漬け物
2017年04月30日
【感動アジアCafe】漬物とシーラ[5/1放送予定]
FMうるまで毎週月曜夜8時30分に放送している万鐘ももと庵プレゼンツ「感動アジアCafe」。明日5/1(月)は、アジアの漬け物のお話です。
プノンペンの市場で
いきなりクイズ。これ、何の漬け物でしょうか。プノンペンの市場で見かけました。答えは番組で。
アジアは漬け物が豊富。番組では、そんなアジアの漬け物事情についておしゃべりします。
ももと庵メニューで漬け物に近いのはこれですね。
ももと庵のなます
アジアではなますをサンドイッチによく使うんです。
アジアンポップスを紹介する「わくわくアジアンポップミュージック」のコーナーは、マレーシアの若手シーラ・アムザShila Amzahを紹介します。Selamanya CintaとMasih Aku Cintaの2曲をお送りします。
シーラ・アムザ
FMうるまは、スマホやパソコンを使えば、どこにいても聴けます。
方法1 ラジオ日本、日本ラジオ、Tunein Radio、myTuner Radio、ListenRadioなど、各種のラジオアプリで「FMうるま」を検索する(Tunein Radioの場合は「fmuruma」と英文字で検索して下さい)
方法2 専用アプリ「FM聴forFMうるま」をダウンロードする。アプリを開くだけで鳴り出すのでカンタン!
どうぞお楽しみに。
プノンペンの市場で
いきなりクイズ。これ、何の漬け物でしょうか。プノンペンの市場で見かけました。答えは番組で。
アジアは漬け物が豊富。番組では、そんなアジアの漬け物事情についておしゃべりします。
ももと庵メニューで漬け物に近いのはこれですね。
ももと庵のなます
アジアではなますをサンドイッチによく使うんです。
アジアンポップスを紹介する「わくわくアジアンポップミュージック」のコーナーは、マレーシアの若手シーラ・アムザShila Amzahを紹介します。Selamanya CintaとMasih Aku Cintaの2曲をお送りします。
シーラ・アムザ
FMうるまは、スマホやパソコンを使えば、どこにいても聴けます。
方法1 ラジオ日本、日本ラジオ、Tunein Radio、myTuner Radio、ListenRadioなど、各種のラジオアプリで「FMうるま」を検索する(Tunein Radioの場合は「fmuruma」と英文字で検索して下さい)
方法2 専用アプリ「FM聴forFMうるま」をダウンロードする。アプリを開くだけで鳴り出すのでカンタン!
どうぞお楽しみに。
2013年08月31日
発酵で激ウマ! 白キムチ
先日お話しした豆乳ふるふるとは別のオリジナル副菜を取り上げます。その名も白キムチ。ベトナム・バッチャン焼きの赤い小皿に少量のせて、お出ししています。
見たところはただの「キャベツの漬け物」。いや、実際、主原料はキャベツなんです。ただ、味つけが日本の普通の漬け物とはだいぶ違っていまして、生姜、ニンニク、タマネギ、ニラが入ります。
それに、ももと庵お得意の魚醤も。韓国のキムチは塩辛類を使うことが多いですが、魚醤の濃い味は、塩辛の味そのものです。
そうそう、乳酸発酵を促すために、ごはんも少し入れていますよ。韓国でもヤンニョムにでんぷんを入れることがありますけど、狙いは同じ。
こうして原材料を並べていくと、これはもう、キムチそのもの。
キムチでなく、白キムチと言っているのは、赤唐辛子を入れないから。唐辛子は辛味のほかにも独特のすばらしい味と香りがありますが、辛いのが苦手というお客さまも多いので、思い切って省きました。
この白キムチを作っているのは、普通に発酵した本来の漬け物のおいしさをぜひ味わっていただきたい、という思いからなんです。
いま日本のスーパーで売られている日本製の漬け物の多くは、発酵していない浅漬けか、発酵した後に味を抜いてから調味料で味つけしたタイプのものです。
もちろん、日本でも、もともと漬け物は普通に発酵したものだったんですが、いつの間にか、そうでない漬け物がほとんどになってしまいました。
以前のブログで書きましたが、韓国はもちろん、東南アジアの国々でも、普通に発酵した漬け物を今もたくさん食べています。
ももと庵の白キムチは、それらと同じく、普通に乳酸発酵している本来の漬け物です。
なので、冷蔵してはいますが、毎日、少しずつ発酵が進みます。発酵が進むと少し酸っぱくなってきますが、それがまたウマい!
発酵が進むと、味がどんどん深くなっていきます。理由はよく分かりませんが、発酵で生まれる味の深さ、鋭さには独特のものがあって、化学調味料ではなかなか出せません。
お持ち帰り用もご用意しています。お好きな方は「ビールのあてに」と買っていかれます。
見たところはただの「キャベツの漬け物」。いや、実際、主原料はキャベツなんです。ただ、味つけが日本の普通の漬け物とはだいぶ違っていまして、生姜、ニンニク、タマネギ、ニラが入ります。
それに、ももと庵お得意の魚醤も。韓国のキムチは塩辛類を使うことが多いですが、魚醤の濃い味は、塩辛の味そのものです。
そうそう、乳酸発酵を促すために、ごはんも少し入れていますよ。韓国でもヤンニョムにでんぷんを入れることがありますけど、狙いは同じ。
こうして原材料を並べていくと、これはもう、キムチそのもの。
キムチでなく、白キムチと言っているのは、赤唐辛子を入れないから。唐辛子は辛味のほかにも独特のすばらしい味と香りがありますが、辛いのが苦手というお客さまも多いので、思い切って省きました。
この白キムチを作っているのは、普通に発酵した本来の漬け物のおいしさをぜひ味わっていただきたい、という思いからなんです。
いま日本のスーパーで売られている日本製の漬け物の多くは、発酵していない浅漬けか、発酵した後に味を抜いてから調味料で味つけしたタイプのものです。
もちろん、日本でも、もともと漬け物は普通に発酵したものだったんですが、いつの間にか、そうでない漬け物がほとんどになってしまいました。
以前のブログで書きましたが、韓国はもちろん、東南アジアの国々でも、普通に発酵した漬け物を今もたくさん食べています。
ももと庵の白キムチは、それらと同じく、普通に乳酸発酵している本来の漬け物です。
なので、冷蔵してはいますが、毎日、少しずつ発酵が進みます。発酵が進むと少し酸っぱくなってきますが、それがまたウマい!
発酵が進むと、味がどんどん深くなっていきます。理由はよく分かりませんが、発酵で生まれる味の深さ、鋭さには独特のものがあって、化学調味料ではなかなか出せません。
お持ち帰り用もご用意しています。お好きな方は「ビールのあてに」と買っていかれます。
2011年12月04日
消えた日本のクサうま
沖縄とアジアの食 第12回 発酵の複雑な香り
前々回、ラオスの魚の塩辛調味料「パーデーク」を中心に、アジアのクサうま調味料を紹介した。写真はタイのローカル市場で量り売りされているえびみそ「ガピ」。これもアジアのクサうまの代表選手だ。そういえば、昭和の頃は、日本でもこんな風にみそを山盛りにし、量り売りしていた。
沖縄を含む日本には、今や「クサうま」と呼べるような発酵調味料、発酵食品はほとんどない。みそでも醤油でも泡盛でも、明らかにクサいと感じるものは、くさやなどごく一部を除いてめったに見かけない。
日本でも1960年代くらいまでは、味噌を手造りしている家が農村部にたくさんあった。そんなみそでみそ汁を作ると、今のみそにはない複雑な香りが家じゅうに漂った。この香りは大いに食欲をそそる芳香だったと記憶している。
複雑な香りは、雑菌と総称される菌が作る化学物質の香り。家庭でみそを作っていた頃は、こうじこそ買ってきた麹菌で作るにしても、仕込みの過程でさまざまな雑菌が混入し、そこに独自の香りが生まれた。
みそでも醤油でも酒でも、メーカーは共同であるいは独自に、優良菌の開発を進めた。マーケットリサーチの結果、消費者の多くが複雑な強い香りを好まない、という結果が出たためか、純粋培養された優良菌は、香りの面では「控えめな」菌が中心になった。
製造設備の菌管理技術も向上したため、純粋培養した菌以外の菌が入り込む余地があまりなくなった。こうして、日本の発酵食品から複雑な香りがなくなり、「クサうま」は姿を消した。
1970年代までは、沖縄の泡盛も、まだ香りが相当強かった。味噌や日本酒と同様に、泡盛でも、その後、菌の開発と製造現場の菌管理技術が進み、その結果、複雑な香りは弱まっていった。いま製造されている泡盛は、離島の製品など、一部に比較的香りが強い銘柄があるものの、往時の強い香りを放つものはほとんどなくなった。
写真はラオス北部の農村で作られた米の蒸留酒ラオラオ。酒造所ではなく、家内工業で小規模に作られているため、びんもラベルもない。手近にある空き容器に入れて売られる。写真のラオラオは、独自の方法で、何かの草を最後に入れて色とかすかな香りをつけているそうなので、わずかに緑色を帯びている。
ラオラオは、麹菌の種類が泡盛とは違うから味わいはおのずと異なるが、米麹の全麹で作られる蒸留酒という意味では、泡盛とよく似ている。同様の酒はベトナムの農村でも手造りされているのをあちこちで見た。
香りはー。強い香りではないが、やはり、今、日本で作られている焼酎や泡盛に比べると、複雑な風味がある。
話は変わって、漬け物。これも日本では香りを減らす方向で技術が進んだ。漬け物の場合は、酒やみそと違い、菌を添加して製造するわけではない。自然の乳酸菌で発酵させるのが普通なので、菌を純粋培養して香りを弱めるというわけにはいかない。
では、どうするかというと、2つの方法があるらしい。一つは、発酵それ自体をさせない短時間仕上げの「浅漬けタイプ」を作ること。味は発酵ではなく、調味液が担う。いま一つは、いったん発酵させるものの、その発酵液を抜き取り、さらに、別に作った調味液を改めて吸収させるという「味ぬき味つけタイプ」にすること。
いずれにしても、うまみと香りを作り出す発酵の機能をほとんど否定してしまう結果になっている。もちろん、昔ながらの手作り品は、そうではないが。
漬け物はアジアでも盛ん。写真はベトナムの食堂で出てきた漬け物。高菜のような葉野菜をさっとゆがいてから塩水に入れ、そのまま常温で数日漬けておくと、漬け物になる。色がやや黄色味を帯びてきたら食べられる。それほど強い香りがあるとも思えないが、日本では、この香りは通らないのかな、と思いながら、白いごはんと一緒にかっ込んだ。乳酸発酵で酸味が出ていて、うまい。
みそでも泡盛でも漬け物でも、香りが弱くなれば、「マイルドな」風味になり、万人受けするようになる。ただ、それも度が過ぎると、そもそもの個性が消えてしまう。
ウニの独特の味は、強い苦みを持ったアミノ酸「メチオニン」が含まれていることによって実現している。メチオニンがもし入ってなかったら、ウニは、イクラのような味になってしまうという。イクラの味はウニよりクセがないが、もしウニがイクラの味と同じだったら、面白くないだろう。
クサうま発酵食品の複雑な香りを除去しすぎたら、ウニをイクラに近づけてしまうようなことになるのではないか。
確かに、かつての複雑な香りが強い泡盛のままでは、今日のように、ニューヨークのバーで珍重される酒にはならなかったかもしれない。味噌も、昔の香りのままでは、例えばオーストラリアの料理本に当たり前のように登場する調味料にはならなかっただろう。しかしー。
自社話で恐縮だが、万鐘の黒糖肉みそは、親しみやすい味の追求と同時に、味噌や泡盛といった発酵食品の中にある渋み、苦み、あるいは味噌や黒糖が少し焦げた時に初めて生まれる独特の香りなどを前面に出すようにしている。
その黒糖肉みそが、フジTVの「とくダネ!」で取り上げられた際に、スタジオで試食した高木美保さんがこうコメントした。
「甘いだけじゃなく. . . 大人の味に仕上がっていますねー」
作り手の日頃の工夫を正面から評価していただいた気がして、ありがたかった。その「大人の味」こそ、発酵の深い味や、渋み、苦み、焦げた香りなのだ。
前々回、ラオスの魚の塩辛調味料「パーデーク」を中心に、アジアのクサうま調味料を紹介した。写真はタイのローカル市場で量り売りされているえびみそ「ガピ」。これもアジアのクサうまの代表選手だ。そういえば、昭和の頃は、日本でもこんな風にみそを山盛りにし、量り売りしていた。
沖縄を含む日本には、今や「クサうま」と呼べるような発酵調味料、発酵食品はほとんどない。みそでも醤油でも泡盛でも、明らかにクサいと感じるものは、くさやなどごく一部を除いてめったに見かけない。
日本でも1960年代くらいまでは、味噌を手造りしている家が農村部にたくさんあった。そんなみそでみそ汁を作ると、今のみそにはない複雑な香りが家じゅうに漂った。この香りは大いに食欲をそそる芳香だったと記憶している。
複雑な香りは、雑菌と総称される菌が作る化学物質の香り。家庭でみそを作っていた頃は、こうじこそ買ってきた麹菌で作るにしても、仕込みの過程でさまざまな雑菌が混入し、そこに独自の香りが生まれた。
みそでも醤油でも酒でも、メーカーは共同であるいは独自に、優良菌の開発を進めた。マーケットリサーチの結果、消費者の多くが複雑な強い香りを好まない、という結果が出たためか、純粋培養された優良菌は、香りの面では「控えめな」菌が中心になった。
製造設備の菌管理技術も向上したため、純粋培養した菌以外の菌が入り込む余地があまりなくなった。こうして、日本の発酵食品から複雑な香りがなくなり、「クサうま」は姿を消した。
1970年代までは、沖縄の泡盛も、まだ香りが相当強かった。味噌や日本酒と同様に、泡盛でも、その後、菌の開発と製造現場の菌管理技術が進み、その結果、複雑な香りは弱まっていった。いま製造されている泡盛は、離島の製品など、一部に比較的香りが強い銘柄があるものの、往時の強い香りを放つものはほとんどなくなった。
写真はラオス北部の農村で作られた米の蒸留酒ラオラオ。酒造所ではなく、家内工業で小規模に作られているため、びんもラベルもない。手近にある空き容器に入れて売られる。写真のラオラオは、独自の方法で、何かの草を最後に入れて色とかすかな香りをつけているそうなので、わずかに緑色を帯びている。
ラオラオは、麹菌の種類が泡盛とは違うから味わいはおのずと異なるが、米麹の全麹で作られる蒸留酒という意味では、泡盛とよく似ている。同様の酒はベトナムの農村でも手造りされているのをあちこちで見た。
香りはー。強い香りではないが、やはり、今、日本で作られている焼酎や泡盛に比べると、複雑な風味がある。
話は変わって、漬け物。これも日本では香りを減らす方向で技術が進んだ。漬け物の場合は、酒やみそと違い、菌を添加して製造するわけではない。自然の乳酸菌で発酵させるのが普通なので、菌を純粋培養して香りを弱めるというわけにはいかない。
では、どうするかというと、2つの方法があるらしい。一つは、発酵それ自体をさせない短時間仕上げの「浅漬けタイプ」を作ること。味は発酵ではなく、調味液が担う。いま一つは、いったん発酵させるものの、その発酵液を抜き取り、さらに、別に作った調味液を改めて吸収させるという「味ぬき味つけタイプ」にすること。
いずれにしても、うまみと香りを作り出す発酵の機能をほとんど否定してしまう結果になっている。もちろん、昔ながらの手作り品は、そうではないが。
漬け物はアジアでも盛ん。写真はベトナムの食堂で出てきた漬け物。高菜のような葉野菜をさっとゆがいてから塩水に入れ、そのまま常温で数日漬けておくと、漬け物になる。色がやや黄色味を帯びてきたら食べられる。それほど強い香りがあるとも思えないが、日本では、この香りは通らないのかな、と思いながら、白いごはんと一緒にかっ込んだ。乳酸発酵で酸味が出ていて、うまい。
みそでも泡盛でも漬け物でも、香りが弱くなれば、「マイルドな」風味になり、万人受けするようになる。ただ、それも度が過ぎると、そもそもの個性が消えてしまう。
ウニの独特の味は、強い苦みを持ったアミノ酸「メチオニン」が含まれていることによって実現している。メチオニンがもし入ってなかったら、ウニは、イクラのような味になってしまうという。イクラの味はウニよりクセがないが、もしウニがイクラの味と同じだったら、面白くないだろう。
クサうま発酵食品の複雑な香りを除去しすぎたら、ウニをイクラに近づけてしまうようなことになるのではないか。
確かに、かつての複雑な香りが強い泡盛のままでは、今日のように、ニューヨークのバーで珍重される酒にはならなかったかもしれない。味噌も、昔の香りのままでは、例えばオーストラリアの料理本に当たり前のように登場する調味料にはならなかっただろう。しかしー。
自社話で恐縮だが、万鐘の黒糖肉みそは、親しみやすい味の追求と同時に、味噌や泡盛といった発酵食品の中にある渋み、苦み、あるいは味噌や黒糖が少し焦げた時に初めて生まれる独特の香りなどを前面に出すようにしている。
その黒糖肉みそが、フジTVの「とくダネ!」で取り上げられた際に、スタジオで試食した高木美保さんがこうコメントした。
「甘いだけじゃなく. . . 大人の味に仕上がっていますねー」
作り手の日頃の工夫を正面から評価していただいた気がして、ありがたかった。その「大人の味」こそ、発酵の深い味や、渋み、苦み、焦げた香りなのだ。
2008年04月12日
[第50話 農] 島ニンニクの収穫、真っ盛り
島ニンニクの収穫が最盛期を迎えている。昨年8月頃に植えた株が実るのがちょうど今ごろ。写真の上は、うるま市の字上江洲で安里シゲ子さんが栽培した島ニンニク。下の写真は、高速名護インターから降りて間もなくのところにある許田の「道の駅」で売られていた今帰仁産の島ニンニクだ。
島ニンニクは、よくあるニンニクよりも小さい。皮に赤紫の色がほんのりとついている。味も香りも鮮烈。生のスライスを食べるとその鮮烈さがよく分かるが、なるべく薄く切って試す方が無難。比較的若いうちに収穫されたものは、葉もまだ青々としている。その葉をニラのようにして食べると、いい香りがしておいしい。
ニンニクに限らないが、野菜類は、どれも品種改良が進んでいる。品種改良の目的はいろいろあるが、やはり主なねらいは、食べる部分を大きく、おいしくすること。だが、こと香りについては、改良種は弱くなる場合が多いような気がする。大きくなった分だけ、水で薄まったような結果になる、と言ったら言いすぎだろうか。沖縄の島ニンニクを含むアジアやアフリカの在来種のニンニクは、どれも小さくて香りが強い。
香りが強いのは魅力だが、その一方、かなり小さいので、皮をむいて中を取り出すのは面倒くさい。だから、というわけではないだろうが、島ニンニクは丸ごと漬け物にすることがよくある。
写真は伊江島の石新政子さんが漬けた黒糖漬け。商品名は「にんにくん」。これも許田の道の駅で売られている。
政子さんは、毎年、島ニンニクを3トン漬ける。塩で下漬けしてから、黒糖や酢を混ぜた液に3ヶ月ほど漬け込むと食べられるようになる。皮ごと漬けるが、漬けているうちに皮も水分を含んで柔らかくなるので、食べる時はそのまま食べられる。
とはいえ、やはりニンニクなので、そうむやみとボリボリ食べるわけではない。風邪をひきかけたかな、というような時に食べるのが普通。ニンニク本体だけでなく、漬け汁を薬代わりに飲む人もいる。
ただ、漬け込まれたニンニクは、生の時ほど強い臭いはなくなるし、味もマイルドになる。そのせいか、風邪をひいたわけでもないのに、「うまい、うまい」と、冷蔵庫を開けてはポリポリ食べてしまう向きが、どこの家にもいたりする。
ニンニクはいためものに使われるだけではない。豚レバーと豚赤身肉に野菜を入れたシンジムン(煎じ汁)と呼ばれるおつゆに、ニンニクを入れることも多い。やはり風邪気味の時などに飲むおつゆで、ニンニクを入れれば強壮効果が高まること間違いなし。そういう場合は刻んで入れたりせず、一片ずつコロコロと入れて、そのまま食べてしまう。
シンジムンを味噌仕立てにすると、これまた非常においしい。「豚+にんにく+味噌」は黄金の組み合わせ。風邪気味でないと食べられないと言うのなら喜んで風邪をひきましょう、と言い出す輩もいる激ウマ汁だ。
島ニンニクは、よくあるニンニクよりも小さい。皮に赤紫の色がほんのりとついている。味も香りも鮮烈。生のスライスを食べるとその鮮烈さがよく分かるが、なるべく薄く切って試す方が無難。比較的若いうちに収穫されたものは、葉もまだ青々としている。その葉をニラのようにして食べると、いい香りがしておいしい。
ニンニクに限らないが、野菜類は、どれも品種改良が進んでいる。品種改良の目的はいろいろあるが、やはり主なねらいは、食べる部分を大きく、おいしくすること。だが、こと香りについては、改良種は弱くなる場合が多いような気がする。大きくなった分だけ、水で薄まったような結果になる、と言ったら言いすぎだろうか。沖縄の島ニンニクを含むアジアやアフリカの在来種のニンニクは、どれも小さくて香りが強い。
香りが強いのは魅力だが、その一方、かなり小さいので、皮をむいて中を取り出すのは面倒くさい。だから、というわけではないだろうが、島ニンニクは丸ごと漬け物にすることがよくある。
写真は伊江島の石新政子さんが漬けた黒糖漬け。商品名は「にんにくん」。これも許田の道の駅で売られている。
政子さんは、毎年、島ニンニクを3トン漬ける。塩で下漬けしてから、黒糖や酢を混ぜた液に3ヶ月ほど漬け込むと食べられるようになる。皮ごと漬けるが、漬けているうちに皮も水分を含んで柔らかくなるので、食べる時はそのまま食べられる。
とはいえ、やはりニンニクなので、そうむやみとボリボリ食べるわけではない。風邪をひきかけたかな、というような時に食べるのが普通。ニンニク本体だけでなく、漬け汁を薬代わりに飲む人もいる。
ただ、漬け込まれたニンニクは、生の時ほど強い臭いはなくなるし、味もマイルドになる。そのせいか、風邪をひいたわけでもないのに、「うまい、うまい」と、冷蔵庫を開けてはポリポリ食べてしまう向きが、どこの家にもいたりする。
ニンニクはいためものに使われるだけではない。豚レバーと豚赤身肉に野菜を入れたシンジムン(煎じ汁)と呼ばれるおつゆに、ニンニクを入れることも多い。やはり風邪気味の時などに飲むおつゆで、ニンニクを入れれば強壮効果が高まること間違いなし。そういう場合は刻んで入れたりせず、一片ずつコロコロと入れて、そのまま食べてしまう。
シンジムンを味噌仕立てにすると、これまた非常においしい。「豚+にんにく+味噌」は黄金の組み合わせ。風邪気味でないと食べられないと言うのなら喜んで風邪をひきましょう、と言い出す輩もいる激ウマ汁だ。