ムーチー

2014年05月20日

黄色い花びらが内側から

 ももと庵の庭の花、もう1回やりますね。今回もクイズ形式で。

 これは何でしょう。

Sannin1


 これは、沖縄検定の初級でしょうか。

 沖縄を代表する植物、サンニンです。

 サンニンと言えば、ムーチーで知っている方が多いかも。毎年、旧の12月8日に、沖縄では、サンニンの葉に包んだモチを蒸します。サンニンの香りがしみ込んだ柔らかくておいしいもちです。

 サンニンの香りの強い液には殺菌効果があるので、食品をサンニンに包むことが昔から広く行われてきたのでしょう。油に溶ける香り成分を抽出したアロマオイルや、それを練り込んだ石けんなども人気のようです。

Sannin2


 サンニンを知らない沖縄県民はいませんが、この内側の黄色い花びらをしげしげと見たことはない、という人もいるんじゃないでしょうか。

 全体には白い厚みのある花びらなんですが、内側から出て来る黄色に赤い模様の入った1枚も花びらです。ランの花で、下の1枚の花びらだけが形が違っていることがありますね。あれと同じらしいです。色鮮やかで、きれいです。

 ももと庵の庭は、ほかにもいろいろと花や緑が元気です。ぜひお越し下さい。

Flower outside




 





bansyold at 17:08|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote

2008年01月19日

[第36話 食、南] シトギ文化の一翼担うムーチー 

 旧暦12月8日はムーチー。ことしの新暦では1月15日にあたる。この日は、家庭でサンニン(月桃)の葉に包んで蒸したムーチーを作って食べるならわしだ。

Muchi2

 サンニンの葉には殺菌成分が豊富に含まれている。ムーチー作りの時は、家の消毒を兼ねているんじゃないかと思うくらい、サンニンの強い香りが部屋じゅうに漂う。

 ムーチーに漢字をあてる時は「鬼餅」と書く。鬼餅の由来として、鬼になった兄を妹が退治するというすごい民話があるが、そのお話は他のサイトに詳しいので、そちらに譲る。「鬼餅」「ムーチー」で検索すると、たくさん出てくる。

 ムーチーは和語の「モチ」に当たるが、本土のモチと沖縄のムーチーには決定的な違いがある。それは本土のモチが、蒸したモチ米を臼と杵でつき上げるのに対し、沖縄のムーチーは、生のモチ米粉に水や砂糖を加えて形を整え、最後に蒸して加熱するという点だ。

 ムーチーのように、米粉に水を加えて練ったものをシトギと呼ぶ。もともとは水に浸して柔らかくした生のモチ米を臼でひき、ペースト状にしたものを指した。シトギを加熱すれば、出来上がりはモチのようになるが、歯ごたえは、ついたモチの方が強い。

 シトギは、米粉加工品なので、いろいろと姿を変えて展開していく。名著『栽培植物と農耕の起源』『料理の起源』で知られる中尾佐助は、シトギの展開を一つの文化圏と読み解いている。例えば、中国・台湾で米粉から作られる「ビーフン」、フィリピンの米粉蒸しパン「プト」、スリランカの米粉薄焼き「アッパ(ホッパー)」などは、すべてシトギから作られ、一つの文化圏を形成している、というわけだ。

 シトギにほかならないムーチーも、こうしたアジアのシトギ文化の一翼を担っているといえそうだ。沖縄にはムーチーをはじめ、小豆を乗せたフチャギや味噌入りのナントゥーといったモチ類があるが、いずれもシトギ。ついたモチは見られない。

 日本本土でも加熱しない生シトギが各地で神事に使われてきており、中国南部に発するとみられるシトギ文化の、いわば北限に位置づけられるらしい。

 さて、ムーチーの作り方はいたってシンプル。用意するものは、モチ米粉(白玉粉)、水、サンニンの葉。味付け用に、砂糖、黒砂糖、紅芋粉など、好きなものを適宜用意する。

Muchi1

Muchi3

 粉と水に砂糖類をよく混ぜ、耳たぶくらいの固さにする。生シトギの状態だ。ピンポン玉2つくらいの分量をとり、楕円形にして、サンニンの葉の中央に乗せる。サンニンの葉を三つ折りにして、真ん中をワラかヒモでゆわえ、葉が開かないようにして、20分ほど蒸せば出来上がり。

Muchi4

 子供たちは自分の歳の数だけムーチーをぶら下げておいて、毎日少しずつ食べていく。初めにも書いたように、サンニンの葉には殺菌作用があるので、冬でも15度を切ることが珍しい沖縄でさえ、そのまま置いておいても、1週間くらいはカビが生えない。

bansyold at 00:00|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote