がうまそうに見えるかもしれないが、味はほとんど同じ。ラオスでこの時食べたものは豚皮の配合が多かったように思う。

NamaSsg14,jpg

NamaSsg5L


 あるHPのレシピによると、発酵ソーセージの材料は次のようになっている。

豚肉赤身 1 ポンド、薄切り
塩 小さじ1
砂糖 小さじ2
魚醤 1/4 カップ
豚皮 4 オンス
ニンニク 3片(つぶしたもの)
サラダ油 大さじ2
焼いた米の粉 1/2 カップ
バナナの葉
ニンニク 2片(スライス)
赤唐辛子 1本(スライス)

 ポイントは、米粉を入れていること。前々回の魚の発酵食品を思い出していただきたい。米粉は、乳酸菌が増えるのに必要なエネルギーを提供する。乳酸によってこの発酵ソーセージがどのくらいの酸度になっているのか、実際に測ったわけではないが、だれが食べても酸味を感じる程度にはすっぱい。

 米粉以外には、豚皮、ニンニク、唐辛子が入る。唐辛子やニンニクは、まるで魔除けのように、ひとかけらが丸ごと入っていたりする。魔除けと書いたのは、ニンニクも唐辛子も、味だけでなく、その殺菌力に期待しているから。

 それにしても、厳重な包装だ。たんに中身を物理的に保護するためだけなら、もう少し省略してもいいだろう。厚ごろもの安い天ぷらみたい、なんていう悪口さえ聞こえてきそう。

 だが、実は、必要があって幾重にもバナナの葉を重ねているのだ。表面を外気に少しでもさらしたら、外からの微生物の攻撃で豚肉はすぐ腐敗してしまう。考えてみてほしい。熱帯の30度近い常温に生肉を置くのだ。よほど厳重に守らなければ、肉は腐敗菌にたちまちやられてしまう。そこで、バナナを何枚も重ねてまるで「ふとん蒸し」のようにする。

 バナナの葉の役割は、外気を物理的に遮断することだけではない。バナナの葉の表面には、天然のクモノスカビがたくさんついている。バナナの歯で幾重にも包むのは、腐敗菌との戦いで負けないようにするためにクモノスカビ歩兵師団を大量に送り込む意味がありそうだ。

 カビ、と聞いて「肉の敵じゃないのか」と思われるかもしれないが、クモノスカビの一部は、コウジカビと同様、人に利益をもたらす。バナナの葉のクモノスカビをスターターにする発酵食品はアジアにいろいろある。

 例えば、日本でもすっかりおなじみになったインドネシアの大豆発酵食品テンペがまさにそれ。納豆では、煮た大豆を稲ワラに包んで発酵させるが、テンペは、煮た大豆をバナナの葉に包む。バナナの葉のクモノスカビが発酵を進め、大豆をテンペに変えてくれる。

Bananaleaves


 発酵食品までいかずとも、バナナが豊富な地域では、バナナの葉をさまざまな形で腐敗防止に使う。バナナの葉は、鮮魚を売る時の下敷きにしたり、ちまきのようなお菓子を巻いて保存を図ったりもする。バナナの葉は、いってみれば「抗菌」包装資材として広く流通している。

 発酵ソーセージでは、バナナの葉の内側にも、また別の葉が巻かれている。芳香をつけるとともに、発酵促進に役立つ、とラオスの知人が教えてくれた。ベトナムではこの葉の情報を得られなかったが、ラオスではナンヨウユカン、別名アメダマノキと呼ばれる木の葉を使う。

NamaSsg2L


 発酵ソーセージは生で食べることもあれば、焼いて食べることもある。おやつとしてもおかずとしても食べるが、焼いたものはさらに味が際立って、モチ米やビールが欲しくなる。前々回の発酵した魚パーソムと同じく、少量口に入れれば十分おいしい。

 バナナにしっかり保護されて発酵した深い味。機会があればぜひお試しを。

 発酵ソーセージのさらに科学的な情報に興味がある方は、大妻女子大の大森正司教授アジアの発酵ソーセージに関する研究論文をいくつか出しているので、そちらをどうぞ。

bansyold at 00:00|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote

2007年11月06日

[第23話 南、食] 焼魚再発見―アンゴラ風アジの塩焼き

 新カテゴリー「南」を前回に続けてお届けする。今回は、琉球王国の貿易の舞台だった南シナ海からマラッカ海峡を抜けてインド洋を渡り、一気にアフリカまで行く。喜望峰を回った大西洋を北上したアンゴラが舞台。沖縄とも豚とも関係ないが、それはそれはおいしい南の話を仕入れたので、冷めないうちにアツアツをお伝えしたい。題して、アンゴラ風アジの塩焼き―。

AglSakana1

 能書きよりも、まずはその作り方からいこう。アンゴラ風アジの塩焼きは、たっぷりニンニクを使う。焼いた後はニンニク、ニンニクした味にはならず、ニンニクは裏方に回って深いうまみになるところが面白い。

 まず、すり込むニンニク塩ペーストを作る。ニンニクを入れ、叩いて大まかに砕いたら、塩を加え、ジャリジャリとよくすりつぶしていく。

AglSakana2

 今回はアジだが、脂がのった大きめのイワシが手に入ったら、ぜひ試していただきたい。サンマでもおそらくいけるし、タチウオなどでやってもおいしいかもしれない。とにかく脂がノリノリにのっていることが条件だ。

 魚の側面に、深さ4、5mmの切れ目を1、2本入れる。全体にニンニク塩ペーストをよくぬったうえで、この切れ目の中にもニンニク塩ペーストを詰める。これがコツ。

AglSakana3

 15分ほど室温にそのまま置いてニンニク塩をよくしみ込ませてから、炭火でじっくり焼く。都会のマンション暮らしの人はグリルかロースターで、となる。魚の厚さにもよるが、20分以上かけてゆっくりと焼きたい。

AglSakana4

 焼き上がりは、不思議なほどニンニクの突出した味がしない。ニンニク臭くもない。ニンニクは魚の中に入り込んで、魚の脂と一体になり、見事なうまみに変わっている。

 アンゴラは旧ポルトガル領。この塩焼きもポルトガルの料理技術が伝えられた結果だという。そう言えば、ポルトガルには名物のイワシの塩焼きがあった。

 アンゴラは、すぐ横をベンゲラ海流が北上する。アジ、タイセイヨウニシン、サバ、タチウオ、タイ、サワラ、イカ、タコなど、日本人にもおなじみの魚の宝庫。シイラやハタも上がる。もちろんアンゴラの人々は大の魚好きだ。

AglSakana5

 「こんなにおいしい塩焼きがあったのか」―。塩焼きの味はよく知っているはずの日本人が、驚きをもって再発見する塩焼き。一度お試しあれ。

bansyold at 00:00|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote