生姜
2016年10月11日
解剖!ナシゴレントラシ(下)
今回は、ナシゴレンのわきに置かれている鶏の唐揚げ、です。
ナシゴレン(焼き飯)が本体だとすれば、唐揚げはオマケというか、オカズというか、そんな立ち位置になるわけですが、なかなかどうして、人気です。
この唐揚げ、味付けはナシゴレン同様にインドネシア風。
先日もあるお客様が「この唐揚げ、不思議な味ですねえ。カレーみたいだけど、そうじゃないし・・・」とポツリ。
カレーご三家のコリアンダー、クミン、ターメリックのうち、クミン以外は入っています。入ってはいますけど、少しです。
インドネシア風なのは、むしろ玉ねぎ、生姜、ピーナツのしわざ。それぞれ独特の風味があります。
これらをブレンドしたペーストに漬け込んでから、粉をまぶしてカラリと揚げると、なんとも言えないサクサクの食感に。ナシゴレンとの相性がよくなるように、唐揚げは小さめです。
鶏の唐揚げ単品というのは今はやってないんですが、これだけでもビールのつまみやごはんのおかずにばっちりですね。
ナシゴレン(焼き飯)が本体だとすれば、唐揚げはオマケというか、オカズというか、そんな立ち位置になるわけですが、なかなかどうして、人気です。
この唐揚げ、味付けはナシゴレン同様にインドネシア風。
先日もあるお客様が「この唐揚げ、不思議な味ですねえ。カレーみたいだけど、そうじゃないし・・・」とポツリ。
カレーご三家のコリアンダー、クミン、ターメリックのうち、クミン以外は入っています。入ってはいますけど、少しです。
インドネシア風なのは、むしろ玉ねぎ、生姜、ピーナツのしわざ。それぞれ独特の風味があります。
これらをブレンドしたペーストに漬け込んでから、粉をまぶしてカラリと揚げると、なんとも言えないサクサクの食感に。ナシゴレンとの相性がよくなるように、唐揚げは小さめです。
鶏の唐揚げ単品というのは今はやってないんですが、これだけでもビールのつまみやごはんのおかずにばっちりですね。
2014年12月14日
インドネシア風鶏の唐揚げのヒミツ
12月からスタートした「しっかりアジアン」シリーズのトップバッター、インドネシア風鶏の唐揚げが好評です。今回はそのヒミツをお教えしちゃいましょう。
きつね色に揚がった鶏の唐揚げ。とってもおいしそうですが、写真を見ただけでは、どこがインドネシア風なのか、分かりませんよね。
インドネシア風は、下味をしっかりつけます。まずコリアンダー。種を粉にしたスパイスで、かんきつっぽい爽やかさが特徴です。
ニンニク、生姜、玉ネギもたっぷり入れます。そしてそして、ピーナッツ。ミキサーで粉にしてペーストに加えます。ピーナッツのコクと香りは、いかにもインドネシアの風味ですね。焼肉サテの甘いピーナッツソースを思い出して下さい。
さて、インドネシア風。こうして下味を含ませる際には、いったん鍋で加熱します。生のままよりも、肉の中まで味がよく染みていきます。
そこまでが仕込み。オーダーが入ったら、これを中温の油でじっくり揚げ、サクサクに仕上げます。
これまでとちょっと違った風味の鶏の唐揚げ。ぜひお試し下さいね。
きつね色に揚がった鶏の唐揚げ。とってもおいしそうですが、写真を見ただけでは、どこがインドネシア風なのか、分かりませんよね。
インドネシア風は、下味をしっかりつけます。まずコリアンダー。種を粉にしたスパイスで、かんきつっぽい爽やかさが特徴です。
ニンニク、生姜、玉ネギもたっぷり入れます。そしてそして、ピーナッツ。ミキサーで粉にしてペーストに加えます。ピーナッツのコクと香りは、いかにもインドネシアの風味ですね。焼肉サテの甘いピーナッツソースを思い出して下さい。
さて、インドネシア風。こうして下味を含ませる際には、いったん鍋で加熱します。生のままよりも、肉の中まで味がよく染みていきます。
そこまでが仕込み。オーダーが入ったら、これを中温の油でじっくり揚げ、サクサクに仕上げます。
これまでとちょっと違った風味の鶏の唐揚げ。ぜひお試し下さいね。
2014年10月18日
汁素麺は沖縄のソウルフード
ももと庵の常連さんには、必ず毎回同じものを注文する、という方が結構いらっしゃいます。そんな人気メニューの一つで、熱狂的ファンを持つ豚しゃぶ素麺膳について書いてみます。
豚しゃぶ素麺は、たっぷりの豚しゃぶとネギ、生姜、揚げニンニクなどが載った温かい汁素麺です。
沖縄で麺と言えば、沖縄そばを思い浮かべる方が多いかも。沖縄そばは家で作られることはあまりなく、お店で食べるごちそうです。
家で食べる麺といえば、やはり素麺。まずは素麺ちゃんぷるーがあります。これはゆでた素麺を軽くいためたもので、具はニラをパラパラ入れるくらいですが、油のからんだ麺自体がなんともうまい。素麺は安いものではありませんが、好きな人にとっては「毎日でも食べたい」人気家庭料理メニューです。
温かい汁素麺も人気です。こちらも、ダシは効いていますが、具は質素なもので、生姜が載るくらい。薄焼き玉子をのっける家もあります。子供のころ、冬場のちょっと肌寒い時におばあやおかあが作ってくれた汁素麺の味が心に焼き付いている人は、結構いるんじゃないでしょうか。
汁素麺は、結納の祝い膳などの改まった食事の献立にもしばしば登場します。
というわけで、家庭で作られる伝統食として、汁素麺は沖縄のソウルフードと言っていいと思います。
ももと庵では、そんな汁素麺の上に、豚しゃぶを思い切ってたっぷり載せました。素麺の繊細な感じと極薄にスライスされた豚しゃぶの食感がよくマッチします。
薬味は定番のおろし生姜に加え、青ネギ、白ネギ、揚げニンニク、ごま油。揚げニンニクはアジア麺の定番。「沖縄アジアンキッチン」ももと庵のアジアな仕掛けです。
アジアンと言えば、豚しゃぶ素麺のダシ汁には、ニッポンの醤油に加えて、ベトナム産の高級魚醤を使っています。あっさりしていてコクのあるダシ、が自慢です。
先日も、関西テレビの「よ〜いドン!」で来店した円広志さんが豚しゃぶ素麺を召し上がりました。
辛い味がお好きな方には豆板醤をおつけしていますので、どうぞお申し付け下さい。豆板醤入りの豚しゃぶ素麺も、唐辛子の独特の香りがのっかってまたひと味違ったおいしさになりますよ。
豚しゃぶ素麺は、たっぷりの豚しゃぶとネギ、生姜、揚げニンニクなどが載った温かい汁素麺です。
沖縄で麺と言えば、沖縄そばを思い浮かべる方が多いかも。沖縄そばは家で作られることはあまりなく、お店で食べるごちそうです。
家で食べる麺といえば、やはり素麺。まずは素麺ちゃんぷるーがあります。これはゆでた素麺を軽くいためたもので、具はニラをパラパラ入れるくらいですが、油のからんだ麺自体がなんともうまい。素麺は安いものではありませんが、好きな人にとっては「毎日でも食べたい」人気家庭料理メニューです。
温かい汁素麺も人気です。こちらも、ダシは効いていますが、具は質素なもので、生姜が載るくらい。薄焼き玉子をのっける家もあります。子供のころ、冬場のちょっと肌寒い時におばあやおかあが作ってくれた汁素麺の味が心に焼き付いている人は、結構いるんじゃないでしょうか。
汁素麺は、結納の祝い膳などの改まった食事の献立にもしばしば登場します。
というわけで、家庭で作られる伝統食として、汁素麺は沖縄のソウルフードと言っていいと思います。
ももと庵では、そんな汁素麺の上に、豚しゃぶを思い切ってたっぷり載せました。素麺の繊細な感じと極薄にスライスされた豚しゃぶの食感がよくマッチします。
薬味は定番のおろし生姜に加え、青ネギ、白ネギ、揚げニンニク、ごま油。揚げニンニクはアジア麺の定番。「沖縄アジアンキッチン」ももと庵のアジアな仕掛けです。
アジアンと言えば、豚しゃぶ素麺のダシ汁には、ニッポンの醤油に加えて、ベトナム産の高級魚醤を使っています。あっさりしていてコクのあるダシ、が自慢です。
先日も、関西テレビの「よ〜いドン!」で来店した円広志さんが豚しゃぶ素麺を召し上がりました。
辛い味がお好きな方には豆板醤をおつけしていますので、どうぞお申し付け下さい。豆板醤入りの豚しゃぶ素麺も、唐辛子の独特の香りがのっかってまたひと味違ったおいしさになりますよ。
2013年08月31日
発酵で激ウマ! 白キムチ
先日お話しした豆乳ふるふるとは別のオリジナル副菜を取り上げます。その名も白キムチ。ベトナム・バッチャン焼きの赤い小皿に少量のせて、お出ししています。
見たところはただの「キャベツの漬け物」。いや、実際、主原料はキャベツなんです。ただ、味つけが日本の普通の漬け物とはだいぶ違っていまして、生姜、ニンニク、タマネギ、ニラが入ります。
それに、ももと庵お得意の魚醤も。韓国のキムチは塩辛類を使うことが多いですが、魚醤の濃い味は、塩辛の味そのものです。
そうそう、乳酸発酵を促すために、ごはんも少し入れていますよ。韓国でもヤンニョムにでんぷんを入れることがありますけど、狙いは同じ。
こうして原材料を並べていくと、これはもう、キムチそのもの。
キムチでなく、白キムチと言っているのは、赤唐辛子を入れないから。唐辛子は辛味のほかにも独特のすばらしい味と香りがありますが、辛いのが苦手というお客さまも多いので、思い切って省きました。
この白キムチを作っているのは、普通に発酵した本来の漬け物のおいしさをぜひ味わっていただきたい、という思いからなんです。
いま日本のスーパーで売られている日本製の漬け物の多くは、発酵していない浅漬けか、発酵した後に味を抜いてから調味料で味つけしたタイプのものです。
もちろん、日本でも、もともと漬け物は普通に発酵したものだったんですが、いつの間にか、そうでない漬け物がほとんどになってしまいました。
以前のブログで書きましたが、韓国はもちろん、東南アジアの国々でも、普通に発酵した漬け物を今もたくさん食べています。
ももと庵の白キムチは、それらと同じく、普通に乳酸発酵している本来の漬け物です。
なので、冷蔵してはいますが、毎日、少しずつ発酵が進みます。発酵が進むと少し酸っぱくなってきますが、それがまたウマい!
発酵が進むと、味がどんどん深くなっていきます。理由はよく分かりませんが、発酵で生まれる味の深さ、鋭さには独特のものがあって、化学調味料ではなかなか出せません。
お持ち帰り用もご用意しています。お好きな方は「ビールのあてに」と買っていかれます。
見たところはただの「キャベツの漬け物」。いや、実際、主原料はキャベツなんです。ただ、味つけが日本の普通の漬け物とはだいぶ違っていまして、生姜、ニンニク、タマネギ、ニラが入ります。
それに、ももと庵お得意の魚醤も。韓国のキムチは塩辛類を使うことが多いですが、魚醤の濃い味は、塩辛の味そのものです。
そうそう、乳酸発酵を促すために、ごはんも少し入れていますよ。韓国でもヤンニョムにでんぷんを入れることがありますけど、狙いは同じ。
こうして原材料を並べていくと、これはもう、キムチそのもの。
キムチでなく、白キムチと言っているのは、赤唐辛子を入れないから。唐辛子は辛味のほかにも独特のすばらしい味と香りがありますが、辛いのが苦手というお客さまも多いので、思い切って省きました。
この白キムチを作っているのは、普通に発酵した本来の漬け物のおいしさをぜひ味わっていただきたい、という思いからなんです。
いま日本のスーパーで売られている日本製の漬け物の多くは、発酵していない浅漬けか、発酵した後に味を抜いてから調味料で味つけしたタイプのものです。
もちろん、日本でも、もともと漬け物は普通に発酵したものだったんですが、いつの間にか、そうでない漬け物がほとんどになってしまいました。
以前のブログで書きましたが、韓国はもちろん、東南アジアの国々でも、普通に発酵した漬け物を今もたくさん食べています。
ももと庵の白キムチは、それらと同じく、普通に乳酸発酵している本来の漬け物です。
なので、冷蔵してはいますが、毎日、少しずつ発酵が進みます。発酵が進むと少し酸っぱくなってきますが、それがまたウマい!
発酵が進むと、味がどんどん深くなっていきます。理由はよく分かりませんが、発酵で生まれる味の深さ、鋭さには独特のものがあって、化学調味料ではなかなか出せません。
お持ち帰り用もご用意しています。お好きな方は「ビールのあてに」と買っていかれます。
2012年11月13日
豚しゃぶ素麺膳が新登場
だんだん涼しくなってきて、温かいものがおいしくなってきましたね。万鐘ももと庵の新メニュー「豚しゃぶ素麺膳(ぶたしゃぶ・そうめん・ぜん)」の話を。
ももと膳でおなじみの豚しゃぶを、温かい汁素麺にたっぷりのせました。その上に、刻みネギと揚げニンニク、おろし生姜をトッピング。このブログでも何回か紹介した揚げニンニクはアジアン風味ですね。
コクのあるおつゆと一緒に豚しゃぶを食べるのは格別。そこに揚げニンニクやネギ、生姜のうまみと香りが絡み合います。さらに、のどごしのよい素麺がつるつると入っていき、口ざわりのいい極薄切りの豚しゃぶと最高の相性を見せてくれます。
ところで、沖縄の麺といえば、沖縄そばが代表選手ということになっていますけど、実は実は、沖縄の家庭で消費されているのは圧倒的に素麺なんです。
ニラをたっぷり入れた夏場の素麺ちゃんぷるーに、おろし生姜をちょんとのせた冬場の温かい汁素麺。まさに沖縄家庭料理の定番です。
どこの家にも1人くらい素麺じょーぐーがいて、そういう人は「ごはんの代わりに毎食でも素麺を食べたい」なんて思っています。
お祝いごとでも、素麺入りのおつゆがよく出されます。結納の際に持って行く品々の中には素麺があります。「とも白髪」と呼んで、ともに白髪になるまで仲睦まじく添い遂げる縁起物、とされています。
南のアジア麺の多くは米の麺ですが、沖縄は小麦の麺。かつて、沖縄では、米とともに小麦が広く栽培されていました。麦の栽培は、沖縄あたりが南限なのかもしれません。
豚しゃぶ素麺の話に戻りましょう。ももと庵の豚しゃぶ素麺膳は、豚しゃぶ素麺の周囲を、おなじみの「豆乳ふるふる」や「生人参しりしり」などのわき役がしっかり固めています。
あのう、汁麺の時にも、ちょっとだけごはんが欲しいんですけどーとおっしゃる方。はい、ご希望の方には、ミニごはんもサービスしていますよ。
ももと膳でおなじみの豚しゃぶを、温かい汁素麺にたっぷりのせました。その上に、刻みネギと揚げニンニク、おろし生姜をトッピング。このブログでも何回か紹介した揚げニンニクはアジアン風味ですね。
コクのあるおつゆと一緒に豚しゃぶを食べるのは格別。そこに揚げニンニクやネギ、生姜のうまみと香りが絡み合います。さらに、のどごしのよい素麺がつるつると入っていき、口ざわりのいい極薄切りの豚しゃぶと最高の相性を見せてくれます。
ところで、沖縄の麺といえば、沖縄そばが代表選手ということになっていますけど、実は実は、沖縄の家庭で消費されているのは圧倒的に素麺なんです。
ニラをたっぷり入れた夏場の素麺ちゃんぷるーに、おろし生姜をちょんとのせた冬場の温かい汁素麺。まさに沖縄家庭料理の定番です。
どこの家にも1人くらい素麺じょーぐーがいて、そういう人は「ごはんの代わりに毎食でも素麺を食べたい」なんて思っています。
お祝いごとでも、素麺入りのおつゆがよく出されます。結納の際に持って行く品々の中には素麺があります。「とも白髪」と呼んで、ともに白髪になるまで仲睦まじく添い遂げる縁起物、とされています。
南のアジア麺の多くは米の麺ですが、沖縄は小麦の麺。かつて、沖縄では、米とともに小麦が広く栽培されていました。麦の栽培は、沖縄あたりが南限なのかもしれません。
豚しゃぶ素麺の話に戻りましょう。ももと庵の豚しゃぶ素麺膳は、豚しゃぶ素麺の周囲を、おなじみの「豆乳ふるふる」や「生人参しりしり」などのわき役がしっかり固めています。
あのう、汁麺の時にも、ちょっとだけごはんが欲しいんですけどーとおっしゃる方。はい、ご希望の方には、ミニごはんもサービスしていますよ。
2012年10月14日
温度をめぐる水と油の激闘
ももと庵式、カレーの作り方教室の続きです。
油で香辛料の香りを立てたら、次に入れるのは、ニンニクと生姜。ニンニクと生姜は、どちらかといえば中華っぽい印象で、あまりカレーのイメージではないかもしれません。が、カレーには意外にたっぷり使うんです。いや、中華のタレなんかより、ずっとたくさん入れます。
生姜とにんにくのそれぞれ印象的な写真と言えばこの2枚。生姜の方は再掲ですが、横に伸びていった結果がこれ。名護の屋我地島です。詳しくは過去記事をどうぞ。にんにくの写真は、ベトナムの市場で見たもの。名前を聞き取れませんでしたが、有名なにんにくの産地があるようで、そこの産とのことでした。小ぶりで、いかにも香りが強そう。
カレーに、ニンニクと生姜を同じ量使うと、ニンニクの方は味のベースになって香りはあまり前面には出てきません。自己主張しない「縁の下の力持ち」になります。カレーの香辛料や生姜の方がニンニクより香りが強い、というのは「ニンニク=臭い」という常識をひっくり返しているようで、面白いですね。
一方、生姜の鮮烈な香りは消えることなく、最後まで効き続けます。生姜くん、立派に強いです。
さてさて、きょうの本題は「温度をめぐる水と油の闘い」です。
ニンニクは水分が少ないので問題ないのですが、生姜を入れるとかなりの水気が入って油の温度が下がりますから、火を少し強めます。100度にしかならない水に負けないように、油の温度を少し高くするわけです。そうしないと香ばしくなりません。
本場インドのレシピだと油の量が多いので、生姜くらいまでは問題にならないのですが、ももと庵式は油控えめなので、火力の調整で乗り切ります。
「水と油」と言えば、互いに相容れないもの同士を表わしますが、カレー鍋の中では、温度を高めに保とうとする油と、温度を100度以下に下げようとする水がジュワジュワと激闘を演じています。
ニンニク、生姜に続いてタマネギが入ると、さすがに鍋の中の水の量がドーンと増えるので、火をかなり強めて、できるだけ温度を下げないようにします。もちろん、火を強めれば焦げやすくなりますから、神経を使います。
タマネギに透明感が出てきたら、次は肉。まだ鍋の中は「いためもの」であるべきで、「煮物」になってしまってはいけません。つまり、水気があまりない状態で肉をしっかりいためます。
この「水と油の闘い」、5人分くらいまでなら、家庭のガスコンロでも十分な火力を送り込んで、乗り切ることができますが、大鍋で50人分とか100人分を作るような場合、業務用の大きなガスコンロでも火力が足りません。コックをめいっぱいひねって最大火力にしても、材料の全体量から見たらチョロチョロの火みたいなもの。弱い火力でやったのでは、水がどんどん出てしまいます。
そんな時は、タマネギから後は、材料を小分けし、カレー大鍋と同時進行で、別の鍋で香ばしく焼き付けてから、カレー鍋に入れていくことになります。
ここまでの香辛料、にんにく、生姜、タマネギ、肉のどれをとっても、100度以下の、つまり「ゆでる」「煮る」式で加熱したのと、120度とか130度での「いためる」「揚げる」式で加熱したのとでは、得られる風味、香ばしさがまるで違います。
油で香辛料の香りを立てたら、次に入れるのは、ニンニクと生姜。ニンニクと生姜は、どちらかといえば中華っぽい印象で、あまりカレーのイメージではないかもしれません。が、カレーには意外にたっぷり使うんです。いや、中華のタレなんかより、ずっとたくさん入れます。
生姜とにんにくのそれぞれ印象的な写真と言えばこの2枚。生姜の方は再掲ですが、横に伸びていった結果がこれ。名護の屋我地島です。詳しくは過去記事をどうぞ。にんにくの写真は、ベトナムの市場で見たもの。名前を聞き取れませんでしたが、有名なにんにくの産地があるようで、そこの産とのことでした。小ぶりで、いかにも香りが強そう。
カレーに、ニンニクと生姜を同じ量使うと、ニンニクの方は味のベースになって香りはあまり前面には出てきません。自己主張しない「縁の下の力持ち」になります。カレーの香辛料や生姜の方がニンニクより香りが強い、というのは「ニンニク=臭い」という常識をひっくり返しているようで、面白いですね。
一方、生姜の鮮烈な香りは消えることなく、最後まで効き続けます。生姜くん、立派に強いです。
さてさて、きょうの本題は「温度をめぐる水と油の闘い」です。
ニンニクは水分が少ないので問題ないのですが、生姜を入れるとかなりの水気が入って油の温度が下がりますから、火を少し強めます。100度にしかならない水に負けないように、油の温度を少し高くするわけです。そうしないと香ばしくなりません。
本場インドのレシピだと油の量が多いので、生姜くらいまでは問題にならないのですが、ももと庵式は油控えめなので、火力の調整で乗り切ります。
「水と油」と言えば、互いに相容れないもの同士を表わしますが、カレー鍋の中では、温度を高めに保とうとする油と、温度を100度以下に下げようとする水がジュワジュワと激闘を演じています。
ニンニク、生姜に続いてタマネギが入ると、さすがに鍋の中の水の量がドーンと増えるので、火をかなり強めて、できるだけ温度を下げないようにします。もちろん、火を強めれば焦げやすくなりますから、神経を使います。
タマネギに透明感が出てきたら、次は肉。まだ鍋の中は「いためもの」であるべきで、「煮物」になってしまってはいけません。つまり、水気があまりない状態で肉をしっかりいためます。
この「水と油の闘い」、5人分くらいまでなら、家庭のガスコンロでも十分な火力を送り込んで、乗り切ることができますが、大鍋で50人分とか100人分を作るような場合、業務用の大きなガスコンロでも火力が足りません。コックをめいっぱいひねって最大火力にしても、材料の全体量から見たらチョロチョロの火みたいなもの。弱い火力でやったのでは、水がどんどん出てしまいます。
そんな時は、タマネギから後は、材料を小分けし、カレー大鍋と同時進行で、別の鍋で香ばしく焼き付けてから、カレー鍋に入れていくことになります。
ここまでの香辛料、にんにく、生姜、タマネギ、肉のどれをとっても、100度以下の、つまり「ゆでる」「煮る」式で加熱したのと、120度とか130度での「いためる」「揚げる」式で加熱したのとでは、得られる風味、香ばしさがまるで違います。