屋我地島

2010年01月17日

[第152話 農] 横に増えていくショウガ

 ショウガが実りの季節を迎えている。ショウガは、インドからマレー半島にかけての熱帯アジア原産で、25〜30℃が生育適温。沖縄にもってこいの作物といえる。名護の屋我地島でショウガ栽培に取り組む玉城康成さんの畑を見せてもらった。

Shoga1


Shoga5

 屋我地島は、名護の羽地内海に浮かぶ島。現在は本島と橋でつながっている。玉城さんは5年前、左官の仕事を辞めて、専業農家に。父や弟と一緒に、地元でゴーヤー、インゲン、キュウリなどの栽培に取り組んでいる。

 ショウガは昨年、初めて植えた。知人から勧められたのがきっかけだった。沖縄では3月植えの11月収穫開始の作型が普通。

 「種にするショウガは、もったいないもったいないして小さいのを植えると、育ちが悪く、収穫も減ります。大きいのを収穫したければ、大きい種を植えないと」と玉城さん。種にするショウガは100gは必要、という。

 冒頭の写真は1株の実りだが、一番下にあるのが種球。例えばジャガイモの場合なら、子が実った後、種イモは枯れていくが、ショウガについては、種球がほぼそのまま残る。

Shoga3

 種ショウガは、収穫してから3月に植えるまでは冷蔵庫で保存する。13度以下にしておかないと、すぐ芽を出してしまうからだ。1月、2月といえば沖縄でも一番寒い時期だが、13度を上回るのは普通のこと。

 玉城さんの話では、しっかり育ったショウガは1株から1kgくらい収穫できる。同じショウガ科のウッチンは根が下へ下へと膨らんでいくが、ショウガは横へ横へと増えていく。

 ショウガは連作すると収量が大きく減るので、3年で1作くらいの間隔で輪作していく。栽培中に、困った菌が土の中で増えるらしい。葉につく虫の方はどうか。「強い臭いがあるから大丈夫じゃないかと思っていたら、ヨトウムシにやられて。しばらく放っておいたら、やはり生育が悪くなりました」と玉城さん。

Shoga4

 粘りの強い土なので、有機質をたくさん入れて、よほど水もちと水はけをよくしないといけない。沖縄の土づくりは簡単ではない。同じ名護の金城利信さん、美代子さんの土づくりを第18回で紹介したが、玉城さんも金城夫妻の土づくりを参考にしているという。

 沖縄のショウガの本格的生産はこれからだが、「ショウガ科」となれば、おなじみのメンバーがいる。

 まずサンニン(月桃)。サンニンの葉は、香りがよく、殺菌効果もある。ムーチーをはさむのに使われる(第36話)。前述のとおり、ウッチンもショウガ科。英語ではターメリック。カレーの黄色、と言えば、知らない人はいない。肝臓によい。沖縄各地で生産されている。

 最近は、ミョウガも栽培されているが、これもショウガ科。ショウガもウッチンもミョウガも、草や葉の感じがとてもよく似ている。サンニンの葉はショウガより大きいが、遠目に見た時の草の形はやはり似ている。

 さらに南に行くと、インドネシアやマレーシアでは、英語でジンジャーバッド、直訳すれば「ショウガのつぼみ」をいろいろな料理に使う。これは、トーチジンジャーという、真っ赤な花をつけるショウガの仲間の芽で、外観はミョウガにそっくり。

 ショウガ原産地の一つとされるインドでは、もちろんショウガをよく使う。まずカレー類にはたっぷり入れる。ニンニクも大量に使うが、ショウガをたくさん入れないと、インドカレーっぽい感じにならない。チャイと呼ばれる、ショウガが効いたミルクティーもポピュラー。

Shoga2

 現在のショウガ大国は中国で、世界一の生産量を誇る。ショウガが中華料理に不可欠の存在であることは説明するまでもないだろう。ショウガは香辛料であると同時に漢方薬でもある。検索するとたくさんの効能が出てくる。

 沖縄料理では、第150話で紹介した中身汁やヒージャー汁(ヤギ汁)の吸い口によく使われる。

 ショウガの香りを強調する場合は、皮ごとおろすのがコツ。皮についた土をよく洗い、古くひからびたような部分があれば取り除き、あとは皮をむかずにそのままおろす。皮をむいてからおろしたものと比べると、香りの違いは歴然としている。

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bansyold at 00:00|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote