豆板醤

2009年07月12日

[第125話 食] そらまめ麹で作る味くーたー味噌

 沖縄の伝統的な味噌は、米麹または麦麹を大豆と混ぜて仕込んだ米味噌、麦味噌が多いが、今回は、そらまめ麹で作るそらまめ味噌を紹介しよう。読谷村農漁村生活研究会が作って販売している。1kg750円。

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 日本全国の味噌は、麹に何を使うかで米味噌、麦味噌、豆味噌の3つに大別される。米味噌、麦味噌は、蒸した米や麦に麹かびを生えさせて麹を作り、これと主原料の大豆、塩を混ぜて仕込む。

 これに対して、豆味噌の場合は、大豆自体に麹かびを生えさせる。八丁味噌に代表される東海地方の豆味噌は、豆麹と塩水だけで仕込む。いわば「全麹仕込み」であるところが、米味噌や麦味噌と大きく違う。

 製造技術としては、米や麦の麹で作る味噌より、豆だけで作る豆味噌の方が歴史が古いとされる。豆の形がはっきり残っている大徳寺納豆や中国の豆鼓(ドウチ)が豆味噌の源流。

 そらまめ味噌に話を戻せば、そらまめ麹の味噌は、かつては沖縄各地で作られていたらしい。味噌を家庭で作ること自体がほとんどなくなった今、そらまめ麹味噌を作っているのは、おそらく読谷だけだろう。

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 読谷のそらまめ味噌は、麹をそらまめで作り、大豆と塩で仕込む。つまり、麹がタンパク質の多いそらまめで作られる豆麹であるところは豆味噌と同じだが、全麹仕込みではなく、蒸した大豆と塩にそらまめ麹を混ぜて仕込むので、製法としては、米味噌や麦味噌に近い。

 読谷村農漁村生活研究会の与儀常子副会長の話では、仕込みは、そらまめ麹8に麦2、大豆20の比率。そらまめは蒸して種麹菌をまき、麹室に入れる。温かい季節で30時間、寒い時だと40時間ほどでそらまめ麹が出来上がる。真夏はうまくいかないのでやらない、という。写真は麹室。

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 仕込んだ味噌の熟成期間は7カ月から8カ月。もちろんさらに熟成させることもできる。

 できた味噌は、濃い赤みそ色。八丁味噌のように、渋みがあって甘さの少ない味わいだ。うまみはたっぷり。「味くーたー(味がある、味が濃い)よ」と与儀さん。

 塩分より豆のうまみが前面に出ているので、ごはんやキュウリにそのまま乗せて食べるもよし、そのままつまみながら、泡盛をチビリチビリやるもよし。もちろん料理の味付けには最高だ。

 沖縄で伝統的に使われてきた調味料の中では、味噌が最もよく使われていたらしい。農山漁村文化協会が出した都道府県別の伝統食シリーズ「沖縄の食事」には、沖縄各地の伝統食の聞き取りデータがたくさん載っているが、「調味料で一番よく使うのは味噌」という記述があちこちに出てくる。

 例えば、今でも、煮物であるンブシーにはみそ味のものが多い。ナーベラーンブシーは当本店の第123話で紹介したばかり。刺身のみそあえもよく食べられる。

 ところで、なぜ、そらまめで麹を作ったのか。与儀さんは「昔からそらまめで味噌を作ってきたので、理由はよく分かりません。読谷では、そらまめ以外にも、大豆やえんどうなど、たくさんの種類の豆が作れます。土地が豆づくりに向いているんじゃないでしょうか」と話す。

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 名もなき先人のだれかが、土地で豊富に穫れるそらまめでたまたま麹を作ってみたらうまくいった、ということかもしれない。

 そらまめで作る味噌と言えば、中国の激辛味噌、豆板醤(トウバンジャン)がそう。こちらは大豆は使わず、文字通り、そらまめと塩と唐辛子だけで辛い味噌を作る。中国は広いから、ほかにも、そらまめを利用した味噌があるかもしれない。

 読谷のそらまめ味噌は、毎週金曜午後3時から6時に開かれている読谷ゆいゆう市で販売されている。読谷村農漁村生活研究会は、読谷村都屋 167-2、098-956-9074。
 

bansyold at 09:16|PermalinkTrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote