魚醤

2013年08月31日

発酵で激ウマ! 白キムチ

 先日お話しした豆乳ふるふるとは別のオリジナル副菜を取り上げます。その名も白キムチ。ベトナム・バッチャン焼きの赤い小皿に少量のせて、お出ししています。

ShiroKimchi2L


 見たところはただの「キャベツの漬け物」。いや、実際、主原料はキャベツなんです。ただ、味つけが日本の普通の漬け物とはだいぶ違っていまして、生姜、ニンニク、タマネギ、ニラが入ります。

 それに、ももと庵お得意の魚醤も。韓国のキムチは塩辛類を使うことが多いですが、魚醤の濃い味は、塩辛の味そのものです。

 そうそう、乳酸発酵を促すために、ごはんも少し入れていますよ。韓国でもヤンニョムにでんぷんを入れることがありますけど、狙いは同じ。

 こうして原材料を並べていくと、これはもう、キムチそのもの。

 キムチでなく、白キムチと言っているのは、赤唐辛子を入れないから。唐辛子は辛味のほかにも独特のすばらしい味と香りがありますが、辛いのが苦手というお客さまも多いので、思い切って省きました。

 この白キムチを作っているのは、普通に発酵した本来の漬け物のおいしさをぜひ味わっていただきたい、という思いからなんです。

 いま日本のスーパーで売られている日本製の漬け物の多くは、発酵していない浅漬けか、発酵した後に味を抜いてから調味料で味つけしたタイプのものです。

 もちろん、日本でも、もともと漬け物は普通に発酵したものだったんですが、いつの間にか、そうでない漬け物がほとんどになってしまいました。

 以前のブログで書きましたが、韓国はもちろん、東南アジアの国々でも、普通に発酵した漬け物を今もたくさん食べています。

 ももと庵の白キムチは、それらと同じく、普通に乳酸発酵している本来の漬け物です。

 なので、冷蔵してはいますが、毎日、少しずつ発酵が進みます。発酵が進むと少し酸っぱくなってきますが、それがまたウマい!

 発酵が進むと、味がどんどん深くなっていきます。理由はよく分かりませんが、発酵で生まれる味の深さ、鋭さには独特のものがあって、化学調味料ではなかなか出せません。

 お持ち帰り用もご用意しています。お好きな方は「ビールのあてに」と買っていかれます。


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2013年07月11日

ももと庵のアジアンって?(上)

 ももと庵は沖縄料理なの?、それともアジアンエスニック料理なの? とよく聞かれます。うーん、どっちでもあるといえばそうなんだけど、どっちでもないとも言えるし…。??? いったい何なんでしょう(笑)

 ラフテーのようにほぼピュア沖縄料理と呼べるものももちろんありますが、では、ももと膳の冷しゃぶ+アジアだれ、というのは、何と表現したらいいのか。

Lemongrass4


 素材で言うと、沖縄素材を中心に、手に入るものは何でも、です。もちろん「とてもおいしいもの」しか使いません。

 例えば、東南アジア産の魚醤は、運んできても劣化しないですし、ていねいに選べば、しっかり作られていておいしいものがたくさんあるので、ももと庵ではいろいろな味つけに使います。

 沖縄にもスクの塩辛スクガラスがあるように、魚醤特有の塩辛風の味にはそれほど違和感はありません。

 一方、アジアエスニック料理でほとんど不可欠とも言えるレモングラス。例えば、レモングラスが入らないタイのトムヤンクンなんて、ちょっとイメージできないですよね。

 冒頭の写真は、ラオスの市場で見かけたレモングラスですが、根元の部分がしっかり太くなっていて、白ネギのように、その部分をみじん切りにするなどして使います。やはり香りが鮮烈です。

Lemongrass2


 このレモングラス、今のところ、ももと庵では使っていません。

 もちろん、沖縄でもレモングラスは育ちます。実際、何度か育ててみたんですが、どうも「ぎりぎり」という感じで、熱帯アジアのようにはなかなか育ってくれないんです。

 これはもっぱら気候の違いによります。沖縄は日本では常夏のイメージが強いですが、冬場は15度前後の日がかなりの期間、続くため、料理に使う根元の部分がしっかり太くなりません。香りもイマイチなので、うーん、どうしたものかな、というところです。


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2012年08月30日

魚醤とスクガラス

 ももと膳の冷しゃぶには、中華だれとアジアだれの2つが添えられています。この写真ではわかりづらいですが、おちょこのような器が2つ並んでいますね、その左がアジアだれ、右が中華だれ。

1 Mmtzen Tare


 中華だれは、酢醤油のベースに、にんにく+生姜+ねぎの黄金のトリオが加わります。醤油の味とねぎ、生姜、にんにくの風味は、おなじみの味と香りですね。

 もう一つのアジアだれは、魚醤がベース。魚醤はイワシなどを塩漬けにして出てくるエキスを熟成させた液体調味料です。タイのナンプラー、ベトナムのヌクマムと言えば、日本でもよく知られています。

 魚醤にも、一番搾りとか、二番搾りがあって、もちろん最高級は一番搾りなのですが、二番搾りとブレンドすることで、二番搾りも十分おいしく食べることができるようになります。

 ベトナムでもタイでも、イワシを塩で漬け込んだだけの昔ながらの魚醤ばかりでなく、工業的に作られて人工的に味付けされた安価な「魚醤風調味料」も広く出回っていますので、注意して選ばないといけません。

 日本にも秋田の「しょっつる」など、各地に魚醤があります。沖縄には、魚醤と呼ばれる製品はありませんが、よく似たもの、というか、事実上これは魚醤だ、といえるものがあります。

 それはスクガラスを漬けた汁です。最近のスクガラスは観光みやげ用に透明な液に浸かっていますが、あれはほとんどただの塩水で、うまみはありません。本当のスクガラスの汁はうす茶色に濁っていて、見栄えはよくないのですが、魚のエキスですから、うまみの固まり。魚醤そのものです。

2 Sukugarasu somen


 以前、スクガラスの汁でソーメンチャンプルーを作ってみたことがあります。この時は、漬け汁だけでなく、魚本体も使いましたが、実においしかった。

 魚醤はうまみの固まりですが、発酵した独特の臭いがあるので、好き嫌いが分かれることも。ももと庵では、いったん煮切って臭みを飛ばしてから、酢や砂糖と合わせています。にんにく、少量の唐辛子に加え、ニラのみじん切りがいい香りを出してくれます。

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2010年02月21日

[第157話 食] おいしいスクガラス、はあるのか

 この可愛らしい3尾の魚はスクガラス。島豆腐の上に乗って登場する塩辛の一種だ。ただ、スクガラスを食べて心から感動した、という話はあまり聞かない。本当においしいスクガラス、というのはあるのだろうか。

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 スクガラスは、スクと呼ばれる魚を塩漬けにした塩辛。スクはアミアイゴという和名を持つ魚の幼魚。体調は2、3cm。ちなみに親戚のシモフリアイゴはエーグヮーと呼ばれ、第37話で紹介したように、マース煮にしたら最高においしい。

 さて、このスクガラス。居酒屋では、ハンで押したように島豆腐の上に乗って出てくる。ただ、かなりしょっぱくて、そのためもあってか、うまみはそれほど感じられないものが多い。

 スクの体にある小さな突起が固くて口に障るため、頭の方から尾に向かう形で口に入れるといいのだが、どう食べるにしてもそれで味が変わるわけではない。

 豊見城市にある大城海産物加工所の大城久子社長に話を聞いた。大城海産物加工所は、スクガラスを販売している。

 「おいしいものは、とてもおいしいんですよ」と、大城社長がひと瓶のスクガラスを差し出した。液が濁っていて、白いぶつぶつが出ている。おみやげ屋で見かけるスクガラスのように、透明な汁の中に魚がきれいに並べられているのとはだいぶ違う。

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 だが、一尾をとって口に含んでみて、すぐに分かった。とてもうまい。深ーいうまみがある。

 大城社長の話では、沖縄県内で出回っているスクガラスの多くが、実は海外産。沖縄県内で漁獲量が少ないのと、県産は価格がかなり高くなってしまうためらしい。だが、やはり県産のスクガラスが断然おいしいという。

 この県産スクガラス、食べてみて、確かにうまい。酒盗と呼ばれるかつおの腹ワタの塩辛があるが、それに似た強いうまみ。居酒屋で食べていたスクは一体何だったのだろう、というくらいの大きな違いがある。何がこの違いをもたらすのだろうか。

 スクは本当に小さな幼魚なので、獲れたらすぐに塩をしないと悪くなってしまう。したがって、海外産ならば、そこのウミンチューが塩をすることになる。

 だが、塩をするにはかなりの技術がいる。例えば塩の量。入れ過ぎれば発酵が進まないし、味も塩辛くなりすぎる。混ぜ方も重要。混ぜ方が足りないと塩が均等に行き渡らず、一部が腐敗してしまう。混ぜすぎも、身が傷むからよくない。

 やはり伝統的にスクガラスを仕込み続けてきた沖縄のウミンチューに一日の長があるのかもしれない。

 県産のスクガラスは、漬け汁が濁っているが、これがうまみの元と言ってもいいくらいの存在で、しょっつるやナンプラーのような魚醤にも似た深くて複雑な味わい。確かに、おみやげ店に並ぶスクガラスは、汁がもっと透明だ。一見、きれいなのだが、だから味がない、ということなのかもしれない。「白いつぶは自然のアミノ酸なんですよ」と大城社長。うまいわけだ。

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 このスクガラスなら、島豆腐に限らず、どんなものもおいしくしてくれる。まず試してみたのは、熱いごはん。塩辛が熱いごはんに合うように、スクガラスも熱いごはんに乗せたら、ごはんがすすむこと、すすむこと。こんなにおいしければ、突起もさして気にならない。

 大城社長が教えてくれた一品を、万鐘の厨房で作ってみた。題して、スクガラス入りソーミンチャンプルー。

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 いため油をフライパンの片隅に寄せるようにして、そこにスクガラスを入れ、弱火でゆっくりと揚げるようにいためる。1人分で4、5尾か。きつね色になったら、固めにゆでたそうめんを入れて混ぜる。味をみて、ちょうどよい塩気になるように、スクガラスの漬け汁を少し加えていく。仕上げに、ニラやネギ、シソなどの青味を散らして出来上がり。

 タイ料理で、エビの塩辛を油でいためて香りを立て、かつカドをとる方法があるが、あれと似ている。油の高温で加熱されたスクガラスは実にいい香り。

 そうめんを入れて混ぜると、パリパリになったスクは割れていくので、かわいい姿は消えてしまうが、そうめん全体に最高の味と香りをつけてくれる。油で揚げられることで、問題の突起もパリパリに変化し、口に障ることがなくなる。ソーミンチャンブルーの作り方はこちらを。

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 大城海産物加工所の県産スクガラスは、元の濃さのものと少し薄めたタイプの2種類ある。当然ながら、味が濃い前者が断然お勧め。価格は前者が120g入りびんで700円。味の濃いタイプは同社のHPには掲載されていないので、電話で直接注文を。豊見城市字豊見城130、098-850-1036。

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