塩焼き

2007年11月06日

[第23話 南、食] 焼魚再発見―アンゴラ風アジの塩焼き

 新カテゴリー「南」を前回に続けてお届けする。今回は、琉球王国の貿易の舞台だった南シナ海からマラッカ海峡を抜けてインド洋を渡り、一気にアフリカまで行く。喜望峰を回った大西洋を北上したアンゴラが舞台。沖縄とも豚とも関係ないが、それはそれはおいしい南の話を仕入れたので、冷めないうちにアツアツをお伝えしたい。題して、アンゴラ風アジの塩焼き―。

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 能書きよりも、まずはその作り方からいこう。アンゴラ風アジの塩焼きは、たっぷりニンニクを使う。焼いた後はニンニク、ニンニクした味にはならず、ニンニクは裏方に回って深いうまみになるところが面白い。

 まず、すり込むニンニク塩ペーストを作る。ニンニクを入れ、叩いて大まかに砕いたら、塩を加え、ジャリジャリとよくすりつぶしていく。

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 今回はアジだが、脂がのった大きめのイワシが手に入ったら、ぜひ試していただきたい。サンマでもおそらくいけるし、タチウオなどでやってもおいしいかもしれない。とにかく脂がノリノリにのっていることが条件だ。

 魚の側面に、深さ4、5mmの切れ目を1、2本入れる。全体にニンニク塩ペーストをよくぬったうえで、この切れ目の中にもニンニク塩ペーストを詰める。これがコツ。

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 15分ほど室温にそのまま置いてニンニク塩をよくしみ込ませてから、炭火でじっくり焼く。都会のマンション暮らしの人はグリルかロースターで、となる。魚の厚さにもよるが、20分以上かけてゆっくりと焼きたい。

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 焼き上がりは、不思議なほどニンニクの突出した味がしない。ニンニク臭くもない。ニンニクは魚の中に入り込んで、魚の脂と一体になり、見事なうまみに変わっている。

 アンゴラは旧ポルトガル領。この塩焼きもポルトガルの料理技術が伝えられた結果だという。そう言えば、ポルトガルには名物のイワシの塩焼きがあった。

 アンゴラは、すぐ横をベンゲラ海流が北上する。アジ、タイセイヨウニシン、サバ、タチウオ、タイ、サワラ、イカ、タコなど、日本人にもおなじみの魚の宝庫。シイラやハタも上がる。もちろんアンゴラの人々は大の魚好きだ。

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 「こんなにおいしい塩焼きがあったのか」―。塩焼きの味はよく知っているはずの日本人が、驚きをもって再発見する塩焼き。一度お試しあれ。

bansyold at 00:00|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote