品揃え

2012年03月04日

多様な書籍ニーズに応え、業績好調

沖縄を創る人 第34回
 ジュンク堂書店那覇店店長 森本浩平さん(上)


 ジュンク堂書店の那覇店が開店してから、今春で3年になる。鳴りもの入りでスタートした沖縄初の超大型書店。丸3年近くが経った今、業績はどうだろうか。店長の森本浩平さんを訪ねた。

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 万鐘本店で開店前のジュンク堂那覇店をレポートしたのは2009年4月19日だった。あの時は、まだ書架の間に段ボール箱が山積みになっていて、開店直前の緊迫感が伝わってきた。今はすっかり落ち着き、だれもが知る那覇の立ち寄りスポットの一つになっている。さて、成績は?

 「おかげさまで、たいへん順調です」

 森本さんの説明によると、損益ギリギリの売上のなんと2倍近い売上額を、どの月もコンスタントに続けている。学習参考書や医学書などが特によく売れている。部門によっては、40店以上ある全国のジュンク堂各店の中で2位を記録した月もあるという。

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 逆に、売上がそれほどでもないのは文芸書や文庫部門。文庫で言えば、他のジュンク堂では10%前後のシェアを持っていることが多いが、那覇店は7%ほど。沖縄県民は、価格が手頃でだれもが読むような売れ筋に飛びつくというより、それぞれが多様で個性的な選択をしている、という解釈が成り立つかもしれない。

 そうした多様なニーズに応えているのがジュンク堂の品揃えの豊富さといえそうだ。売場面積が1500坪というのはもちろん圧倒的なスペースだが、ジュンク堂の場合は、そのスペースが普通の書店の何倍にもなるという。

 というのも、普通の書店は平台が多いが、ジュンク堂はほとんどが縦型の書架。足下までびっしり本が並べられている。

 「ジュンク堂は図書館と同じなんです」

 言われてみれば、店内の風景は図書館によく似ている。

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 出店の場所も、あえて一等地ではなく、少し奥まった場所を選ぶのがジュンク堂の流儀という。存在を知ってくれさえすれば、顧客は目的意識をもって来るから、必ずしも一等地でなくても構わない。それよりも、地代が安い方が売場面積を確保でき、生命線である品揃えを充実させることができる。

 那覇店は、かつてダイナハ(後にダイエー)が入居していたビルに出店した。国際通りから少し入った場所だ。

 「ダイナハがあった場所です、と言えば、那覇の人はたいてい知っています。このビルに出店したのは、その意味で大正解でした」

 沖縄の他の書店との競合はどうだろう。

 「他店さんのほとんどは売上を大きく減らしたとは聞いていませんので、うちの売上は沖縄の潜在需要を掘り起こしたとみています」

 簡単に言えば、他の書店になかった本がジュンク堂には置かれており、それらがよく売れている、ということだろう。

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 沖縄県民が、必ずしも売れ筋でない本を含めた多様なニーズを示すのはなぜだろうか。

 森本さんは、本に対する沖縄県民の親しみの深さは、沖縄の出版文化の広がりに現れているとみる。沖縄には出版社が50社ほどある。個人で出版する人も多い。

 「本を読む文化が沖縄にはもともとしっかりあった、ということだと思います」

 こうした順調な業績に森本さんはさぞ大満足かと思いきや、違った。

 「品揃えはまだまだなんですよ」

 その意味は次回3/11(日)に。


bansyold at 00:00|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック