浜比嘉島

2009年07月19日

[第126話 沖縄] 滑るように海を駆けるハーリー

 初夏はハーリーの季節。5月から8月にかけて、沖縄各地の漁港で、サバニによる競漕が繰り広げられる。那覇ハーリーや糸満ハーレーが有名だが、地域の小さなハーリー大会も面白い。沖縄本島中部東岸にある浜比嘉島の比嘉ハーリーを見た。第116話で紹介したホテル浜比嘉島リゾートがある集落だ。

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 ハーリーは、サバニと呼ばれるくり舟をチームで漕ぎ、タイムを競う。漕ぎ手10人、舵取りが1人の計11人がサバニに乗り込み、比嘉ハーリーの場合は、折り返しを含む300mのコースを全力で漕ぐ。

 浜比嘉島には浜と比嘉の2つの集落があり、この日は比嘉集落のハーリーだが、一集落の行事とはとても思えない盛況ぶり。出場者、見物客合わせて1000人近い人が集まった。国会議員や市長の姿も。飲み物や食べ物の出店もいろいろあって、にぎやかな夏祭りの趣き。

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 比嘉集落の人口は200人ほど。比嘉区長の平識勇さんは「ハーリーは年々、にぎやかになっていますね」と目を細める。

 出場するのは、比嘉区の住民ばかりではない。むしろ外部チームの方が圧倒的。ことしの出場チームは計45チーム。浜比嘉島を含む地元うるま市内外のJA、郵便局、企業、お店といった職域チームが多いが、中学生だけの舟もあったりする。中には北海道からの参加者を含むチームも。

 対戦はAとBの2つのブロックに分かれる。Aブロックは強豪ぞろい。やはり強いのは、漁協の各支部チームなど。浜比嘉島の近くにある津堅島の津堅支部、海中道路を渡った沖縄本島側の平敷屋支部などのチームが、息の合った力強いかいさばきを見せる。

 ことしのAブロックの優勝は同じ浜比嘉島の浜集落のチーム「はまゆう」、Bブロックの優勝は、同じく浜の高校生チーム「カッチンバーマJr」だった。

 ハーリーは、深くかいを入れて推進力を得る「一人ひとりのこぎ手の力」と、その動きが一糸乱れぬ動きになった時に初めて引き出される「チーム力」とのかけ算で実力が決まる。

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 かいを海の中に深く入れてグイっとかいた時、滑るように舟が加速するのを見るのは最高に気持ちよい。息の合ったチームは、漕ぎ手全員のかいの先の動きがあきれるほどよくそろい、なんとも美しい。

 イベントとしては、30人以上が乗り込んで大型の舟で競漕する那覇ハーリー(5月連休開催)が有名だが、これは例外。10人が全力で漕いで小さなサバニを滑らせていく普通のハーリーは、一人ひとりの動きが舟の動きに直結する面白さがある。

 ハーリーの楽しみは、まずは観戦。見ているだけでも充分楽しめるが、もし見ていて体がうずいてきたら、出場することもできる。

 事実、ハーリー好きで作るチームはあちこちのハーリー大会に出場する。沖縄ハーリーネットワークのHPによると、ことし、同ネットワークが把握しているだけで38ものハーリー大会が予定されている(多くは実施ずみ)。有力なチームは全県的に名が通っていて、例えば比嘉ハーリーで優勝した「はまゆう」も有名チームの一つ。

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 そのハーリー好きが大集合するのが名護ハーリー。これは数あるハーリー大会の一番最後に開かれることもあって、優勝チームに贈られるのは、たんなる名護市長杯ながら(失礼)、事実上「全沖縄の王者を決める大会」になってきた。

 ここは数多くのチームが出場するので男子の部、女子の部に分かれている。男子158組、女子24組の、実に182組ものチームが出場する。

 ことしの名護ハーリーは8月2日、午前8時半スタート。場所は名護市漁港。問合せは名護市観光協会、0980-53-7755まで。

 

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2009年05月13日

[第116話 沖縄] 浜比嘉島「大人の」リゾート

 沖縄本島東海岸に浮かぶ浜比嘉島(はまひがじま)。平安座島から橋がかかるこの小さな島の東端に、とびきりの大人向けリゾートホテルがある。地元出身のスタッフとリピーター客、コンセプトによく合った内外装が作り出す静かな癒しの時空間をご紹介。

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 ホテル浜比嘉島リゾート。20年以上前からあるホテルだが、昨年4月にリニューアルした。外装には要所要所に琉球石灰岩をあしらって、高級感と親しみやすさという、正反対の効果を同時に実現。自然素材が持つこの不思議な力については、第16話の那覇空港の話でも取り上げた。次の写真の上は、琉球石灰岩が貼られた正面階段。

 小さなところにも自然の素材が上手に使われている。例えば客室の場所を伝える廊下の掲示は、ガラスに文字を乗せて、そのバックに木製の板を入れた。各室前の室番号は、10cm四方の琉球ガラスの板に文字が乗せてある。

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 内装は、アジアンリゾート風味の昭和モダン、とでも言おうか。白とこげ茶、ベージュを基調に、ところどころに赤っぽいハイライトをあしらったアジアンリゾート風の色調を使いながら、こげ茶で装飾性の少ない直線的な家具類を置くことで昭和モダン風の味わいを出している。

 だから、曲線の多いヨーロピアンとも、東南アジアのコテコテのアジアンリゾートとも一線を画す。一言で言えば、控えめ、抑えめの華やかさ、豪華さ。第7話で紹介した万国津梁館と共通するデザインコンセプトかもしれない。もちろん、浜比嘉島リゾートも、例えばシャワールームの感じに見られるように、リゾートらしい豪華さはちゃんと備えている。

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 「大人の―」とは、そんな控えめのリゾート感覚を心地よく受け止めるのが、ある程度の人生経験を持つ年齢層に多いはずだから。若者は、どちらかと言えば、もっと冒険的で刺激的で、作り込んだ面白さにひかれるだろう。

 支配人の中野優子さんによると、地域の自然や社会にとけ込むリゾート、というのが、このホテルのコンセプトの一つ。リゾート開発には、地域と関係ない施設をドカンと作るアプローチもあり、沖縄ではリゾートの主舞台である西海岸にそうした施設が多い。だが、このホテルは違う。

 例えば、浜比嘉島リゾートは、24、5人のスタッフの大半が地元出身。中野さん自身も、海中道路を渡ったうるま市与那城屋慶名の出身で、配膳スタッフから始めて、ずっとこのホテルで勤めてきた。リニューアル後に支配人に昇格したという文字通りの生え抜きだ。そんなスタッフが醸し出す等身大の雰囲気のよさが分かるには、多少の人生経験がいるかもしれない。

 西海岸のリゾートホテルは大型や高層の建物が普通で、観光バスでやってくる数多くの団体客が宿泊する。これに対して、浜比嘉島リゾートの顧客の中心は、個人のリピーター客。「お子さんが3歳の頃から毎年いらっしゃるご家族がありまして、その子がことし小学3年生になったんですよ。スタッフとも顔なじみです」。中野さんが目を輝かせて楽しそうに語る。

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 北谷や恩納村などの西海岸がサンセットから夜ふけまで若者が遊ぶところとするならば、東の浜比嘉島リゾートは早起きの大人たちがサンライズで朝の光とすがすがしい空気を楽しむ場所といえるかもしれない。事実、中野さんの話では、夜10時ともなれば客室の多くは静かになるという。部屋の多くが東向きのオーシャンビューになっているので、朝、宿泊客はカーテンを開けて、青い海の上に昇る朝日を楽しむ。

 うれしいのは、宿泊料も抑えめなこと。西海岸のリゾートより安い。しかも3連泊以上するとさらに2割引きになる(ハイシーズンを除く)。部屋の広さはスタンダードルームが24平米。

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 最後になったが、海の青さは、橋がかかったとはいえ、やはり島なので格別だ。写真は浜比嘉島側から見た平安座の漁港だが、浜比嘉島の周囲の海も同じくエメラルドグリーン。ガラスを溶かしたような、透明感あふれる海の色は、何度見ても飽きない。

 ホテル浜比嘉島リゾートは、うるま市勝連比嘉202、098-977-8088。HPはこちら

bansyold at 14:56|Permalinkこのエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック