甘味

2012年12月18日

おしゃれなデザート店も大繁盛

 香港のデザート話の続きです。

 東京の新宿みたいなふぜいの香港の繁華街、尖沙咀(チムサーチョイ)。このあたりでは、蓮の実が入ったお汁粉のような伝統的なデザートに加え、洋菓子風のスイーツを売りにしているおしゃれな感じの甘味専門店も、夜の食後時間帯に大繁盛しています。

 ある甘味店に入ろうとしたら、おかみさんらしき人が手ぶりで「みなさん、並んでいますので」と言いながら、小さな紙切れを「はい」と渡してくれました。整理券、でした。

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 これはその店で出てきたスイーツ。どうということはない数種類のフルーツと寒天にココナツミルクがかかっただけの一皿なんですが、これがなかなかよくできていて感心しました。こんな大盛り、食べきれないな、と思ったのですが、どんどん食べ進んでしまいます。

 というのも、コクのあるものから清涼感の高い素材へのグラデーションが見事なんです。コクのある方では、かなり甘いココナルミルクがおそらく一番で、その次がマンゴーソース、マンゴー、ロンガン、ときて、メロン、ドラゴンフルーツ、スイカと、次第に水っぽさが増していきます。

 心にくいのは、氷の小さな粒がパラパラと潜ませてあること。甘ーいココナツミルクやマンゴーソースが続くと口の中がくたびれてきます。そんな時にスイカやドラゴンフルーツが口に入ると、そこから清涼感あふれるジュースが出てきて、口の中が洗われるような爽快感を覚えます。そこにさらに小さな氷が加わると、冷たさと水気で、もう一段、清涼な感じになります。

 氷を入れ過ぎたら水っぽくなってどうにもなりませんが、この一皿は、氷がちょうどいいくらいに、少しだけ入っていました。いや、お見事。疲れた体には最高の快感です。

 隣のテーブルでは、ワッフルにクリームのかかったようなものなど、洋菓子系が人気のようでした。この店の客は総じて若い。男女比はほぼ同じです。

 おかみさんが、客の要望に応じてデジカメで写真を撮ったりしています。高速回転で大忙しのまっ最中ですが、彼女の動きは大陸風で、どこかにゆとりが感じられます。

 というわけで、香港の夜は「甘いもの」でふけていきました。

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2012年12月13日

デザートにかけるアジアの情熱

 沖縄からの直行便が飛んでいるアジアの都市はいくつかありますが、香港もその一つ。那覇から2時間半です。

 夜の香港を歩いていると、「デザートにかける人々の情熱」を感じないわけにはいきません。夜9時とか10時くらいに一番にぎわっているのは、飲食店ではなく、むしろデザート専門店。その前の時間帯に一杯やりながら食事をした人たちが甘味店前に群れている光景を、繁華街ではしばしば見かけます。

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 だいたい年中暑い香港ですから、日本でもおなじみになったマンゴープリンのような冷たいスイーツはもちろん人気ですが、どちらかと言えば伝統的な温かいお汁粉のような甘味に、老若男女が静かに舌鼓を打っています。

 お汁粉には蓮の実が入っていたりするのもあって、体によさそう。医食同源が甘味類にもしっかり根付いている様子がうかがえます。

 上環(ジョンワン)にある小さな甘味店に入ってみました。まるで飾り気のないステンレスのテーブルに、男女のグループや家族連れが陣取って、静かにおしゃべりしながら甘味をすすっています。

 夜9時半から10時頃にかけてのこと。入れ替わり立ち代わり、人が入ってきて、店内は常に満員の状態です。大声を出すような酔っぱらいはいません。日本の繁華街に比べると、香港の夜は静かな印象です。

 甘いものに女性がことのほか熱心なのは万国共通のようですが、香港では、男性も全く負けていません。男性ばかりのグループが夜の甘味店のテーブルを囲んでいることもしばしば。

 那覇の松山で、あるいは博多の中洲や札幌のすすきので、一杯やった後、みんなで甘味店に繰り出すなんてことは、まずないでしょう。どちらかといえば「締め」と称してラーメンをすすったり、飲み足りない人は未明に及ぶまで飲み続けたり。

 そういえばベトナムでも、宴席が終わった後に帰ろうとしたら、「じゃ、こちらへ」と別のテーブルに案内されたことがあります。そこには、デザートの果物とお茶が用意されていました。つい先ほどまで「乾杯、乾杯」でしたたか酒を飲んでいた人々が、ニコニコとデザートテーブルで果物をつまんでいます。

 デザートにかける情熱は、アジア各地に共通する文化なのかもしれません。


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2008年08月10日

[第70話 食、農] ピュアな甘味を堪能 古宇利島のウニ

 沖縄本島北部、今帰仁村の古宇利島ではウニ漁が真っ盛り。カラからはずしたばかりの新鮮な生ウニを口に含むと、磯の香りの中から濃厚な甘味が立ち上ってくる。

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 沖縄で獲れるウニはシラヒゲウニ。亜熱帯の海に生息するウニで、日本では沖縄、奄美の海で獲れる。姿を見れば名前の由来はイメージできるだろう。7月、8月が収穫期。だたし、資源保護のため、漁獲が禁止される年もある。

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 古宇利島では、今帰仁漁協のウニ加工のための共同利用施設で、獲られたばかりのウニの処理作業が進んでいた。

 作業は海水をかけながら行う。まずナイフでウニを2つに割る。食べられる黄色い部分は生殖巣で、これが内部に5筋ある。割る人はこれが2筋と3筋にうまく分かれるように割り、食べられない部分をかき出す。

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 次の人が、殻の内側にはりついている生殖巣をスプーンではがしとる。もろい生殖巣を傷つけないよう慎重にやらねばならない。殻からはずされた生殖巣は、水気をとって容器に並べられる。

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 こうした作業は家族総出で行われる。金城正行さんの一家も、正行さんが獲ってきたウニを女性陣がきれいに処理して、出荷する容器にていねいに並べていた。

 話を聞いていたら、作業中の女性の一人が「はい、味見して下さい」と言って、貴重なウニをてのひらにたくさん乗せてくれた。大感激。ひたすら甘い。

 生のウニはそのままにしておくと、2、3日で溶けてしまうのだそうだ。このため、ウニの形を長く保持するには、ミョウバン液に漬けなければならない。ただ、ミョウバン液につけると、若干の苦みが生じる。もちろん獲れたてのウニは、全くの生だから、苦みは一切ない。

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 苦みのないウニのピュアな甘味を堪能したい向きは、古宇利島にウニを買いに行くことをお勧めする。古宇利大橋を渡って島に入ると左手に港とウニ加工施設が見えてくる。そこでも売ってくれるし、ほかにもウニを買える場所は島内にいくつかある。価格はどこでも100gで1500円。持ち帰り用に小さなクーラーボックスと氷を持参すること。

 島の中には、獲れたてのウニをのせたウニどんぶりを出す食堂やパーラーもいくつかあるから、最高の味をその場で楽しむこともできる。

 もう一つ、古宇利島の魅力は、その海の色の美しさだ。古宇利大橋の両側に広がる海の色は、ちょっと言葉では表せないほど、すごい。離島を除いて、これだけの色の海はまず見られないのではないか。天気がよくなければ色は冴えないから、ぜひ晴天の日を選んで出かけたい。ウニの甘味と海の圧倒的な美しさで、最高の夏休みになるはずだ。

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 古宇利島は、屋我地島をはさんで、沖縄本島と橋でつながっているので、車で行ける。国道58号線で名護市中心部を抜けてしばらく行くと、屋我地島に入る道があるから、そこを左折し、あとは案内板にしたがって行けばよい。

 ウニに関する問い合わせは、今帰仁漁協0980-56-2226まで。

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