2007年12月06日

[第28話 農] 知念の清水で育つクレソン

 いま、南城市知念の志喜屋集落ではクレソンの収穫が真っ盛り。クレソンは、英語でウォータークレスというが、その名の通り、水の中で育つ。

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 水はきれいで、しかも常に流れていなければならない。知念の志喜屋は、琉球王国最高の聖地「斎場御嶽」の近く。日本の名水に選ばれた玉城の垣花樋川や受水走水もそれほど遠くない。志喜屋も水に恵まれ、クレソンの足元には清水がいつも静かに流れている。

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 志喜屋のクレソン出荷は年間100トン前後。日本一の産地、山梨県道志村の320トンには及ばないが、それなりの量を出荷しているといえそうだ。収穫は11月から3月までだが、特に年を越すと、本土では寒さで出荷できなくなる地域が多いため、志喜屋産のクレソンの存在感が市場で大きくなるという。100トンのうち6、7割が本土向け。

 クレソンを育む水は、きれいなだけではダメで、水温が25度以下でなければならない。ことしはやや温度が高く、農家は、害虫の発生に手を焼いている。生産者の一人、具志堅武助さんによると、ある程度成熟して、さあ収穫、という直前に虫にやられるケースが多いという。

 「クレソンがおいしくなる時を虫もちゃんと知ってる。タイミングを見計らって、虫にやられる寸前にうまく収穫しないと」

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 「少し持っていってね」と具志堅さんは、日よけをした作業小屋の中で手際よくクレソンの下の葉をそいできれいにし、束ねて、新聞紙に包んでくれた。

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 普通の葉野菜だと、生産できたら農協にいつでも持ち込んで出荷できるが、クレソンの場合は、お客さんの注文が入ってから収穫する。一方、よくある葉野菜類のように価格が暴落することはないという。

 クレソンは、収穫してからしばらくすると、同じ株からまた葉が出て、やがて収穫できる。3月までの間に何回か収穫し、時期が終わったら植え替える。

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 クレソンは、独特の辛みがある。洋野菜として、一品料理に彩りを添えたり、サラダに散らして色と味のアクセントに使われることが多い。だが、和の食材としてもいろいろ楽しめる。例えば、みそ汁に入れるとおいしいし、ゆでてからあえものにしてもいける。

 志喜屋のクレソンについての問い合わせは、JAおきなわ知念支店、電話098-948-1308。


bansyold at 00:34|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック