看板

2013年09月30日

「わき道」の入口に看板

 「パーラーみなみのわき道を入ります」。ももと庵にお越しいただく方すべてに案内する決まり文句です。というのも、このパーラーみなみのわき道が、ももと庵へのほとんど唯一のアクセス経路だからです。

 わき道の写真がこれ。左側が県道16号の本線、右側がわき道。カメラの後ろにパーラーみなみがあります。

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 一見、立派なわき道ですが、この岐路が見えずに通り過ぎてしまう方がとても多いんです。

 左側本線の先が勝連城跡駐車場になります。そちらから来ると、ものすごいヘアピンカーブということになって、およそ曲がり角というイメージではありません。

 手前から行く場合も、わき道の入口付近は本線にほぼ並行しているので、やはり曲がり角のイメージは持ちにくい。しかも、このわき道は上り坂になっているので、その意味でもちょっとわかりにくいー。

 というわけで、みなさん、このわき道の入口を見逃して通り過ぎてしまうようです。

 そこでー

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 最近、こんな看板を出しました。わき道に入ってすぐのところに出しましたので、これなら、みなさん、本線側からも、なんとか気づいてくれるのではないかと思います。

 この細いわき道の奥にレストランがあるんですよ、ということを本線で運転中の方に一瞬にして伝えなければならないので、思い切って、メニューの写真をドンドンと並べました。

 設置にあたってはパーラーみなみさんのご協力を得ました。どうもありがとうございました。

 冒頭に「ももと庵へのほとんと唯一のアクセス経路」と書きましたが、実は裏技が2つほどあるんですよ。その話はまた別の機会に。

bansyold at 13:28|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2009年10月25日

[第140話 沖縄] 街かど看板、傑作選

 街かどで見かけた看板や横断幕の傑作選をお届けする。思わす笑ってしまう作品から、ほっこりした温かい気分になれるものまで、5点をご紹介。


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 まずはエイサーの参加者募集看板から。ことしの夏、万鐘の地元うるま市の字赤道で見つけた。エイサーは沖縄本島中部で盛んな伝統的な踊りで、旧盆の時に各字の青年会が路地や広場で踊りを披露したり、拝所などで奉納したりする。最近は勇壮なエイサーが全国的に人気を呼び、各地に同好会ができているようだ。

 うるま市字赤道は、農村部の多いうるま市のいわば玄関口に位置する。飲食店などが多い、町っぽい場所だ。純農村部の青年会活動は「顔つながり」だけで情報が流れるが、赤道のような町っぽい字では、このように看板で参加者を募ることになるらしい。

 「○○○しないと」という語り口は、とても沖縄的な口語表現。日常会話にもよく出てくる。相手に何かの行為をやわらかく促す時に、どちらかと言えば、女性がよく使う。「だのにぃ」も女性が言う。

 下手くそな字が、いかにも青年会ふーじー(っぽい、「風姿」)。


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 ちょっと古いが、うるま市内で見かけた横断幕。横断幕が告知手段としてよく使われるという話は万鐘本店第67話で書いた。とりわけ同窓会の告知には横断幕が非常によく利用される。

 同窓会告知のメインコピーに「あの人もハゲました」を置くというのは、言葉のとんがり具合といい、同窓会とのいい感じの距離感といい、かなりのセンス。

 同じ同窓会の別の横断幕に、メインコピーが「来ないのはあなただけだったりして」というのもあった。「あの人もハゲました」とは別の意味で、これも秀作。この幹事さん、コピーライターでもメシが食えるんじゃないでしょうか。

 次は小中学生の「あいさつ」標語シリーズを。


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 うるま市で見つけた看板。なんとも言えないおかしみがある。そもそも「あいさつをする」とは言うが、「あいさつをやる」とは言わない。これが笑いの源泉その一。

 それから「やられる前に」というのも笑いを誘う。「やられたら、やり返せ」みたいな暴力的なセリフを想起させるこの文の主語が「あいさつ」であるところが、最高に面白い。

 ぴょんぴょん弾むような少年マンガっぽい字の感じも含めて、野球帽をかぶった小学校低学年の男の子を一瞬イメージしたが、実は中三女子の作品。


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 これは「やられる前に」の横にあった作品。さほど面白みはないが、きれいにまとまっている。うまい。座ぶとん3枚。


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 最後は、慶良間諸島の阿嘉島で見つけた小学生の標語看板。阿嘉島といえば、ダイビングやホエールウォッチングの盛んな慶良間でも比較的地味な存在。

 そんな静かな島のぬくもりが感じられるしっとりした作品だ。海風にあたって傷み加減の看板も、おとなしい字体も、言葉の中身とあいまって、すべて絵になっている。島はいいなあ。座布団10枚。

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2008年07月23日

[第67話 沖縄] 同窓会の告知は横断幕で

 あなたが同窓会の幹事だとしたら、いつどこで同窓会が開かれるかを、どのようにして知らせるだろうか。ハガキ? 住所が分かる人には出せるが、引っ越してしまった同窓生には出せない。

 沖縄では同窓会の告知に横断幕をよく使う。3mくらいの長さの布に「●●高校昭和55年卒同窓会」と大書きした横断幕だ。

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 同窓会だけではない。コンサートからスポーツ大会、選挙候補者の演説会まで、あらゆる行事、催しがこの横断幕で告知される。通行量の多い交差点には必ずといっていいほど何かの横断幕がかかっていて、そこをしばしば通っていれば、何が行われるかが自然に分かる仕組み。短い信号待ちの間に読むのに頃合いの情報量だ。

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 街かどの横断幕は、不特定多数を相手にする看板と同じ働きをしているが、実際には特定少数の人々をターゲットにしている横断幕も多い。

 冒頭の同窓会がその好例。「●●中学校野球部九州大会派遣資金造成ボウリング大会」などのケースもそうだ。不特定多数の関係ない人々にとっては、文字通り関係ない情報。だが、こんなこともある。例えば、現在は野球部と没交渉になっているOBが、たまたま横断幕を見かけて「へえー、九州大会まで行くようになったのか。アイツも誘って、ちょっと参加するか」ー。

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 同窓生や野球部OB一人ひとりの住所や電話番号を追いかけるような面倒なことはしないけど、こういう集まりがあるからぜひ来てね、と広く知らせる。実際、それによって、野球部OBの話のように、主催者が予想していなかった人がひょっこり来たりもする。

 そう、呼ばれたから行くのではなく、行きたいから行く。集まりは「呼ぶ側が集める場」ではなく、「行く人が作り上げる場」というのが沖縄式。宴席でも、ちょっとした集まりでも、特に呼ばれなかったけど参加している人が必ずいる。参加してしまえば、後は同じ。イチャリバ、チョーデー(行き逢えばみな兄弟)なのである。

 横断幕なら、広告塔や固定の看板類よりはるかに安く済むのも魅力だ。3mほどの横断幕1つが5000円ほどでできる。同じ大きさの看板を作ったら、何万円もの経費がかかる。しかも掲示先の場所の多くは公共空間。タダで張り出せるから、まことに具合がよい。

 横断幕のプロに話を聞いてみた。横断幕を数多く製作している読谷村の丸吉工芸、与古田松吉さんによると、横断幕は、沖縄が日本に復帰する前の米軍統治時代に、コカコーラやペプシコーラが自社マーク付きの横断幕を無料で提供したのが始まりらしい。タダとあって、人々は横断幕を広く利用するようになった。下の写真のように、このスポンサーつき横断幕は今でもあるが、今はさすがに無料ではないという。

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 かつての横断幕は看板職人が手で書いていたが、大型プリンターの登場で次第に職人芸の出番がなくなっていった。「看板が書ける技術があれば一生食うに困らないと言われた時代もあったけどね。その神話は今や完全に崩壊しました」と与古田さん。与古田さんも現在はパソコンとプリンターで横断幕を印刷している。

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 数多くの看板職人が仕事を失う中で、与古田さんは、横断幕を発注する人の身になって仕事をすることで受注を伸ばしてきたという。例えば、選挙事務所の集まりを知らせる横断幕に「会費」の項目がないことに気づいた与古田さんは「これだと公選法違反になりますよ」と助言するなど、内容にも踏み込んだアドバイスを心がけている。

 横断幕は、お金をかけずに、だれでも気軽に催しを告知できる。横断幕を見た人々も、気軽に集い、交流する。人が集う機会がひんぱんにあることが、沖縄力の基盤になっているのは確か。横断幕はアナログだが、決してアナクロ(時代錯誤)ではないのだ。

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