那覇

2014年11月26日

沖縄大交易会、始まる

 香港、シンガポールなどアジア各地や日本のバイヤーと、沖縄を中心とした食品サプライヤーとの国際食品商談会「沖縄大交易会」がきょうから始まりました。

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 今夜は那覇市のロワジールホテルで前夜祭。サプライヤーの商品をホテルの料理人たちが腕をふるって一品料理に仕立て、バイヤーをはじめとする参加者にふるまいました。

 会場は、人、人、人、という感じで、500人はいたでしょうか。いや、もっとかも。

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 万鐘ももと庵は肉みそアジアンを出品。ロワジールのシェフは、野菜の生春巻きに肉みそアジアンを入れて一品を作ってくれました。

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 明日からは、宜野湾市のコンベンションセンターに会場を移して、いよいよ本番の商談会です。参加する食品サプライヤーは198社、うち84社が沖縄。対するバイヤーは138社。うち102社が海外、36社が国内。

 商談はサプライヤーのコマをバイヤーが自由に訪れる形のフリー商談と、あらかじめインターネットで交換した互いの情報を基に「お見合い」のアポを入れてある個別商談の2パターンで行われます。

 さて、どんな出会いが待っているでしょうか。

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2014年11月12日

那覇空港国際線ターミナルをご案内

 沖縄の玄関、那覇空港ー。おなじみの国内線ターミナルの隣に、国際線ターミナルがリニューアルオープンしましたので、ご紹介。

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 那覇空港からは1日3便の台北、1日2、3便の香港、ソウルを中心に、上海、台中などへも直行便が運航しています。台湾、香港などから観光客がたくさん訪れるほか、沖縄から各地へのビジネス客も利用しているようです。

 全体に柔らかい印象の国内線ターミナルより、いくぶん直線的な印象のデザイン。航空会社カウンターの上部には沖縄の赤瓦があしらわれるなど、ご当地風があちこちに見られます。

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 この日は、台湾のチャイナエアラインが「love & hug(愛と抱擁)」と呼ぶスペシャルデザインのジャンボ機がちょうど来ていました。

 台北へは1時間半、香港までは2時間半の近さ。アジアは本当に目の前です。

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 バンコクやシンガポールなど、さらに南の国への直行便はまだありませんが、台北や香港からは世界中に向けたフライトがたくさんあるので、そこで乗り継いで行けます。

 例えば、タイのバンコク行きだと、台北経由で行くのが便利です。乗り継ぎの1時間25分を入れても所要時間は6時間50分。羽田や成田を経由すれば、乗り継ぎ時間を含めると11時間以上かかります。

 あるいは、インドのムンバイに行くなら香港経由になります。香港の乗り継ぎ2時間を含めても所要時間は11時間25分。これがもし成田回りだと15時間以上かかってしまいます。

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 北タイの古都チェンマイ、インドネシア第2の都市スラバヤ、ベトナム中部の港湾都市ダナンといった各都市には日本からの直行便はほとんどありませんが、台北と香港からならあります。

 バングラデシュのダッカ、カンボジアのプノンペン、ネパールのカトマンズ、ラオスのビエンチャンなどの各首都も、日本からは直接行けませんが、台北・香港からだと直行便が飛んでいるので、意外に便利なんですね。


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2012年12月13日

デザートにかけるアジアの情熱

 沖縄からの直行便が飛んでいるアジアの都市はいくつかありますが、香港もその一つ。那覇から2時間半です。

 夜の香港を歩いていると、「デザートにかける人々の情熱」を感じないわけにはいきません。夜9時とか10時くらいに一番にぎわっているのは、飲食店ではなく、むしろデザート専門店。その前の時間帯に一杯やりながら食事をした人たちが甘味店前に群れている光景を、繁華街ではしばしば見かけます。

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 だいたい年中暑い香港ですから、日本でもおなじみになったマンゴープリンのような冷たいスイーツはもちろん人気ですが、どちらかと言えば伝統的な温かいお汁粉のような甘味に、老若男女が静かに舌鼓を打っています。

 お汁粉には蓮の実が入っていたりするのもあって、体によさそう。医食同源が甘味類にもしっかり根付いている様子がうかがえます。

 上環(ジョンワン)にある小さな甘味店に入ってみました。まるで飾り気のないステンレスのテーブルに、男女のグループや家族連れが陣取って、静かにおしゃべりしながら甘味をすすっています。

 夜9時半から10時頃にかけてのこと。入れ替わり立ち代わり、人が入ってきて、店内は常に満員の状態です。大声を出すような酔っぱらいはいません。日本の繁華街に比べると、香港の夜は静かな印象です。

 甘いものに女性がことのほか熱心なのは万国共通のようですが、香港では、男性も全く負けていません。男性ばかりのグループが夜の甘味店のテーブルを囲んでいることもしばしば。

 那覇の松山で、あるいは博多の中洲や札幌のすすきので、一杯やった後、みんなで甘味店に繰り出すなんてことは、まずないでしょう。どちらかといえば「締め」と称してラーメンをすすったり、飲み足りない人は未明に及ぶまで飲み続けたり。

 そういえばベトナムでも、宴席が終わった後に帰ろうとしたら、「じゃ、こちらへ」と別のテーブルに案内されたことがあります。そこには、デザートの果物とお茶が用意されていました。つい先ほどまで「乾杯、乾杯」でしたたか酒を飲んでいた人々が、ニコニコとデザートテーブルで果物をつまんでいます。

 デザートにかける情熱は、アジア各地に共通する文化なのかもしれません。


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2012年03月04日

多様な書籍ニーズに応え、業績好調

沖縄を創る人 第34回
 ジュンク堂書店那覇店店長 森本浩平さん(上)


 ジュンク堂書店の那覇店が開店してから、今春で3年になる。鳴りもの入りでスタートした沖縄初の超大型書店。丸3年近くが経った今、業績はどうだろうか。店長の森本浩平さんを訪ねた。

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 万鐘本店で開店前のジュンク堂那覇店をレポートしたのは2009年4月19日だった。あの時は、まだ書架の間に段ボール箱が山積みになっていて、開店直前の緊迫感が伝わってきた。今はすっかり落ち着き、だれもが知る那覇の立ち寄りスポットの一つになっている。さて、成績は?

 「おかげさまで、たいへん順調です」

 森本さんの説明によると、損益ギリギリの売上のなんと2倍近い売上額を、どの月もコンスタントに続けている。学習参考書や医学書などが特によく売れている。部門によっては、40店以上ある全国のジュンク堂各店の中で2位を記録した月もあるという。

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 逆に、売上がそれほどでもないのは文芸書や文庫部門。文庫で言えば、他のジュンク堂では10%前後のシェアを持っていることが多いが、那覇店は7%ほど。沖縄県民は、価格が手頃でだれもが読むような売れ筋に飛びつくというより、それぞれが多様で個性的な選択をしている、という解釈が成り立つかもしれない。

 そうした多様なニーズに応えているのがジュンク堂の品揃えの豊富さといえそうだ。売場面積が1500坪というのはもちろん圧倒的なスペースだが、ジュンク堂の場合は、そのスペースが普通の書店の何倍にもなるという。

 というのも、普通の書店は平台が多いが、ジュンク堂はほとんどが縦型の書架。足下までびっしり本が並べられている。

 「ジュンク堂は図書館と同じなんです」

 言われてみれば、店内の風景は図書館によく似ている。

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 出店の場所も、あえて一等地ではなく、少し奥まった場所を選ぶのがジュンク堂の流儀という。存在を知ってくれさえすれば、顧客は目的意識をもって来るから、必ずしも一等地でなくても構わない。それよりも、地代が安い方が売場面積を確保でき、生命線である品揃えを充実させることができる。

 那覇店は、かつてダイナハ(後にダイエー)が入居していたビルに出店した。国際通りから少し入った場所だ。

 「ダイナハがあった場所です、と言えば、那覇の人はたいてい知っています。このビルに出店したのは、その意味で大正解でした」

 沖縄の他の書店との競合はどうだろう。

 「他店さんのほとんどは売上を大きく減らしたとは聞いていませんので、うちの売上は沖縄の潜在需要を掘り起こしたとみています」

 簡単に言えば、他の書店になかった本がジュンク堂には置かれており、それらがよく売れている、ということだろう。

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 沖縄県民が、必ずしも売れ筋でない本を含めた多様なニーズを示すのはなぜだろうか。

 森本さんは、本に対する沖縄県民の親しみの深さは、沖縄の出版文化の広がりに現れているとみる。沖縄には出版社が50社ほどある。個人で出版する人も多い。

 「本を読む文化が沖縄にはもともとしっかりあった、ということだと思います」

 こうした順調な業績に森本さんはさぞ大満足かと思いきや、違った。

 「品揃えはまだまだなんですよ」

 その意味は次回3/11(日)に。


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2009年12月20日

[第148話 食] 手打ち風の麺に透明で深い汁

 万鐘の沖縄そば遍歴もだいぶ数を重ねてきたが、県内にはまだまだ魅力的なそば屋がある。そばじょーぐーとしては、まったく手を休めるゆとりもない。今回は、食べ応え十分の昔風そばと透明感あふれる汁とが見事なコンビネーションをみせる那覇のきくやをご紹介。

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 きくやは那覇の小禄の住宅街にあって、外見は普通の家のよう。中に入ると、店主の照屋健一さんとスタッフが人なつこい笑顔で迎えてくれる。開店から5年。このところ、そばじょーぐー達の間でウワサになることが多い注目店の一つだ。

 きくやのそばの特徴は、まずはその麺。凹凸のある手打ち風の麺は、食べ応え十分。小さな製麺所に特別注文して作ってもらっている。つるつるののどごしを楽しむ細麺とは全く違うタイプ。これまで万鐘本店で紹介した沖縄そば店は、どちらかといえば、厚さが均一の細麺、平麺の店が多かったかもしれない。第3話の美里そば然り、第122話のなかどまい然り。

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 手打ち風という意味では、きくやの麺は、第108話で紹介した浦添のてだこそばの麺に似ている。が、きくやの麺はてだこそばの麺ほど固くないし、太さも太め。「昔風の沖縄そば」と形容した理由はそこにある。こうした厚めの麺は、口の中でゆっくりとモグモグしながら味わう。やんばるのそば店でよく出てくる麺に近い。

 汁。ここまで透明感があるのにここまで深いコクのある汁、というのは、なかなかない。手打ち風のボコボコ感のある麺の強さに負けないようにするには、こってりタイプの強い汁にする手もあるが、きくやの汁はあくまで透明だ。透明なのに深いコクがあるから、この麺と最高のコンビネーションをみせる。雑味がないのにとことん深い九州のアゴだしを思い出す。

 肉の煮方は、柔らかめで麺によくなじむが、ぎりぎりの歯ごたえはちゃんと残してある。しかも、三枚肉のスライスはよくある沖縄そばの三枚肉より大ぶりで厚めに切ってあるので、食べ応え十分。麺の食べ応えとよくマッチする。

 というわけで、どんぶりの中は見事な昔風沖縄そばの世界。正確に言えば、リッチな昔風、である。それだけでも十分に楽しめるが、きくやがおいしいのは、どんぶりの中だけではない。周りの「おまけ」もおいしい。

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 その筆頭格が小皿にのったジージキ(地漬け)。大根のジージキは、沖縄では塩を使わず、砂糖や黒糖と酢で漬けることが多いので、バランスが悪いと妙に酸っぱかったり、甘すぎたりする。きくやのジージキは、ひたすらさわやか。調味料の加減と漬け具合が絶妙なのだ。うっちん入りなのは、黄色の色をつけるためだけではなく、うっちんならではの渋みで全体をやんわり引き締める効果もありそう。

 失礼とは思ったが、そばのヒミツをうかがう前にジージキのヒミツを尋ねたら、照屋さんは言った。「いや、これは80のおばあが漬けているもので、どうやって作っているかは私も知らないんですよ」。うーむ、おばあの手作りか。これはもはや商品ではない。ただただ、ありがたい食べものと言うほかない。

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 食後に出てくる黒糖ぜんざいの小鉢もなかなか。こっくり甘いぜんざいは、そばで塩味になっている口の中をまるーくしてくれる。沖縄のぜんざいについては第73話でお伝えした。

 最後に、きくやのすべてをおいしくしているもう一つのことを。店のみなさんの人なつこい雰囲気がそれだ。照屋さんはじめ、スタッフがみなニコニコしていて自然体。気さくに話しかけてくれるので、とても気持ちよく食事ができる。

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 きくやは場所がちょっと分かりづらい。ツタヤ小禄店の裏手にあるのだが、うまく見つからなければ電話を。沖縄県那覇市田原1-6-2、098-857-0565。木曜定休。

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2009年09月27日

[第136話 食] 進化してきた塩せんべい

 塩せんべいは沖縄の代表的なおやつ。サクッとした歯ごたえと生地の素朴なおいしさ、ほどよい塩気が魅力だ。おなかがすいている時は3枚でも4枚でも、あっという間に食べてしまう。

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 原材料は、小麦粉に少しデンプンを加えた粉、植物油と塩だけ。いたってシンプルだ。

 水分と油を含ませた粉を専用の型に入れ、フタをして加熱する。少しして熱が一定の温度に達すると「プシュー」と生地が膨らむ。ポップコーンと似ている。ポップコーンの1粒の種の中で起きることが、塩せんべいの場合は密閉された型の中で起きていると考えればよさそうだ。

 何年も変わらない沖縄の庶民の味、ということになっている塩せんべいだが、実はさまざまな変化、進化を遂げてきた。

 那覇市繁多川にある丸吉塩せんべい屋の2代目社長新田民子さんによると、かつては、塩味ではなく、食紅に砂糖をまぜたものが表面に塗られていた。「私が子供の頃は、赤くて甘い表面をまずなめて、それからせんべいの部分をかじっていました。噛み切るのにとても力が必要で。いま思えば、しけていたんですね」と笑う。

 塩味が登場したのは昭和30年頃らしい。「甘いと子供のおやつにしかならないので、大人でも子供でも食べられるものにしたいと考えた人がいて、塩味を作り始めたんです」。これが今の塩せんべいの起こり、というわけだ。

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 今も、各メーカーは研究開発に余念がない。「塩せんべいの消費量は少しずつ落ちています」と新田さん。多種多様なお菓子がどんどん出てくる中で、消費者を何とかつなぎとめようとメーカーも必死だ。

 例えば、塩味になってからも、生地は微妙に変わってきた。かつての塩せんべいは、やや繊維っぽい仕上がりで、しけていなくても、噛み切るのに多少力が必要なものが主流だった。いま丸吉塩せんべい屋が作る塩せんべいの生地は、サクサク感が強く、噛み切るのに力はいらない。これをさらに進め、口の中ですぐに溶けるようなソフトな食感のせんべい生地を作っているメーカーもある。

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 梅味がコーティングされているものなど、味つけもいろいろ。チョコクリームが別添えになっているものもある。

 丸吉塩せんべい屋の製品「せんの恩返し」の場合は、厚さを変えてある。味は普通の塩味だが、標準バージョンの厚さの3分の1から4分の1ほどの薄焼き。これによって食感がだいぶ変わる。パリパリ感が強調されて、おいしい。

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 その「せんの恩返し」のパッケージにある絵と言葉が、以前から気になっていた。いわく「決してのぞいてはいけません」。 ん?? 

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 新田さんが解説してくれた。「鶴の恩返しのおつうみたいにね、焼きを担当する人は機械の前に座って、せっせとせんべいを焼いているんです。薄焼きはとてもデリケート。注意しないとすぐに割れてしまうので、ものすごく神経を使います」。他人にのぞかれると神経の集中が邪魔されて、上手に焼けないのだという。

 昔は、焼き上がるのを待ち切れない子供たちが工房をのぞき見したらしい。そんな時、のぞいてはダメよ、と制止したのがこのセリフ。「せんの恩返し」のラベルは、そんなかつての工房の風景を描いたもの、というわけだ。

 丸吉塩せんべい屋を有名にしたもう一つの新製品が「天使のはね」。これは塩せんべいを焼く際に型からはみ出すふわふわの部分を商品化したもの。かつてはすべて処分し、養豚業者が回収して豚の餌にしていた。

 新田さんがお腹がすいていた時にたまたま食べてみたら、とてもおいしかった。それまでは、とって捨てるもの、という見方しかしていなかったが、食べてみたらおいしいので、さっそく商品化した。せんべいのようにパリパリしておらず、フニャーっと柔らかい。油気もほとんどなく、塩味もうっすら。赤ちゃんでも食べられそうな優しい味だ。逆に、刺激の強い食べ物に慣れた舌にはモノ足りないかも。

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 塩せんべいは、これからも進化を遂げ、あっと驚く新企画が登場するかもしれない。でも、基本の塩味せんべいは、いつまでも残るような気がする。なぜって、これほどあきのこない味も珍しいから。

 塩せんべいは、古くなるとどうしても油が酸化してくるので、求める際は新しいものを選ぼう。沖縄県内はどのスーパーでも売っている。県外ではわしたショップなどで。丸吉塩せんべい屋は工房横に直売所がある。那覇市繁多川4-11-9、098-854-9017。

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2009年07月26日

[第127話 食] おきなの絶品フーチバージューシー

 フーチバーといえばフーチバージューシー。「よもぎの炊き込みごはん」だ。絶品のフーチバージューシーを出す店が那覇にある。

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 店の名は「琉球料理おきな」。牧志公設市場の国際通り側入口の先、アーケードから出て外側を少し歩いた場所。浮島通り側からなら、牧志公設市場向けに左に入ったところ。ふぜいのある木造の建物に、赤いのれんが揺れている。

 毎週水曜日の昼下がり―。常連客が引き戸を開けて「ありますかー」と言いながら入ってくる。店を切り盛りする3人のひとり、翁長千恵子さんが「ありますよ、どうぞー」。もちろん主語はフーチバージューシーだ。

 おきなは毎日営業しているが、フーチバジューシーは水曜日にしか作らない。なにしろ手がかかる。フーチバーの柔らかい葉だけを手でちぎっていく作業。毎日はとてもやっていられない。おきなのフーチバージューシーはフーチバーがたっぷり入るから、なおさらだ。

 フーチバーは、さっとゆがいてから炊き込む。ゆですぎると香りが抜けるし、ゆで足りないと香りが強すぎて、薬臭いような仕上がりになってしまう。その方がおいしいという人もいるが、おきなのフーチバージューシーは抑えめの香りが特徴。

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 炊く際には豚だしとかつおだしで。ジューシーのごはんを噛み締めていると、上品なだしの風味が感じられる。化学調味料だしに慣れた舌には物足りなく感じるかもしれないが、このだしはものすごく透明で控えめ。フーチバーの味やごはんのうまみを下からしっかり支えているのがよく分かる。

 脂加減も絶妙。炊き込む際には豚三枚肉を少量入れて味をのせるから、少し脂気が混ざったごはんになる。この脂が多すぎるとしつこいし、ごはんの粘り気をじゃまする。少なすぎてもおいしくない。

 口に含むと、フーチバーのよい香りがすーっと鼻に抜け、やがて、だしに支えられたごはんのうまみが口いっぱいに広がる。主役のごはんは、米粒が立っていて、弾力とほどよい粘り気が。ごはんの噛みごたえのすばらしさを再認識させられるジューシーだ。

 「これ、おばあが作ったのか、ってよく聞かれます」と千恵子さんが笑う。おばあの手作りと同様に、手をかけてだしをとり、ていねいにていねいに作るからこの味になるのだろう。

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 フーチバージューシーは500円で、小鉢が3つついたフーチバージューシー定食が600円。かかっている手間ヒマを考えたら、涙が出るほど安い。

 かつては壺屋に店があったので、今も壺屋焼きの陶器をたくさん使っている。フーチバージューシーは水曜日にしか作らないが、多めに作るので、運がよければ木曜日にも食べられる。それ以外の沖縄料理メニューも充実。

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 おきなは那覇市松尾2-11-3、098-867-6078。日曜、祝日休。営業は11:00-15:00と18:00-22:00。 

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2009年04月19日

[第112話 沖縄] ジュンク堂は潜在需要を掘り起こすか

 豊富な品揃えで人気のジュンク堂書店が那覇に出店する。それも東京、札幌、福岡の各店に次ぐ1500坪の売り場面積。その背景には、今は眠っている沖縄の潜在的な書籍需要があるようだ。開店目前の同店を訪ねた。

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 ジュンク堂は全国で38店舗を展開。東京・池袋本店の2000坪を筆頭に、大都市部では、いずれもその地域で1、2を争う売り場面積を確保し、各分野の専門書を含めた豊富な品揃えで顧客を引きつけている。

 ジュンク堂那覇店が入居するのは、那覇の国際通りの中央部にあるむつみ橋から沖映通りを北に入ったビル。かつてダイナハと呼ばれたダイエー那覇店が入っていた建物で、ダイエー撤退後は、長い間、空き状態だった。

 沖縄の人口は138万人、那覇が31万人。人口増加率は全国の中でも高いとはいえ、はたして1500坪の書店を必要とするほどの市場といえるかどうか、ちょっと心配になる。しかも、沖縄の1人あたり書籍購買率は全国で最低クラス。これでは「1500坪」は宙に浮いてしまうのではないか―。

 ジュンク堂那覇店の森本浩平店長にその疑問をぶつけてみたら、興味深いエピソードを披露してくれた。森本さんによると、最低クラスの購買率の中で、例えば岩波書店の本に関しては九州・沖縄で販売数1位。月刊雑誌「文藝春秋」の人口1人当たりの販売数は、都道府県別で堂々全国1位なのだという。

 沖縄が全国で1位とか最下位とかいう項目はたくさんあるので、今さら驚くことはないのかもしれないが、このエピソードは面白い。一般的な書籍の購買率は低いにもかかわらず特定の本は売れる、というのだ。

 岩波書店や文藝春秋が出すものといえば、「流行」とか「売れ筋」より、独自の価値観に基づいた本、ややカタい本が思い浮かぶ。森本さんはこれを「ふみ込んだ本」と表現する。こうした「ふみ込んだ」本は、爆発的に売れることはあまりないから、売り場の小さな書店では十分に取りそろえることが難しい。

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 書籍や出版をめぐる沖縄の事情でもう一つ興味深いのは、県内の出版業者が150社に上ること。1人でやっているような小さな業者も含めての話ではあるが、これは東京に次いで多い。県内で出版される本は全国のトレンドとはほとんど重ならない独自の内容が多いが、「活字」「出版」が身近な営みであることは、どうやら間違いなさそうだ。郷土誌の出版なども非常に盛ん。

 ジュンク堂那覇店でも、地元で出版されている「沖縄本コーナー」はスペースをたっぷりとっている。さらに、同社の全国ネットワークを活用して、沖縄で出版された本を全国で販売することも視野に入れているという。

 活字をめぐるこうした沖縄の文化が今も健在だとすれば、1500坪のジュンク堂那覇店の豊富な品揃えは、「ふみ込んだ本」を求める沖縄の潜在的なニーズを刺激し、掘り起こす可能性が大いにある、ということになる。

 開店を知らせる同店の新聞広告には「図書館よりもっと図書館」とあった。これまで眠っていた書籍ニーズが呼び覚まされれば、ジュンク堂那覇店は沖縄の新名所の一つになるに違いない。

 4月24日の開店まで1週間弱。既に書棚にはたくさんの本が並べられ、地元採用された新人店員への研修指導が活発に行われていた。

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 ジュンク堂書店那覇店は那覇市牧志1丁目19-29。営業時間は10:00-21:00。1階は文芸書、雑誌、文庫本、実用書、2階は各分野の専門書、3階は芸術、語学、児童書、洋書、コミック。盛りだくさんのオープニングイベントが企画されている。詳細はジュンク堂書店のHPで


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